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ブックカバーチャレンジ(亜流)

コロナウイルスによる自宅待機を機会に読書文化を広めようという「ブックカバーチャレンジ」にお誘いをいただきますが、ニュースフィードが表紙写真で埋まったり、毎日投稿かつ指名紹介なので日々増えていったり、仕組みそのものに懐疑的な友人も少なくないので、今のところ遠慮させていただいてます。でも多くの人からせっかくバトン渡されてるので、代わりに note に投稿しておきます。7冊に絞るのは難しく、新書縛りとか小説縛りとかビジネス書縛りとかいろいろ考えましたが、文庫縛りで本棚からつかんできました。半年後には違った選択になるかもしれません(笑

愛の試み (1975)

福永武彦。気恥ずかしいタイトルだが、実は「孤独」に関する思索の書。エッセイと掌編小説で構成される。1980年に上京して大学寮に住んでた時に古本屋で100円で購入、繰り返し読み返す大切な生涯の一冊となった。

海からの贈り物 (1955/1967J)

手元の古い文庫はリンドバーグ夫人著とあるけど、いまはアン・モロウ・リンドバーグなのだな。60年以上前の女性の生き方が、現代にも未来にも通じる普遍的な価値を持つ。ホワイトデーのお返しに時々添えていた。

あなたと読む恋の歌百首 (1997)

朝日新聞日曜版に2年間連載されていた俵万智のエッセイ。連載中は安野光雅の挿絵も魅力的で、新聞がとどいたら最初に読むのが習慣だった。古今の恋歌一首を紹介して現代の視点で解釈、初めて短歌の魅力を知る。

世界は「使われなかった人生」であふれている (2001)

沢木耕太郎はどの作品でもよいけど、実は最高の映画評者なのだ。「暮らしの手帳」に連載、語られた映画は必ず観たくなる。「使われなかった人生」とは選択ぜずありえたかもしれない人生の話、それも映画の役割。

スローカーブを、もう一球 (1981)

山際淳司のデビュー作。どんなスポーツノンフィクションとも違う独特の文体。大学生のころ夢中になって、新しい本が出るたびに読んでいた。所収の有名な「江夏の21球」は32歳の作品だ。46歳で急逝は残念すぎる。

柔らかい個人主義の誕生―消費社会の美学 (1984)

山崎正和は知識人とか碩学という言葉を躊躇なく使える存在だった。消費社会についての洞察は今でも色あせない。私の『次世代マーケティングリサーチ』(2011)の冒頭、この名著の一節を引用させてもらった。

一九八四年(1949/1972J)

大学1年の英語輪読のテキストだったので半年かけて原書で読んだ。大学2年では政治学講義のテキストだったので権力や統治について学んだ。だからこの重要な小説の理解については誰にも負けないと思う。幸運だ。


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