【単巻5冊読書感想㊴】『カニのつぶやき 海で見つけた共生の物語』『基礎からわかる 建築材料と維持管理の知識』『元彼の遺言状』『流されて生きる生き物たちの生存戦略』『「事務ミス」をナメるな!』
今年二つ目の読書感想です。
前回は年末に読んだものも含まれていたので、39が初って感触ではあります。
それでは、今回の五冊いきましょう。
【1冊目】ひたすら眠くなった『カニのつぶやき 海で見つけた共生の物語』
※このタイトルはKU対象ではありません
「今読んでる本、めっちゃ眠くなるんだよね……」とこぼしたら、「え!? 君でも眠くなる本があるの!?」と超驚かれました。
なんだと思われているのだろう……。
秒で物理的に投げたくなる本や、前書きで「は? 何言ってるのかわからん」と読むのやめたくなる本や、「哲学や倫理学から離れるとか言いながら、結局その枠内でしか語ってないじゃないか」とブチギレする本もありますよ。
えぇ。
具体的に書名を思い浮かべながら書いてしまう時点で、愛しすぎて憎さ百倍のムジナかもしれませんが。
えーと。
このタイトルが眠くなった、という話ですね。
なんというかねー文体が、新聞に載るような、そういうエッセイなんです。
新聞連載といえば、『モノの履歴書』とか超面白いものもあるんだけど。
まぁ、この連載って取材量パないのに、打ち切りみたいな終わりだったんんだっけ?
つまり、まー、わたしの「面白い」と「新聞でウケそう」が被ってないんですよね。
だから、超、眠くなります。
面白くない訳ではないんですよ。
珊瑚礁と共生して守れらている生き物。
これを餌としている捕食生物たちは、もしかして「珊瑚礁のあたりに行けば、逸れた餌食えるかも!」って思ってるのかもよ?
とか。
そういう発想が面白くて最後まで読もう、と投げ出さなかった。
んだけど、やっぱり眠くなるので、逆手にとって寝る前に読んでました笑
終盤にエビ養殖プラントの話なんかもあって、これが現地の裏事情って感じで本当に面白かった。
日本だけではなく中国含むアジア、日本食ブームで西洋にもエビの需要が高まってきて、そのためにエビを工場的に生産するわけだけど。
そのエサ管理とかがマジでつきっきりなんで、家庭に時間が物理的に避けない出稼ぎ民を雇っていてとか。
エビの稚魚はなんぼで売ってて、養殖プラントの方はマジでシビアだけど、こっちのが安定した商売だーとか。
うん。
エビの話。
その前は、イカの話してた。
タイトルはカニなのに……。
新聞エッセイの再録じゃなくて、描き下ろしエッセイなのになんでそーなる……。
【2冊目】マンション・家に関わるライフイベントが来てるなら、必読書!!『基礎からわかる 建築材料と維持管理の知識』
※このタイトルはKU対象ではありません
これはね、ざっとでいいんで本当に読んで欲しい本。
「なんでこんな本読むの……?」と思われそうなんだけど、たまーに建築のガチな本手にとってしまう。
建築学科向けの、一問一答とかあるんだけど、あーゆーのも面白い。
エレベーターは最低何階ごとに止まらないといけない規則があるから、マンションはこういう作りになるとか、火災地震発生時のことが法整備してあったり。
あるいは、回しは何センチでコンセントは高さ何センチで見たいな規格も暗記しなきゃいけないらしい。
ぜんぜん触れてこなかった分野の、大学一年生向けみたいな初学者用の本は意外と発見があっていい。
それで、本書は建築材料と、その劣化から起きる問題に重きを置いた本。
建築業界なら、事務所に置いておけば、ハンドブックとして役立つと思う。
それくらい、必要最低限だけど、仔細に各素材ごとの性質やメリットデメリットが書いてある。
で、一般向けとしては、そこまでは読まなくていいと思う。
わたしも読み飛ばした。
でも、「コンクリに亀裂ができたらどうして補正しなければいけないのか?」みたいな、建築材料の宿命と言える劣化による問題点をわかりやすく解説してある。
それも「コンクリや、コンクリ建物はこうやって作ります」ってレベルから。
でも、だからこそ、納得がいく。
鉄筋は、水が触れて酸化すると脆くなります。
それを防ぐために、コンクリで水が触れないように固めてます。
でも、水漏れがあったり、コンクリに亀裂ができて水や酸素に触れると、鉄筋の酸化が始まります。
亀裂からの水が、錆色だと致命的です。
鉄筋は酸化によって膨張するので、それによってコンクリが破裂して落下する危険性があり、大規模な剥離が起きてしまうと死亡事故になりかねません。
みたいなことを、コンクリや鉄筋はこうやって作られててーってところから解説してあります。
マンションの修繕問題とか、あるじゃないですか。
注文住宅をどのメーカーで作ろう? とかもそう。
鉄筋とか、木造とか色々あるじゃないすか。
そういう、マンションや家にまつわるライフイベントを迎えている方がいれば、この本をお勧めしたい!!
残りの人生でそういうライフイベントに悩んでいる人に、この本をお勧めする!!
そのためだけに、わたしは今、この本に出会って読んだのだ!
なんて、思ったり。
あと、面白かったのは、コンクリがひび割れたり、劣化しないように、コーティングという過程があるらしい。
で、その工法は「人が歩くかどうか?」っていう点で別れるんだって。
人がめちゃくちゃ踏むなら、コーティングが剥がれやすいから、踏まれまくってもいいようにしなきゃいけないってことね。
ってことは、「学校の屋上に立ち入り禁止」ってのは、もしかしなくても「人が立ち入らない前提で、比較的安いコーティングで済ましているので立ち入り禁止」なのかもなぁと思ったり。
確かに、校舎ってなーんかちょっと古びると水漏れしてるじゃない?
ラノベなんかで「立ち入り禁止の屋上で〜」ってあるけど、その校舎の寿命縮めて、水漏れの原因になってるかもなーなんて。
考えすぎ?
いやいや、そういう細部のリアリティが増していくのが、実学を学んでいて楽しいとこじゃないすか。
というわけで、皆さんもたまには、ぜーんぜん関わりのない分野の本も手に取ってみてください。
【3冊目】2021このミス大賞! キャラが立ちまくってる!『元彼の遺言状』
※このタイトルはKU対象ではありません
これ、やばい!
女主人公がすごいキャラなんですよ。
世間平均の婚約指輪に激昂する。
そんな始まり。
いやいやいや、なんでこんなやばいやつが主人公なの?
誰がこいつに共感できるの?
ていうか、一冊こいつに付き合うの?
と思って読み始めて……。
最後には、もっと読みたい! となるほど、この主人公を応援している!
いやいやいや……不思議な読書でした。
皆様も是非この感覚を味わっていただきたい。
【4冊目】伝えられない学者の典型例『流されて生きる生き物たちの生存戦略』
※このタイトルはKU対象ではありません
文章下手!!!!!
それに尽きる。
学術論文と一般向け教養本の書き方は全然違うので、編集者さんはそこらへん確認とレクチャーしてほしい。マジで。
これは、ある程度学習を進めた生物学科大学生とかしか読めへんな……と思いながら読んでいたんですが。
小学校高学年でも読める本を目指した後書きにあってですね……!!
いや無理でしょ……。
あのですね、「同じことを何回も書く」ってのはダメなんですよ。
少なからず本を読んでいたらわかると思うんですが……。
内容自体も結構難しんですよね。
渓流はどうやってできているか、という川の話から入るので。
そもそも、「環境が大事なんで、最初は渓流の成立から解説しますねー」くらいの導入がいるかないか?
で、なんだろ、文章下手以外にも問題があって、著者が自分は知っていることと、読者が知っていることを把握してない。
だから、そもそも、こう伝えたらわかりやすいのではないか、という視点が全くない……。
学者さんが、一般向けに情報発信できないってプチ問題になってるじゃないですか。
あー、こういうのいうのかーみたいな。
大変に読みにくい、本でした。
【5冊目】やっぱり、役に立てそうなノウハウを見つけられないでいます『「事務ミス」をナメるな!』
うーん。
なんだろう。。。
仕事で使えるヒントを探してるんだけど、ないんだよね。
製造業とか営業じゃないし。
だから、それに付随する事務作業とは求めるところが違うわけで。
販売業という訳でもないから、サービス業のノウハウとなると「売る」によってしまいがちで、これも参考にならなかったりする。
仕事への具体的なヒントを探しているけど、もしかしすると、そうじゃないのかも。
自分で考える労力を惜しんで、逆に無意な読書をしてるのかもしれない。
具体的な方法論をいくつか読んでみたけど、「これは、役に立てる方法がわからない」ってなってる。
だから、今必要なのは、逆かも。
抽象的な、「問題解決」とかそういう思考法のビジネス書の方が、役に立つのかも。
自分で実践する、その過程が一つ、大変ではあるけど。
その時はできなくても、考え方として持っていたら、自然と自分流に取り入れられてたりするしね。
というわけで、次の実用書はそういうタイトルを探してみたいと思います。
こうやって、「感想を文章に書く」という段階を踏むの、いいですね。
「結局役立て方がわからない」っていうモヤモヤから、「次はどうしたらいいか」っていうのが見えてきました。
体調が悪かったりすると、「なんで自分にこんなノルマ課してるんだろう……?」という気分にもなったりしますが。
余力のある時は、思考をまとめるために書き綴るのも一つの方法。
気力のない時は、メモ程度にまとめておけば、後からの発見に期待する。
明日、あるいは一ヶ月後、一年後を「より良くする」というスタンスが大事なのかも。
一歩一歩進んでいくのが大事。
というわけで、えーと。
なんの話かわからなくなってきましたね。
カニを表題に掲げて、イカやエビの話を始めるのと同じくらい……。
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