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起業不要論 「起業っぽいこと」から卒業する方法

起業がいらない自分になる。今回はずっと僕が考えている「起業不要論」について話していきます。起業不要論とはなにか。一言で言うと「お金を得るために何かをする必要がない」ことを指します。僕の中での起業とは「何かサービスを作り、人を集め、提案し、対価を受け取り、提供する一連の流れ」のことを指し、僕は2017年からは基本的にこのやり方で生計を立てています。月に200万円以上の収入を得たこともあります。ですが僕は「他にも方法があるんじゃないか」と考えていて、少しずつ自分を使って実験している最中です。なぜ僕がサービスを作り販売しているかというと、食っていくためです。自分の欲を満たしながら、なおかつストレスや時間的な拘束を最小限にし、自分の人生を自分でコントロールしたくて起業をしました。限りなく自分の理想に近い働き方ができていて、「理論上は」半永久的に個人でもやっていける気がしています。が、これはあくまで理論上の話であって、僕は人間なのでとても気持ちにムラがあるし調子が出たり出なかったりすることもあるので、「やればいいしやればできるんだけど、できない」という状況に陥ることも少なくありませんでした。例えるなら、ブラック企業に勤めている人が「在宅で働きたい」とプログラミングを勉強し独立したものの、いざストレスから解放されると自分を駆り立てるものがなくなってしまい仕事が手につかなくなる、みたいなイメージです。「理想的な働き方をしたい」というモチベーションで独立し、理想的な働き方を手に入れたのですが、それはあくまで「働くとするならば」という前提の話であって、ある程度余裕ができた今の「働いてもいいし働かなくてもいい」という状況では、仕事をするモチベーションが得にくいという問題を抱えているのです。儲けるためには「儲けたい」というモチベーションが必要で、僕のそれは「理不尽な社会から抜け出したい」という部分から出ていて、理不尽な社会から完全に抜け出した今、同じモチベーションが使えなくて困っています。ですから「うまいこと自分にしかできないサービスを組み上げて人を集めピンポイントで提供する」というスタイルが維持できなくなってきています。技術はあるんですけどそれを使いこなすガッツがありません。ですから僕は「わざわざ起業しなくてもお金が入ってくる状態」を目指しています。もっと言うと「生きているだけでお金が入ってくる状態」を作りたいと思っています。だからといって「不労所得がほしい」とは思っていません。いや、思ってないと言うのには語弊がありますが、僕は働いてもいいので、なるべく「エネルギーを使わずに」「行動ではなく存在が提供手段になるように」「時間的拘束を最小限に」という条件で次のスタイルを組み上げようとしています。これが僕の考えている「起業不要論」です。



起業不要論とはつまり


サービスを作らずとも売れていく状態を作ることです。プロダクト(製品)を作り込むのではなく、「あなたが必要だ」と言われる状態を目指す。商品の良さを伝えるのではなく、お金を払う人が「この人にお金を出すことにはこんな意味がある」と自主的に意味づけをし、購入を通して得たいものを言語化して伝えてくれる状態。つまり「お金は出します文句は言いません私はあなたからすでに十分価値を得ています」という状況を作ると言うこと。1から10まで全部説明しない。説明しないとお金を出さない人には売らない。門戸を限りなく狭くして、人間関係を構築することを最優先に考える。強く求められるだけではダメで、同じ価値観のもとに強く結びつく必要がある。クライアントの未来を売るのではなく、「いまここ」の関係性を売っていく。そう考えてビジネスを構築することが「起業不要論」です。土台にプロダクトではなく人間関係を置く。サービスはあったとしても建前です。プロダクトの質は関係ありません。すべては「あなたと時間を共有したい」という人間を何人作れるかです。それ以外のことを考えず、それだけにコミットするための理論が起業不要論です。


どうすれば起業が不要になるのか


ここで言う「起業」とは「サービスを作り、人を集め、販売し、提供する」ということを指します。「起業を不要にする」ということは、「サービスを作らずとも、人が集まり、買われ、喜ばれる」ということです。何もしないと言うことではありません。起業することで得たいものを、起業という概念から脱却した状態で手に入れようぜということです。「起業なんてしなくていいぜ」ということではありません。「起業っぽいこと」からの卒業です。より自然体で、より力感なく、必要な分のお金を稼ぎ、自分とクライアントが双方に満足し、活動によってより関係を深め合うようなことができれば、それでいいわけです。「サービスを作る」という概念から一歩出てみるとも言い換えられます。顧客を自分という存在につけるのです。そうすれば「何をやっても商売になる」という状況になります。サービスの見せ方を考えるのではなくて、自分の魅せ方を考えるのです。「あなたが売ってくれる商品ならなんだって買う」という顧客を何人作れるかという勝負です。かといって「1万人フォロワーがいれば100人は熱心なファンがいるだろう」という道は通りません。僕は3年以上発信活動をほぼ毎日やっていますが、1万人のフォロワーを持ったことは1度もありません。マーケティング的な視点で切り込んでいく才能はないのです。ですが熱心なファンが自分の商売を支えてくれる感覚は知っています。その人たちは販売者に多くを求めません。「買うことでわたしが得られるメリットを説明してもらえますか?」という態度の顧客が大半の中で、「あなたのコンテンツに既に救われているので、サービスの内容はなんだっていい」というあり方で関わってくれる人がいます。そんな人だけを相手にすれば「起業」という概念は不要になる。僕はそう考えています。



サービスよりも自分の魅力を作り込む


サービスを作り込まず、自分の魅力を作り込むことで、結果としてビジネスが成立する状態を目指せると思います。魅力を作り込むには自分のことを説明する言葉を育てる。経験から知見を抽出して伝える。魅力がない人など存在しません。人は惹かれあって支え合い生きていく社会的動物だからです。自分の魅力を言語化し、表現し、伝える。今はそれができる社会です。言論の自由があり、スマホやPCを誰でも持つことができ、SNSもブログサービスもほとんど無料で自由に使える。発信すれば顧客がつくという単純な話ではありませんが、発信し続ける限り誰にでもチャンスがあります。

起業を不要にするために起業する


起業っぽいことをやらずに起業を成立させる方法は、まず起業を成立させてから「自分に不要な部分」を削っていくことが現実的でしょう。ただ発信を続けるだけでお客さんがつく場合もありますが、そうでないケースの方が多いです。まずは起業をして、個人でお金を得る経験を一通り経験した後でないと、「何がどうなれば発信活動を通してお金を発生させられるのか」がわかりません。「わたしの日記」を読んで誰かが何かを依頼してくるでしょうか。誰がお金を払ってくれるでしょうか。僕には経験があるのでどこをどう見せれば「わたしの日記」でも商売として成立するイメージができますが、もし全くの素人だとして「給料以外に収入を得たことがない」状況だったら、きっと難しいと思います。経験しないとわからないことがあります。だから最初は誰かの真似をしてコツを掴むか、経験者に師事を仰ぎながら経験を積んだ方がいいです。自分に顧客をつける方法は人それぞれ持っている魅力が違うので、正解がありません。起業を不要にするためには起業をする必要があります。起業をして、一人で売上を出すプロセスを経験した後に、自分でチューニングしていくイメージです。


自分を磨いていく作業はひとりでやらない


手を動かすことはひとりでもできます。ブログも書かないより絶対に書いたほうがいいです。ただ、自分の魅力は自分ではわからないものなので、ひとりでやらないほうがいいです。フィードバックをくれる人を近くにおいたほうがいい。「どこを伸ばしていけばいいか」「何を改善すればいいのか」を自分で考えることは難しいからです。僕は起業を人から習いました。持てる全ての力を使って最速で売上を出し、感覚を掴んでからは一人で試行錯誤してきました。ビジネスに関して師事を仰いだのは最初の数ヶ月だけですが、自分という人間を磨くという意味で毎月1回かならずコーチングを受けるようにしています。合計80回以上は受けています。そこでコーチからフィードバックをもらって、自分で軌道を修正して、またフィードバックをもらうことを6年以上繰り返しています。ビジネスに関しての指導を受けているわけではありませんが、僕の発信がどう見えるとか、そこからイメージできる今ぶつかっている課題の正体とか、ライフステージをどう進めていくかとか、そういうことは信頼できる他者との対話からのフィードバックがないと方針を決められません。月に1回のコーチとの対話の中で軌道を修正し、進みたい方向へ自分を誘導している感覚です。「習う」とは違います。内側と外側から見える自分を対話によってモンタージュして、像をより鮮明に掴み、現実と理想のギャップをひたすら埋めているような感じです。ですから「自分はコーチングをすでに受けたから自分のことを理解した」とは思いません。理解した自分は時間が経てばまた変容していきます。変容した自分を掴むことは自分視点からだけのデータでは難しいです。変わり続ける自分を捉え続けるためには、外側からのフィードバックが不可欠です。


信頼できる対話相手を探すには


対話してみるしかないです。やりとりしてみて、「この人と話したいな」と思える相手と関係を構築してみる。例えばあなたがnoteを書いている誰かのの対話に何かしら可能性を感じているのなら、その人に連絡してみることです。簡単な質問や相談を投げてみるのもいいでしょう。もちろん僕を含め対話業を営む発信者は慈善事業でやっているわけではないので、態度がよくない人にはそれなりの対応をすると思いますが、よっぽど横暴でもない限り発信者は真剣な問い合わせに対して冷たい態度はとらないものです。何かメッセージを投げてみて、少しやり取りして深く対話してみたいと思えば、「一度話をしてみたいのですがどうしたら話せますか?」と聞いてみたらいいでしょう。「ちょっと話すくらいは無料でいいですよ」と言ってくれるかもしれないし、なにかしらのサービスの案内をしてくれるかもしれません。そうして一歩一歩関係性を深めていけば、信頼できる対話相手を見つけることができると思います。


おはなし屋なおとへの連絡は


公式LINEを使ってメッセージを投げてみてください。このブログを読んだ感想や質問相談など送ってくれたら返事します。僕は6年ひとりでコーチをやっているので、まあそれなりのフィードバックができると思います。返事に困ると既読放置する癖があるので、答えやすいようにメッセージを投げてもらえると助かります。せっかくの機会なのでちょっと話してみましょうや。「今までずっと見てました」と言われるたびに「もっと気軽に話しかけてくれてよかったのに!」と思うタイプなので、ぜひ声をかけてください。何もいうことがないけれど僕と絡んでみたい人は、最近食べた美味しいご飯の写真を送るか、笑える小話でも送ってください。待ってます。



いただいたサポートはミックスナッツになって僕のお腹の脂肪として蓄えられます。