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「誰も真似できないユニークなセールスポイント」は本当に必要か?【結論:個人ならいらんと思う】


今日は僕が思いついたことをアウトプットしている『おはなし屋の頭の中』というオープンチャットで書いたことを持ってきました。個人で商売をするのに「誰も真似できない売り」とか「ユニークなセールスポイント」は本当に必要か?という話です。



近所の安くもないスーパーについつい通ってしまうわけ



僕が今日4割引のお弁当とお惣菜と糖質オフビールでいっぱいやっていい気分になっていることは知っていると思います。あれ、近所にあるスーパーなんです。どこにであるような普通のスーパー。別に特段安いわけでもないし、車を持っている僕は1週間分のお肉をまとめて激安スーパーで買って小分けにして冷凍するタイプなので、日常使いするタイプのスーパーのお肉なんかはかなり高く見えるんですよね。僕が日頃食べている豚肉、100g64円ですよ。春先くらいからブラジル産鶏肉の値段が値上がりしてほとんど豚と変わらなくなったので、うちでは豚肉ばっかり食べています。いや、こう言うことが言いたいんじゃなくて、僕にとってこのスーパーは「近所にあるけどわざわざ行くまでもないスーパー」なんです。なのに近くを通ると寄っちゃう。なぜかって惣菜が美味しんですよ。でも僕は料理もできる方なので、いくらおいしくても普通の状態では買わないんです。ただ、このスーパーは冒頭でも伝えた通り「4割引」を結構早い時間からやるんですよ。小さいスーパーなので早めから割引シール貼っておかないと残っちゃうんでしょうね。ちょっと他のスーパーよりも近所にあって、ちょっと他より唐揚げの味付けが好みで、ちょっと他の店より割引に入る時間が早い。ひとつひとつの要素は「ここに通う!」って決めるほどパンチがあるものではないけど、この3つが揃うスーパーってなかなかないんです。だから僕は夕方このスーパーの横を通ると必ずお店に寄って、惣菜売り場を見ます。ずらっと並んでいたら理性を失いますね。「ぜひ食べてほしい!」と思うほど絶品ではないんですが、「普通にうまいし割引シール貼ってれば迷うことなく即買いでしょ」って感じなんです。で、割引の時間になったら同じような狙いの近隣住民がぞろぞろ入ってくるんですね。別に列を作るわけでもないんですけど、誰に合図されることなく、ぞろぞろ、ぞろぞろと弁当や惣菜を買って帰るわけです。みんな気づいてるわけですね。ここの惣菜は他より少し美味しくて、少し割引の時間が早い。これって個人が商売する時に大事な感覚じゃないかなって思うんです。



お客さんは誰にも負けない個性をコーチに求めているのか?


僕はコーチとして6年個人事業をやってきましたが、僕よりコーチングがうまい(うまいって何を持ってうまいなんでしょうね)人はたくさんいます。今でこそ「おもいついたことなんでもポイ」みたいな発信スタイルになってますが(あんまりよくないんですけどね)、初期の頃は「売ることの専門家」というポジションを取っていたので、「売ることに関して語らせたら俺の右に出るものはいないぜ」くらいの気持ちだったんですね。でも今振り返ってみると「同業者と比べて圧倒的に違うレベルでい続ける」って個人の商売に本当に必要なのか?とも思うんです。だって、業界No. 1にならなくても、食えるだけのお客さんがいればそれで十分じゃないですか。何千万何億と狙おうもんなら「他の追従を許さない圧倒的個性」が必要なのかもしれないですけど。僕たちがやっているコーチ業なんて抱えられるクライアントの数だって限られてるし、コーチ以外にもやりたいことたくさんあるし、娘の朝ご飯も昼ごはんもお風呂だって入れなきゃいけないし、そんなに「〇〇といえばあなた!」と言われるような状態が必要ですかね。唯一無二のセールスポイントを作ろう!とか、他の人と差別化をしよう!なんて考えすぎると、それこそ「自分には何ができるんだろう」って不安になって何も動けなくなる。これは僕の経験上の話でしかないですけど、そんなに大風呂敷を広げなくても両手で数えられるくらいの人にコーチに選んでもらうことくらい、余裕でできます。むしろ「私は〇〇コーチです!」と高らかに宣言することに意識が向きすぎて肝心な「顧客と信頼関係を作っていく」ことに時間をさけていない(だろうなあと勝手に思っている)人がたくさんある印象です。「〇〇を解決する人」と宣言することだけがビジネスじゃないと思うんですよね。それこそ「自分と自分の家族がまあ食っていける程度の収益」がほしいのであれば、大風呂敷を広げる前に「目の前の人と深い関係になる」ことをいしきするだけで、1年もあれば誰でも食っていけるようになると思うんですね。



近くに住んでいる人がついつい寄りたくなるスーパーを目指そう


何が言いたいかって、僕が夕方になるとついつい寄ってしまうあのスーパーのように、「他の人よりちょっとできること」が何個か組み合わされば、それこそSNSで「〇〇の専門家です!経歴は〜…」と言えないレベルのものだとしても、5人とか10人お客さんを作ることって難しいことじゃないと思うんです。そして個人が食っていくくらいの規模なら、それで十分事足りる。そりゃ発信からお客さんがくるに越したことないですけど、「SNSなんてなくても食っていけるよ」みたいなビジネスの作り方をしている人もよく探せばそれなりにいます。個人の商売に関してSNSはあまりに便利すぎるツールなので「起業にSNSが必須」と考えている人も多いようですが、実際には「SNSがなくても食える人がSNSを使うともっと楽に食える」感じだと僕は思ってます。確かに人によっては「お客さんになってくれそうな人が周りにいない」って状態から起業を始める人も少なくないんですけど、結局発信を通じてできることって「話ができそうな人と繋がれる」ところまでなので、発信を通じてようと通じなかろうと最終的には「1on1」の状態になります。つまり、いくら一生懸命「自分にしかないセールスポイント」をばちこり作り上げても、いざお客さんを前にしたらメッキが剥がれちゃうってことです。だから地に足のついた「自分には何ができるんだ」という問いが大切です。他の人よりも少しできることを何個か組み合わせるだけで「あなたに頼みたい」は作れます。同業者を全員ぶっ倒す必要はないのです。起業はそう言うゲームじゃない。たまたま近所に住んでいた人が「あそこの横を通ったら絶対寄っちゃうんだよね」と言われるところを目指せばいい。何かのジャンルで日本一になる必要はないんですよ。そこそこそれなり。十分です。天才になる必要はない。目の前の人に選ばれ続ける人であれ。以上です


おまけ 具体的な戦略について


ここからはnote書き下ろしです。もし僕が今日話したような「ひとよりちょっと優れている戦略」でビジネスを作っていくならどうするか。考えてみたいと思います。

将来的にお客さんになってほしい人がどこにいるか考えます。身近な人の中にその人がいるなら、その人が何をしたら喜んでくれそうなのかを徹底的に考えます。

サービスを売ることではなく、ますは「会いたい」と思ってもらえることを全力で考えます。

人と会うということは時間もお金も労力も相手から奪う行為に他なりません。失わせたもの以上の価値を与えることができなければ次はありませんから、「目の前の相手を全力で満足させること」を考えると思います。

相手が会ってくれるということは、「会うことでなにかしら得るものがある」と感じてくれているということですから、その期待を50倍にして返せるように準備して、最高の時間を提供するようにします。

期待を越えれば相手は必ず次も会ってくれますから、その繰り返しで「差し出してもらった対価を大きく超えること」を地道に一つずつやっていきます。

そうすれば自然とサービスの話を聞いてくれるチャンスが訪れますから、その時に「最高の提案を持ってきたんよ、聞いてくれる?」と言います。あとは相手のお財布と相談。こんな感じです。

実際に僕は2年目までこうやって売ってました。自分がやっているコーチングを言語で説明できる気がしなかったので、目の前のチャンスを全力で掴みにいくことの繰り返す。

ユニークなセールスポイントも圧倒的な差別化もしていませんでしたが、普通に独身男性がお金のことを気にせず生活できる(本当にぜんぜん気にしてなかったから貯金はできなかったけど…)くらいのお金は稼げていました。

今は地方に住んでいますし子供もいるのでなかなか「とにかく会いにいくスタイル」はできませんが、このビジネスの本質はここじゃないかなと。

時間を使ってくれる人の期待値を越えたら次のチャンスが来る。そのチャンスの期待値も越える。これを繰り返すだけ。今振り返ると地に足がついたことやってたなって思います。

実際に発信経由で人が時間を使ってくれるようになった時、「発信から出会う人とのコミュニケーションはこんなに簡単なのか!」とびっくりしました。そのくらい自分には基礎体力があったのでしょう。

目の前の人(ビジネスで満足させたい人、に限りますが)を満足させる。期待値を越えれば次が来る。その次も期待値を越える。信頼関係ができる。提案する。これができるだけで、普通に食えますよ。


今日の話の元になったオープンチャットの詳細はこちら(参加無料です)




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