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オールタイム・ベストアルバム100

自宅のCDの整理をしていてふと、自分のオールタイム・ベストアルバムを100枚選ぶとしたらどれだろう?と思い、真剣に考えてみた。(真剣にというところがポイント)

じっくり選盤した結果、60~70年代のクラシックロック、シンガーソングライター、ソウル、ジャズにブラジル音楽、という自分らしいラインナップに。近年のアルバムでも充分オールタイムベスト級と思えるものは積極的に入れた。

より多くのミュージシャンの作品を選びたかったので、例えばビートルズのアルバムを選んだ場合、ジョンやポールのソロは入れないというルールを設けた。(本当は入れたかったが)
とはいえ、やはり100枚という上限は厳しく、ニール・ヤングやコステロですら入れられないという結果に。ただ、厳選したからこその濃厚さは出ていると思う。

あくまでも今の気分の100枚ではあるけれど、3/4くらいのアルバムは20年後でも間違いなく選んでいるはず。

たまにはこんなどうでもいいことを真剣に考える時間も悪くないなと。楽しかった。

以下、リリース(録音)順に一枚ずつ簡単なコメントを。

1. Chuck Berry - Chuck Berry Is On Top (59)
自分のロックンロールの原点はチャック・ベリーなのでここから始めるのが順当。

2. Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar (60)
19歳の頃かな、これしか聴かない時期があった。冒頭の『エンジン』でノックアウト。

3. John Coltrane - Giant Steps (60)
ジャズを聴き始めた頃(高校時代)に出会った大切なレコード。コルトレーンはアトランティック期が一番好きかも。

4. John Lee Hooker - Don't Turn Me From Your Door: John Lee Hooker Sings His Blues (63)
ブルーズで一枚ねじ込むならジョン・リー。アルバムはどれでもいい。ジョン・リーを選ぶことが大事。

5. Grant Green - Idle Moments (65)
高校生の時にラジオで知ったレコード。ソウルフルで洒落たジャズ・アルバム。

6. Miles Davis - Nefertiti (67)
モード・ジャズ洗練の極み。

7. Quarteto Nôvo - Quarteto Nôvo (67)
エルメート・パスコアールはソロよりこっちを選んじゃう。いや、やっぱりソロも入れたかった。

8. The Doors - The Doors (67)
ロビー・クリーガーのギターが衝撃的。

9. The Jimi Hendrix Experience - Axis: Bold As Love (67)
ジミのスタジオ・アルバムはこれが一番好き。(1stと悩んだ)

10. The Beatles - The Beatles (68)
中1の冬、生まれて初めて聴いたビートルズのアルバム。これが自分の音楽的価値判断の基準になってしまったので厄介。

11. The Kinks - The Village Green Preservation Society (68)
自分がミュージシャンなら絶対こんなアルバム作りたい。

12. The Beach Boys - Friends (68)
ビーチ・ボーイズは『サンフラワー』とこれが好き。

13. Blood, Sweat And Tears - Child Is Father To The Man (68)
アル・クーパー関連で選ぶならソロよりBS&Tの1stを。サージェント・ペパーズ、ペット・サウンズへの返答。

14. John Hartford - Housing Project (68)
ブルーグラスとサイケ・箱庭的な音像の同居が画期的。マルチ奏者・作曲家としての手腕もたしか。

15. Andy Pratt - Records Are Like Life (69)
のちにAOR系シンガーソングライター(以下SSW)として知られるアンディ・プラット幻の1st。何度聴いても解き明かせないパズルのような音楽。

16. Frank Zappa - Hot Rats (69)
唯一無二。ザッパにしか作れない音がある。

17. Chicago - Chicago Transit Authority (69)
中3の時にこのアルバムを聴いてジャズだと思った。そんな勘違いが自分の音楽観の基礎。

18. The Band - The Band (69)
ザ・バンドの2nd。10代の頃は1~2枚目より『カフーツ』(4th)のほうが好き!というへそ曲がりだったが今は素直にこっち。大名盤。

19. Nina Simone - Nina Simone And Piano! (69)
聴いてて泣きそうになる数少ないレコード。

20. Nick Drake - Five Leaves Left (69)
ニック・ドレイクのまなざしに憧れる。

21. Fairport Convention - Liege And Lief (69)
フェアポートのぶっといグルーヴにロックバンドの芯を感じる。

22. Bob Dylan - New Morning (70)
ディランは必ず一枚選ぶルール。今の自分にはこれくらいユルいのがちょうどいい。

23. Jimmy Webb - Words And Music (70)
シンプルに良い曲を書くソングライターが好き。

24. かまやつひろし - "ムッシュー" かまやつひろしの世界 (70)
高校生のときスパイダースのファンだった。(団塊世代かよ)

25. The Who - Who's Next (71)
ピートのソングライティングが最も冴えてた時期の名盤。ドラマチックな名曲揃い。

26. Gil Scott-Heron - Pieces Of A Man (71)
ギルスコを聴いてるとジャズとかソウルみたいなジャンル分けが無意味に思える。

27. Marvin Gaye - What's Going On (71)
マーヴィンといえばやっぱこれでしょ。『イナー・シティ・ブルーズ』のイントロだけでご飯3杯はいける。

28. Aretha Franklin - Live At Fillmore West (71)
最強ライヴ盤。

29. The Rolling Stones - Exile On Main St. (72)
『メインストリートのならず者』といえば焼き鳥である。(いろいろ想像してください)

30. Jesse Ed Davis - Ululu (72)
こんなにも心惹かれる音を鳴らすギタリストはそういない。スワンプ・ロックの大名盤。

31. Bobby Charles - Bobby Charles (72)
ウッドストック系の名SSW。ルーツロック好きな友達のカバンにそっと忍び込ませたいレコード。

32. Todd Rundgren - Something/Anything? (72)
トッドは何枚目を入れるの?2nd?あーやっぱりサムエニね、みたいな自己との対話。

33. Eric Justin Kaz - If You're Lonely (72)
お守り代わりに聴き続けてきた大切なレコード。次作『カル・デ・サック』も最高。

34. Terry Callier - What Color Is Love (72)
カデット時代の3枚は甲乙つけがたい出来。テリー・キャリアーは晩年(90年代以降)のアルバムも素晴らしい。

35. Bobby Womack - Understanding (72)
今の気分だとこれ。冒頭2曲でやられる。

36. Al Green - I'm Still In Love With You (72)
ほぼビートと歌だけでここまで表現出来る歌手ってアル・グリーンくらいでは?

37. George Jackson - George Jackson In Memphis 1972-1977 (09)
豊潤な南部ソウル。とにかく良い曲を書くソングライター。

38. Donny Hathaway - Live (72)
初めて聴いたとき良すぎてひっくり返った。

39. Bill Withers - Live At Carnegie Hall (73)
この時代のソウルミュージックは良いライヴ盤が多い。

40. Stevie Wonder - Innervisions (73)
生まれてはじめて買った黒人音楽のレコード。

41. Shuggie Otis - Inspiration Information (73)
若き天才による才能の結晶。時代を先取りした感覚に脱帽。

42. Marcos Valle - Previsão Do Tempo (73)
今まで聴いたすべての音楽のなかで一番好き。

43. Little Feat - Dixie Chicken (73)
10代後半に衝撃を受けたレコード。独特なバンド・アンサンブルに驚く。

44. Frankie Miller - Frankie Miller's High Life (74)
アラン・トゥーサンがプロデュース。ブルー・アイド・ソウル屈指の傑作。

45. Brinsley Schwarz - The New Favourites Of... (74)
パブロックから一枚。ブリンズリーズのラスト作。皮肉にもこれが最高傑作に。

46. Brian Protheroe - Pinball (74)
俳優兼ミュージシャンのユニークなアルバム。最近も新曲出してて偉い。

47. Bruce Cockburn - Salt, Sun And Time (74)
カナダの名SSW。美しきフォークロックの世界。

48. Kenny Rankin - Silver Morning (74)
ケニー・ランキンはAOR一歩手前のこの時期(次作『インサイド』辺りまで)が一番好き。

49. Tamba Trio - Tamba (74)
通称『ブラック・タンバ』。ブラジル音楽の奥深さを味わえる傑作。

50. Bob Marley & The Wailers - Live! (75)
レゲエで一枚選ぶならやっぱりこれか。

51. John Martyn - Solid Air (75)
独特なセンスのギタリスト&ソングライター。50年経ってもまったく古びない。

52. Grateful Dead - Blues For Allah (75)
演奏・編曲が摩訶不思議。黒人音楽をこんな風に解釈するロックバンドもなかなかいない。

53. Curtis Mayfield - There's No Place Like America Today (75)
今の気分ではインプレッションズよりこの時期のソロ。シリアスでドライな空気感にしびれる。

54. Leroy Hutson - Hutson (75)
キラーチューン多めの傑作3rdを。1stもいいよ。

55. Johnny Guitar Watson - Ain't That A Bitch (76)
ファンク枠を埋めるレコードがいまひとつだったので、JGWとジョルジ・ベンに任せることにした。ドラムとホーン以外は本人の演奏。大変器用なギタリスト。

56. Antônio Carlos Jobim - Urubu (76)
ジョビンはなぜか歌モノのアルバムに惹かれる。ヴォーカルよれよれだけど。

57. Azymuth - Aguia Não Come Mosca (77)
ジャズ・フュージョンから1枚と思い、ジョージ・ベンソン『ブリージン』とフルムーンで悩み、「いや、おまえはアジムスだろ!笑」ということで落ちついた。

58. Ivan Lins - Somos Todos Iguais Nesta Noite (77)
イヴァン節炸裂。美メロの洪水。

59. Taj Mahal - Brothers (77)
映画サントラ。メロウで緩い雰囲気が最高。70年代のタージのアルバムはどれもおすすめ。

60. Jorge Ben - A Banda Do Zé Pretinho (78)
ファンキー・サンバの本命盤。こんなの誰も真似できない。

61. Lô Borges - A Via Láctea (79)
永遠のメロディと呼びたくなる。美メロのお手本。

62. Joe Jackson - Look Sharp! (79)
パンク・ニューウェイヴで一枚。MONOミックスの潔さ。ビートロックに心躍る。

63. NRBQ - Tiddlywinks (80)
最高でしょ!

64. Joni Mitchell - Shadows And Light (80)
『夏草の誘い』と『逃避行』で悩んだ末両方入ってるライヴ盤を。大学時代に愛聴した。

65. Steely Dan - Gaucho (80)
スティーリー・ダンはこれと『プレッツェル・ロジック』が好き。まあ他も全部好きだけど。

66. Van Morrison - Inarticulate Speech Of The Heart (83)
音楽に癒されるという表現には抵抗あるけど、これを聴いてる時間は何だか癒されてる気がする。一曲目が死ぬほど好き。

67. Fred Frith - Cheap At Half The Price (83)
プログレ、フリー界隈で知られる英国ギタリスト。4トラック宅録のおもちゃ箱みたいなレコード。

68. The Police - Synchronicity (83)
スティングは全作品聴いてるほどのファンではないけど、自分の音楽史のなかではかなり重要な存在。15歳の時に聴いて衝撃を受けた。ヒュー・パジャムの名前もこれで覚えた。

69. Ben Watt - North Marine Drive (83)
ほんとはこんな音楽がやりたい。

70. Prefab Sprout - Steve McQueen (85)
エヴァーグリーンという言葉がピッタリな音楽。パディ・マクアルーンは80年代の英国を代表するソングライター。

71. Milton Naschimento - Miltons (88)
今の気分ならこれ。『ライク・アス』で泣く。

72. Lenny Kravitz - Let Love Rule (89)
良いレコード。これはリアルタイムで聴きたかった。

73. XTC - Oranges & Lemons (89)
高校時代に死ぬほど聴いた青春の一枚。

74. Paul Weller - Paul Weller (92)
影響受けてます。

75. G. Love And Special Sauce - G. Love And Special Sauce (94)
高校時代の愛聴盤。オルタナ、ヒップホップ世代で、ブルーズやフォークにもどっぷりだったのでハマらないわけない。

76. Ron Sexsmith - Ron Sexsmith (95)
ロンセクの魅力が凝縮されたデビュー作。ダイヤの原石だ。

77. Cassandra Wilson - New Moon Daughter (95)
ジャズに興味を持ちはじめたころの話題作。カヴァーの選曲が秀逸。

78. Tony! Toni! Toné! - House Of Music (96)
90年代ソウルで選ぶならトニーズ。バンドならではの音がいいね。

79. UA - FINE FEATHERS MAKE FINE BIRDS (97)
初期の傑作ライヴ盤。MCもたっぷり収録。26年も経つともはや貴重な記録に思える。

80. Stereolab - Dots And Loops (97)
オルタナで影響受けたのはこの辺。実にクール。

81. Caetano Veloso - Livro (97)
カエターノは好きなアルバム多いけど最終的にはこれに落ち着く。90年代ブラジルを代表する名盤。

82. Elliott Smith - XO (98)
SSW特有のナイーブさに惹かれる。他人とは思えないんだよね。

83. Dan Penn & Spooner Oldham - Moments From This Theatre (99)
ダン・ペンの曲が聴けるしあわせ。

84. Badly Drown Boy - The Hour Of The Bewilderbeast (00)
2000年代にオルタナ系SSWを聞き漁ってた頃の愛聴盤。スケッチみたいに音楽をつくる人。

85. Common - Like Water For Chocolate (00)
ヒップホップ系ならザ・ルーツかコモンを選びたい。70年代のソウルミュージックみたいな感覚で聴ける。

86. BONNIE PINK - Let go (00)
トーレ・ヨハンソンとの2枚も最高だけど一枚選ぶならこれ。プロデュースはミッチェル・フルーム。ボニーはシングル曲以上にアルバム曲が面白い。

87. paris match - typeIII (02)
Vo.のミズノマリさんは大学の先輩。名古屋時代のあれこれを懐かしく思い出す。20年経って、ジャパニーズAORの傑作としても新鮮に聴ける。

88. CARNATION - LIVING / LOVING (03)
トリオ期の名作。このアルバムに何度救われたことか。

89. Steve Winwood - About Time (03)
80年代後半から大味なアルバムが続いたあとの本作は衝撃的だった。一生聴ける。

90. Luis Alberto Spinetta - Para Los Arboles (03)
アルゼンチン・ロックの至宝。この人の音楽は全部好き。

91. Metheny / Mehldau - Metheny / Mehldau (06)
リリース当時よく聴いた。この2人のデュオが悪いわけがない。

92. Domenico - Cine Privê (12)
ドメニコ、モレーノ、カシンの音楽に刺激を受けた世代。

93. Diggs Duke - Offering For Anxious (14)
ゴンチチさんのラジオで耳にしてレコード店へ走った一枚。

94. D'Angelo & The Vanguard - Black Messiah (14)
実は『ヴードゥー』よりこっち派。

95. Prince - HITnRUN Phase Two (15)
プリンスがこの世を去り7年経った。

96. Ryley Walker - Primrose Green (15)
現代のフォークロック。弦の鳴りにうっとり。

97. Ian Lasserre - Sonoridade Pólvora (17)
ひそかな愛聴盤。ブラジルは才能豊かな若きミュージシャンが多い。

98. Kurt Rosenwinkel - Caipi (17)
これは良いアルバム。SSW的な要素の強いジャズが好き。

99. Sam Gendel - 4444 (18)
サム・ゲンデルは歌モノSSW的な本作が最高。もうこういうアルバムは作らないんだろうな。

100. Catbug - Slapen Onder Een Hunebed (21)
ベルギーで農場を営みながら音楽活動をする才女。何度聴いても素晴らしい。