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僕が起業をした理由


自分語りをします。

僕は2017年から個人事業主として生きています。

自分でお客さんを見つけてきて、自分で作ったサービスを提案して、契約を結んだり結ばなかったりして受け取った報酬で生計を立てています。

僕が起業をした理由は半ばヤケクソみたいなものでした。

前職を辞めるときに揉めに揉めたせいで人間関係が強制的にリセットされる形になり、「どうせなら今までとまるで違う人生を歩いてみたい」と決意し、起業という道を選びました。

起業するアイディアなんてありませんでしたし、周りに起業している人も一人もいませんでした。

ただ23歳の僕はどうしようもなく傷ついていて、そして身軽でした。

とにかく違う自分になりたかった。

違う場所で生きてみたかった。

誰の目も気にしないで、自分のやってみたいようにやってみたかった。

何かアテがあって前職を辞めたわけではありません。

一度は完全な無職になりました。

ハローワークの窓口にいるおっちゃんの態度に腹を立てて、1円も貯金がないのに失業保険すらもらい損ねました。

それでも将来に関する不安は一切ありませんでした。

夢にまでみた自由を謳歌しているうちに、「いけるところまで行ってやろう」と思うようになってきました。

完全にハイになっていたのです。

足元を見たら怖くなってしまうので、とにかく前だけを見て進みました。

そうすると運も味方してくれるようになりました。

起業塾に入る時は彼女がお金を貸してくれました。

持っていたバカみたいにぶ厚いノートPCで教えてもらった通りにブログを書いたら、読者が集まってきました。

「もう後戻りできないんだから責任とってよね」と塾の先生にお願い(脅し?)したら、東京の家に下宿させてくれました。

「変な奴がいるらしい」と話題になり、興味を持ってくれた人に片っ端から会いに行きました。

前職を辞めて半年くらい経った頃でしょうか。

なんとか東京にアパートを借られるくらいになって、自分名義のアパートに友人と二人で住み始めました。

彼女に借りたお金も利子つきで返すことができました。

今振り返ると、僕の起業初期はミラクルとも言えるようなラッキーの連続でした。

「もう一回やれ」と言われてもできる気がしません。

あの時は神風が吹いていました。

ただ運が流れ込んできた時にそこにいた。

「運も実力のうち」と考えるなら、僕には実力があったのでしょう。

もし僕が仕事を辞めるつもりがなく、なんとなく「いつか起業したいな〜」と思っていた程度なら、僕が入った塾の勧誘は「こんな話だれが乗るねんw」でスルーしていたでしょう。

もし僕が無職になって「これからの人生どうしようか」と真剣に考えていたら、ハローワークで腹を立てることもなく、ばっちり失業保険をもらって、次の就職先を探していたでしょう。

前職を辞める時に決めていたことが一つありました。

「同じような生き方はしない」

それほど僕にとって前職を辞めることは勇気のいることでした。

できることなら辞めたくなかったし、誰がどう見ても「辞めるのは勿体無い」と思うような待遇を受けていました。

捨てるからにはただでは転ばない。

捨てたものを拾いにいくような真似だけはしない。

そう覚悟して捨てたら、ポッカリと空いた大穴にいろんなものが吸い込まれるように入ってきました。

今の人生は、あの時開いたスペースに入ってきたもので構成されています。

捨てないと入ってこない。

新鮮な空気を吸いたいのなら、まずは肺の中に残っている空気を吐き出さなければいけない。

手放すことは勇気がいります。

あの時の僕は23歳の若造でしたから、怖いもの知らずでした。

今は30歳になろうとしていて、家庭もあります。

あの時のように「全部捨てる」という選択はできません。

ですが、今の自分に必要のないものは容赦無く捨てていきたいと思っています。

大事な人を大事にするには、大事でない人を大事にしている暇はありません。

大事なものを大事にするには、部屋の中に大事でないものを残しておいてはいけません。

何を残し、何を捨てるのか。

キャリーケースひとつで上京したときの気持ちを思い出しながら、大事なものだけリュックに入れて生きていきたい。

来月でちょうど東京から福岡に戻ってきて2年が経ちます。

娘が産まれてライフステージも変わり、ようやく少し落ち着いてきました。

再構築するなら今が絶好のタイミング。

おはなし屋なおと、そろそろ動きます。


いただいたサポートはミックスナッツになって僕のお腹の脂肪として蓄えられます。