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【マガジン・エイトデイ】       今日も健やかに、鬱。



私は明るい。
私は優しい。
私は配慮が得意だ。
お調子者にだってなれる。


でもどこか、静かで闇を感じる。
消極的で内向的で、どこか諦めている。
そんな気配なんだろうか。
多分そんなときは、鬱だと思う。


鬱の気配が多いと、体調が崩れ
明るくもなく優しくもない。
配慮なんて余裕もない。
できていないことは
全て投げ出してしまいたくなる。
(つまり人生の全てだ)


人と会うのが、疲れることだと、変換する。
自分が醜くくさく、汚い存在だと
自分に罵声を浴びさせて、
失敗や後悔を粘着に思い出しては
価値のないことを憂い、嘆く。


どんどん小さくなって、消えてしまえばいい。
(そのうち、それ以上のことを想像する)


夜の眠は訪れず、食べる物は砂のよう。
好きなものが、無になる。眠い。
太陽が私を照らすたびに申し訳なくなる。
なんの関連もなく涙がこぼれ、大好きな本も
同じ行をずっと繰り返して読む。
文字が素通りして、思考まで辿り着かない。


過去の自分のことばかり振り返る。
未来など見えず、不安が募る。

つまり、ちっとも先に進まないのだ。

鬱の気配が少ないと、明るく先を見据え、
朗らかで全てのものに、感謝が溢れる。
誰かの役に立つことがよろこびになる。
食べ物は美味しいし、美しい文章は栄養になる。前に進むことが楽しくてしょうがない。


鬱にも魅力がある。
まず内省できる。普段は外の意識に方々向かい、これほど自分に集中することもない。
(鬱になるような人は、他の気配や他人や状況に集中するシーンが多すぎるきらいがある。)

完全に思考が重量オーバーな状態、
そのやり方は本意じゃないよと
ストップを教えてもらえる。

誰にでも助けてって言ってもいいと
やっと許可を出せる。
(甘えることのブレーキを外せる)


どこかで諦めようとする意識と
まーったく関係なく、身体は常に機能して
いつだって生きる気満タンなのだ。

身体ほど、嘘のないものはない。
どんなに生きることを脳が諦めたがっても
無意識のうちに、水を飲む。
動く光を追う、視線。
心地よい空間を求める、皮膚。


身体はあからさまに
生きようとしている。


そこまで感じきって、ようやく鬱が明ける。
そして溜め込んで自分に、潜る。
私は、永遠にこれを繰り返していくのだ。

鬱があってこその私だ。
鬱が私であるようにと、
とどめてくれている。

鬱は雨のようなもので
明けない鬱などない。


明けたあとは、意識が別人くらい
鬱が鎮まりかえる。

今までのやり方に頼ることはできず、
勝手に次のステージが始まっていて
身体はすでに順応している。


光を捉える。
思考と身体と意識が
フィットする。


私をなんだこいつと思った人は去る。
メリットの視点で、
貪欲にほしいだけの人には、
鬱状態の私はへなちょこすぎて、
使い物にならない。
わかりやすい愛の配給は難しいので、
距離が変わる。

ボサボサクタクタのわたしは
辺りの気配が変わったことに気づく。
もともと未来などはなく、
今から作るだけだと立ち上がり、
着ているスカートをはたく。

謎のプレッシャーから解き放たれる。

スカートからパンのクズが落ちようが、
元々、はたけば色々出てくる人間だ。
清らかでもない。
もうこれは、しょうがない。

鬱の場合、抜け出すには、
枯渇した自分だけではどうしようもない。
ちゃんと助けてくださいということ。
関わることが煩わしいとすら思うのに、
救いは他ならない「他」だ。

お薬や、場や、環境。
そしてやっぱり「人」なのだ。

助けてと言う。ちょっと視界が開けたら
お礼を言い、感謝を持って接する。
そして新しい自分と新しい出会いに
ワクワクする。


「根性が足りない」
今回の雨季(鬱季)で、もらった言葉。
根性を調べると「苦しみや困難に耐え、事を成し遂げようとする強い気力。根気。」

「根」は力があって
強いはたらきをもつもの。
「性」は性質。

どうやら、私が思ってる以上の大きな力を
扱っていて、そこに対応するステージにいるのにも関わらず、根気を持って成し遂げようとする覚悟が足りてないよー。というメッセージだった。

じゃあ、どうするか。
雨季(鬱季)明けの私は、じっくり見据える。
動くのはそのあと。
考えなしに、とりあえず動いていた
私からすると、ここが大きな進歩だ。


根性で鬱に耐える必要は一切なくてね。
鬱でも明けても、私は生きている。
鬱すらも活用して私は生きていく。
明るく鬱になり、軽やかに復活する。
ゾンビと言われる所以である。

頼りになる私。
ヘニョヘニョの私。
どっちも受け入れると
なかなか面白い人生だな。

ウィルスや菌や、憑く。
頼るお願いする依存する。
いろんな方法を駆使して使って、
生きればいい。
良いも悪いも生み出すのは、自分だもの。

どうやら私の今後の軸は
「成し遂げる」
ということらしい。

本気で成し遂げようとしてるところに
集まってくれる人を大切に、進む。
丁寧に積み重ねる。
今のところ、それがやることだ。
小手先だけじゃ、成し得ない。
そういうのが見たいのだなあ。

歩いてる割に整ってない?
いえいえ。
整えてるから明るく鬱ができるのさ。
整えてるから生きることが
継続できてるとも言えるのです。

今、この状態、フォルム、システム、配置
なんでも全部ベストなんです。

何が大事で、何を諦めないのか。
どんなのが、見えるのか。
鬱も含めて、見たくて生きてるんだよね。

ご興味あればご一緒にどうぞ。
あなたと見ると世界は面白い。

では、また。
果歩

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