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【マガジン・エイトデイ】       環境が変わり荒れる5歳と話してみた。



うちの5歳は
環境が大きく変わると、
情報が多すぎて処理しきれず
パニックを起こす。


パニックの症状としては、
ちょっとしたことで
不機嫌になったり
思った通りにいかないと
癇癪を起こすパターン。


ただのパニックで済むといいなと
様子を伺っていたら、
5歳は自分の不機嫌で、相手を
コントロールし始めた。
その辺りから、
私の咳が止まらなくなった。


関連していなさそうに見えて
わりとリンクしている。
彼女がゆったりした
気持ちでいるときは
私の咳も出ない。


「ちょっと待って」
「私のペースで」
「私を置いていかないで」
そんな彼女の心持ちの時に
私の咳勃発。

色々をワンオペ、
ひとりで動いていると
5歳の要望を優先するわけもいかず
後回しの対応を悪いなあと
感じて、私も言いたいことを
我慢しているせいでもある。


こりゃいかん。

彼女の本音を引き出すのに
余計な情報が入らないように
部屋をクリーンにして
本などは置かない。
清潔な布団を用意する。

眠る前に、興奮状態に
持っていきたくはないけど
明日に持ち込む方が
溝が深い。

よし。呼吸を整えて
私は、話始める。

私「今日は5歳の布団に入ってもいい?」
5「いいけど。(ちょっと嬉しそう)」
私「お話があるんだけど、今いい?」
5「いいよ、なあに?」
私「最近、すぐにイライラしてる?」
5「うん。」
私「イライラしてるとみんないうこと聞いてくれてるようにおもうじゃん?」
5「うん。」

私「あれね、続けると、みんな5歳のこと、こわくて一緒に遊びたいなあって思わなくなるんだよ。5歳はそれでもいい?」
5「えー、いやだなあ。でも、すっごいなんかムカムカしちゃう。」
私「そうだよね。多分そのムカムカなんだけど、大阪から新しいおうちになって、新しい保育園になって、ママもバタバタしてて
5歳は、さみしいって思ってるんじゃない?」

ここで5歳、シクシク泣き出す。

私「ママもね、手一杯で5歳のお話聞いてあげられてないなあ、悪いなあって思ってたんだ。今日は、そのお話。」
5「あのね、前の保育園のお友達、今は何してるかなあって思ってたら、さみしくなっちゃうの。会いたいなあって思うの。」

私は、泣きじゃくる、
5歳を抱きしめて言った。

私「さよならしたけど、会えないわけじゃないよ。今の保育園のお友達だけが、お友達じゃなくて、大阪にも東京にもお友達がいるってこと。」
5歳「どっちかとしか、仲良くしちゃだめって思ってた。」
私「そんなことないよ、両方とも仲良しでいいんだよ。」
5歳「それは知らなかったよ。」

だいぶ落ち着いた様子なので、続ける。

私「さみしくて、ムカムカして、ママのいうこと聞かないってして、協力してくれないと、ママやることいっぱいあって、おしゃべりしたくても遊びたくても、全然上手く時間が作れないでいるの。
このままじゃ、お咳も治らないし、お咳ですぐしんどくなるし、どんどんおしゃべりする時間とか遊ぶ時間なくなって、ずっと5歳は怒ってて。
このまま、怒り続けると、多分ママのことどーでも良くなって、ママが何を考えてるとかどう思ってるとか、どんどんわからなくなる。それでもプンプン怒っている方がいいのかな。」
5「やだ、ママがいい。」
私「ママは怒ってる子とずっといるの
そろそろしんどくて、どうしたいかを
聞きたかったの。」
5「怒っててもママは5歳がすき?」
私「好きだし、大事大事なんだよ。でも、疲れてきちゃうんだ。どうしてあげたらいいのかなあって見てるけど、全部は叶えてあげられないから困ってるんだ。色々順番や、理由があるからさ。ママも悲しい。一緒に暮らしたいんだけど、ママはニコニコ楽しいのがいいんだよ。」
5「5歳もそれがいい。」

私「そのためには5歳を赤ちゃんだから、しょうがないねっていうのを、もうやめる必要があるんだ。次は、お姉さんとしてのお話をする時にきたんだよ。
順番や、理由のお話。そこには、暮らしを一緒に楽しんだり、ママはお仕事をしたり、保育園で楽しいこといっぱいしたりっていうのも含まれてくるんだ。遊ぶだけじゃ、おうちも借りられないし、ご飯も買えない。このうちのチーム全員が、にこにこ一緒に遊ぶ時間を作るのに、協力して、暮らす必要があります。」

静かに穏やかに聞いています。
恐れや怯えがないので続けます。

私「前のおうちでも、いっぱいお手伝いしてくれたね。チームとして、お洋服おたたみもベッドメイクもパンケーキも上手で、良くみて動いてくれてる。ママは本当に助かってるし、すごいなあって尊敬してる。無理しないで、楽しんでやってるのも、ありがとうって思ってるよ。」
5「ママ、ありがとうっていっぱい言うもんね。5歳も、ママありがとうって思うよ。」

私「そうだね、ありがとうって言う時、ママすごいニコニコで、幸せなんだよ。こっちのおうちでも、ニコニコ暮らしたいんだよ。」
5「ママ、ムカムカ虫ごめんね。ニコニコで暮らそうね。でもまた、ムカムカ虫出てきたらどうしよう。」
私「また出てきたら、またお話すればいいんだよ。」
5「そっか。そうだね。そうしよう。」
私「さみしい思いを、させてごめんね。」
5「にっちゃんも、ごめんなさい。」

ようやくふたりは、
眠ることができました。

私は、素直に認めるという姿を
彼女にいつも教わっています。

私は、
幼少からヒステリーを起こして
パニック状態の母に
「ごめんなさいと言え」と
箒の柄が割れるほど、
おしりを叩かれていた。
(柄が割れてると、さらに痛いのよねえ)

「ごめんなさい」は、負けを
認める言葉であり、命乞いの言葉であり、
残念なことに、言ったとて、乞うたとて
叩かれるし、決して、母を満たせず、
パニックをおさめる術もなく
許してもらえるものではないと
書き換えてしまっていたのです。

私にとっては
侮辱であり、屈辱でしかなかった
「ごめんなさい」を、彼女は
非を認め、許してほしいと伝える
姿を見せてくれて、浄化の言葉として
私の中の「ごめんなさい」を
書き換えてくれました。

次の日、パニックではない
本来のおちょけた5歳に
久しぶりに、会えました。

やり方が、これであっているか
どうかは、正直わかりません。
私には家族家庭が安全なものでは
なかったので、基礎がありません。

家族というチーム不全で育った
私の今の最善です。

繰り返すようであれば、
繰り返せばいい。

愛していることを伝える。
困っていることを伝える。
生きるルールを伝え
どうするかを、チームとして
決めていく。


彼女の最善は、大人に向かいながら
彼女が見つけて、
将来、自身の行動でしめして
くれるでしょう。

やっと新しい暮らしと
私たちらしい、家族のカタチ。
そんな日常です。

では、また。

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