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もうこんな年に、もうこんな時間になったけれど。

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もうこんな年に、もうこんな時間になったけれど。

最近の記事

齋藤と伊藤

映画の中の主人公の仕草を真似てしまう映画は、良い映画だ。 映画館から出ようとすると、傘を折り畳みながら入ってくる人達とすれ違った。手を天に翳すと、傘を差すほどの雨は降っていなかった。一度開き掛けた傘を逆手に持ち、存在しない敵に斬り掛かろうとして、すぐに我に帰った。六本木ヒルズの、駅に向かうまでの通りには、多くの人が行き交っていた。鞘に納めるような振りを仕掛けてしまい、何事も無かったように落ち着いている左手に持ち替え、歩みを進めた。 微かに雨に濡れながら、思い出していたのは

    • かつてスケボー少年ではなかった

      スケートボードに乗って街を駆け抜ける。 その光景がスクリーンに映し出されると、どうしてか心が躍るのだった。 それは、単純にその造形の美しさ、滑らかさ、耳に響くアスファルトとウィールの擦れる音、不格好に途切れる瞬間、それらの組み合わせが、心地良いのだろうか。 二十歳になるかならないかの時に、一度スケートボードを買ったことがあった。恐らく、「ロード・オブ・ドッグタウン」という映画を観たことが影響しているのだろうと思ったが、公開日と年齢が合わない。記憶がどちらか捻れているのだろ

    齋藤と伊藤