三島由紀夫「美神」について普遍的に考察

 今日授業を受けている最中に、

「あ、これノートに書こう」

と言いましたが、あれはノートではなくnoteのことです。各方面に謝罪します。
 というわけで、タイピングがブームの私ことoaです。わざわざ御足労してくれた方に申しておきますが、今は短編の新作のキャラを作っています。あとちょっとでできるよう奮っていきましょう。
 今回は、私が現在学んでいる「美神」についての考察を(授業で言うのを逃したっぽいので)書いていこうと思います。なんだか評論家みたいでワクワクしていますが、クオリティはお察しです。暇な時にでも、思い出しながら読んでいただければ。

 悪いのは全て、R博士です。

1.NとRの性格について



 まずは登場人物の性格から見ていきましょう。
 文章を読むと、N博士には「真摯」という表現がありますが、R博士は断言されていません。美神は基本的に三人称ですから、N博士の「真摯」という性格に嘘偽りはないでしょう。
 それに、N博士はR博士からの信頼を勝ち取るに値する人物で、あまり好まれない異教徒に対しても祈りを捧げるほどです。N博士が絶対的に「善」の立場にあるのは、明白ではないでしょうか。
 これに対して、R博士は絶対的な「悪」といった立場を取っているのでは、と考えています。文中からは偏屈だの頑固だのといった性格が読み取れますし、身長を聞く際にも催促する、一度目は信じないなどの横暴、自己中心的態度が見て取れます。そもそも合意も取らずに秘密を共有とか言っているのも独占欲が高いんですよね。例えるなら束縛の激しい彼氏でしょうか。

2.裏切ったのはR



 私の考察における核心の部分です。とはいえオリジナリティは特にありません。言いたくなって言ってるだけですからね。n番煎じでいいんですよ。
 想像してください。いつも物事を自己流でやる友人が、ある日突然「秘密にしてたんだけど、あのアイドル、俺の女なんだよね」って言ってきました。
 うーん、気持ち悪い。凄いのはアイドルの彼女であって、彼氏であるお前は何の取り柄もない奴でしかないし、何より彼女を「付加価値」として見ているところがいけ好かない。あとなんで隠していたのにばらした? 隠さなきゃいけない事情とか無かったのか? あと彼女に確認とったか?
 ……まぁつまりそういうことです。上記はあくまで私の感想です。きっと、性格のいいNなら「すげぇじゃん! よく彼女にできたな!」とか言ってくれるはずです。不快な思いなんて、一つも抱かないことでしょう。では、誰が不快なのか。
 もちろん、美神でしょう。美神の怒りポイントは下記の通りです。

・知らんおっさんに一目惚れされた挙句、無理やり秘密を共有させられた
・その状態で束縛して、秘密を口外できないようにした
・にも関わらず、死に際になると、友人に鼻高々に秘密をバラされた


 中々の性格してますよねR。美術界の権威であることが効いてるんでしょう。偶像であっても、腐っても神にしていい仕打ちじゃあありません。性格クズです。あれです、あのー、みんなでゲームしてる時とかに「このカセット、借りパクしたんだよねwwww」とか言う奴。会ったことはありませんがいたらうざい。
 ここから、アフロディテの心情は二通り考えられたので、一つ目から書きます。混乱しないよう、頑張ってください。

 アフロディテはこれ以上なくご立腹しました。ぽっと出の男に無理やり秘密作らされた挙句、勝手にばらしやがります。このクソ男にどうにか仕返しができないか。そうだ、秘密なんて、無かったことにしてやろう。
 こうしてアフロディテはちょっと身長を伸ばし、Rから秘密を剥奪しました。Rは自らの行いを省みることなく「裏切りおったな」などとほざき、憎悪に満ちたままこの世を旅立ちました。めでたしめでたし。

 こちらのルートですと、アフロディテが仕返しをしてくれたことにより、読者目線で多少の快楽が得られます。Twitterなら万バズ間違いなしくらいのメシウマ話です。
 では二つ目のルートへ。

 アフロディテは、土に埋もれた自分を助けてくれたこのRという男を嫌いではありませんでした。だから、彼との秘密も、どこか心地よい事実でした。ですが、そんな彼が、今際の際になって、その秘密を白日の元に晒すという愚行に走ろうとします。そんなことをされてしまっては、自分とRとの秘密という「絆」が綻びる。アフロディテは健気にもその秘密を守ろうと、自らの身長を伸ばしました。見事、アフロディテは彼との秘密を永遠に守ることができたのです。しかしRは、そんな自分の行為を「裏切り」と見なし、憎悪に満ちたままこの世を旅立ちました。

 このエンドだと、憎めるのが本当にRしか居なくなります。というか、アフロディテがRに尽くしたことに感涙するストーリーです。Rは救いようのないクズです。私としてはこちらの方が胸糞的エンドかつ衝撃の展開なので、この説を勧めています。映画化決定、って感じです。
(注1)

3.その他気づいたこと



 ここには「伏線がありそうだけど、特に面白い考えが及ばなかった」ことを書いておきます。二つしかありませんけど。

 R博士について、「弾力を失った静脈」って記述があるんですが、静脈って右手側ですよね。アフロディテって、「右腕のない」像ですよね。……なんでリンクしてるんでしょうね?

 (注1)「涙にぬれた顔」って、Nの顔なんですかね? それとも、アフロディテの顔なんですかね?

4.おわりに



 如何だったでしょうか。恐らく、目新しさもない普遍的な考察だったでしょう。この話は昨日と今日で書いているので、上手く繋がっていない場所もあるかもしれません。
 私のクラスでは「アフロディテが裏切った」か「Nが嘘をついた」かの二強みたいで、面白みがなかったですね。愚痴らせていただくと、今の国語の教師が読解力ないようで(推察)単調な授業になるんですよね。私としては昨年の教師の方がよかった。(こっちもこっちで授業に遅れてきたり、授業を雑談で潰したり、テスト範囲を突然狭めたりした事で嫌われてますが、私は授業サボりたい+国語はテスト勉強しない派なので特に嫌ってはいません。でも前日に1,200字の作文オールリテイク食らった時は大変でした。マイペースなんですね)
 閑話休題。
 特に話すことはありません。この話自体、そんな長くする予定でもなかったので。小説で一番楽しいのは考察です。辛いのもそうですが。考察、頑張っていきましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?