Kindle Unlimitedで漫画読も!! #1 『離婚時代』
Kindle Unlimitedは、幅広いジャンルの書籍が読めるサービスです。本当に多彩なジャンルが対象になっているので、ご興味のある方は、Kindle Unlimited完全攻略や1日1冊Kindle unlimitedおすすめタイトル紹介を覗いてみてください。
とはいえ、「本より漫画派」「本もいいけど漫画も読みたい」という方も多いのではないでしょうか。
このシリーズでは、次のような漫画タイトルを対象に紹介していきたいと思います。
✔️ Kindle Unlimitedで全巻読めるタイトル
✔️ 貸出枠を圧迫しない合本版が中心
✔️ あまり知られてないタイトル
✔️ 一昔前のタイトル
あなたの漫画ライフを楽しく彩る漫画に出会える場所になれば幸いです。
『離婚時代』
お見合い結婚と恋愛結婚が半々くらいの時代。だんだん離婚が増えると時勢を読んで、明るい離婚を目指して相談に乗るべく離婚コンサルタントは今日も事務所を開いています。でも、その稼ぎの大半は、裏メニューの「別れさせ屋」。
所長の羽島祐介は甘いマクスに武道のプロ、広い人脈を持ちながら、女好きな軽薄さが玉に瑕。秘書として雇われた長月ルミ子は21歳ながらに趣味は貯金。でも、危険いっぱいの仕事を楽しんでいます。
そんなコンビが、どんなカップルでも、どんな手段を使ってでも離婚させていきます。
基本データ
冊数 : 合本版10冊(コミックス40冊)
絵 : ◯ 気になるほど古くはない
キャラクター : 前半◯ 後半△
ストーリー : 前半 探偵活劇
後半 単話ごとに家族を描く
終わり方 : ×
参考読了時間 : 約9時間
そのほか : スマホ画面でも読める
総評
シリーズ前半と後半でストーリが別物です。ストーリの色合いがかなり変わるので、「急につまらなくなる」という感想を抱く人もいるかもしれません。
前半・後半でストーリがまったく違うので、それぞれ別けておきます。
前半
前半は、探偵活劇です。
離婚という重いテーマを扱っていますが、祐介・ルミ子のコンビが明るいため、さほど重くはありません。依頼を受けて「題して◯◯作戦!」で始まり、最終的に二人の会話でオチるという構成。
さまざまな作戦を立てて、絶対にカップルを離婚させていく、探偵ものやスパイもののような色合いのストーリーです。
後半
後半は、不倫や家庭問題が単話ごとに描かれています。
祐介・ルミ子のコンビはほとんど出てきません。前半で「面白い!」と思った読者はがっかりするかもしれません。表紙はこのコンビなのですが。
コンビものにありがちで最大の胸キュンポイントの「惹かれていく二人」。このシリーズの最大のマイナスポイントは、その結末が描かれないことです。
後半では、単話ごとにいろんな家庭のドラマティックな事情が描かれます。ガラッと作風が変わって、不倫に揺れ動く妻だとか、複雑な家庭事情に思い詰める子供だとか、そういった話が続きます。
オカルトチックな話も混じったりして、単純に家庭のゴタゴタを覗き見するのが好きっていう人も純粋に楽しめないかもしれません。
合本版の収録巻では、祐介・ルミ子のコンビの結論が出ないので、面白くなくなったと思った時点で読むのをやめてもいいかもしれません。
こんな人におすすめ!!
✔️ 単話ごとにストーリが完結。隙間時間に読む漫画にピッタリ
✔️ 前半は、気軽にドタバタコメディを読みたい人に。
✔️ 後半は、男女や家族の事情を読むのが好きな人に。
雑多に感想
さて、もうこの漫画を読むかどうか決めてしまうだけの情報は書ききったと思います。
ここからは、わたしの感想をつらつらと書いていきたいと思います。このシリーズを読むと決めた方は、漫画へどうぞ。
タイトルセンス、古くない?
タイトルから時代を感じます。四文字で短くまとめる必要があったんでしょう。
まぁ、後半のイメージは『離婚時代』がしっくりくるんですが、裕介&ルミ子コンビの快活さにはあいませんね。むしろ、今風の長いタイトルで『離婚コンサルタント 〜どんなカップルでも別れさせます〜』なんてどうでしょうか。
愛すべき、裕介&ルミ子コンビ
コンビものをよく読む身としては、この二人はかなり好きですね。
裕介は女好きの散財癖、ルミ子は貯金が趣味と二人のキャラクターが正反対に見えて、仕事は阿吽の呼吸でやってのける。
会話も軽快で、お互いに気兼ねしない仲に見せかけてちょっとのきっかけでお互いに意識してしまう。王道を行く男女コンビです。
その分、二人がひっつくまでや、ひっついた後が描かれなかったのはとても残念です。
なんで、そこまで作風が変わるの?
前半と後半でガラリと作風が変わりますが、ネタ切れと掲載誌の要望があったんじゃないかと思いますね。
まずは、ネタ切れ。裕介&ルミ子コンビはコメディ軸のキャラクターなので、しっぽりとした男女の仲を描くのにどうしても邪魔にしかならないんですよね。
しかも、最後はこの二人の会話で落とす構成なので、多少のシニカルや世知辛さを含みつつもクスリと笑って終わってしまう。同じような読了感の話ばかりになってしまいます。
そこから脱却するには、この二人を出さない、という選択を取らざるを得なかったんじゃないでしょうか。
もう一つは、掲載誌の要望。掲載誌が、小学館『女性セブン』なんですよね。
結構、女性向けの漫画としては、とある家庭の不倫事情とか、家庭のあれこれとか、ちょっとオカルトチックな話とか、そういう需要があるんですよ。『実録 不倫妻』とかそういう感じの。
通読すると違和感しかありませんが、たまに雑誌を買って、『離婚時代』というタイトルでそういう内容が展開されても違和感はないでしょうね。
裕介&ルミ子コンビのドタバタコメディはちょっと掲載誌の色に合わなかったんじゃないでしょうか。コンビものの恋愛模様部分は、女性向けを意識していますから、この要素をもっと強めていれば、二人も生き残ったかもしれませんが。
内容としては、どちらかというと青年誌の部類だと思うんですよね。絶対離婚される別れさせ屋、スパイかくやという作戦、そしてコメディチックなコンビに女性読者はむしろ不快感を抱いてしまったのかもしれません。
最終巻表紙で裕介が抱いている子どもは誰なのか
裕介とルミ子のコンビはなかなか登場しなくなるものの、表紙では彼ら二人だけのストーリが展開しているように見えます。
最終巻表紙なんて、裕介が花婿姿で子供抱いてて、ルミ子はウェディングドレス着てるとしか見えませんからね。
プロットまではいかなくても、二人がどんな恋路を辿るか構想はあったんじゃないでしょうか。
勝手にわたしが想像した、というか表紙から想像したのは、依頼の行き掛けで赤ちゃんを育てることなるというストーリです。そして、最終的に二人の元に赤ちゃんが残ってしまい、ルミ子「もうこうなったら私たちが結婚するしかないわ、裕介!」裕介「あぁ、そうだな!」みたいなヤケで入籍し、赤ちゃんを養子としてもらってしまうというもの。
結婚式なんてお金の無駄と言い張るルミ子に、せめて記念撮影でもと撮った写真が最終巻の表紙……というところでしょうか。
またどこか別のところで、このコンビには出会いたいですね。
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