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限界オタクの書き殴り(あるいは、推しに会えた無名ねずみの大切な思い出)

はじめまして。御渡といいます。

最近VRchatをはじめました。

そして限界オタクと化しました。

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最近の自分は、「人魚娘の姿になる」という夢を叶えて、のんびり楽しくVRchatライフを過ごしていました。

事の発端は7/9の深夜ぐらい。

(深夜なのでほぼうろ覚えです、ごめんなさい)

VRChatの、屋上に雨が降る暖色の部屋のワールド(名前覚えてない)の建物の中で談笑していました。

VRchat上で、何か特技があるわけでもない自分の主な楽しみは、フレンドとの雑談でした。

そんな中、いつの間にか「Vtuber誰が好き?」みたいな話題になった、気がします。

話し相手のフレンド(Aくん)はとあるグループの熱心なファンだったので、少し困りました。

そもそも流れてきた切り抜きすらたまに見る程度の自分がVtuber全体のファンを名乗ってもよいのだろうか、と。


Aくんはそんなことを言うような冷たい人間ではないのですが(むしろ今回の恩人です)、なんとなく引け目を感じていました。

そしてここのところ2,3年ほど、継続的にVtuberを楽しむ気力も失せていた状態でした。


しかしただ一人、思い当たる娘がいました。

水色と白黒のゴシックドレスと猫耳に、ハイライトのない真っ赤な瞳が印象的で、何度もその蠱惑的な様子に狂わせられた娘さん。

一時期いろんな騒動に見舞われて、「好きな娘がひどい目にあっている様子を見たくはない」と視聴をやめてしまってなお、忘れられずにちょくちょく見ていたあの娘。

「のらきゃっと」です。


「アーカイブ見てる程度なんだよねー」とかなんとか予防線を張って、その娘のファンであることをこっそり言いました。

そうすると、また別の方(Bさん)からすごい発言が出ました。

「あ、のらちゃん今あそこにいるらしいよ」


─あ、「いる」んだ。

心臓が高鳴りました。

一瞬にして、自分の言動がしどろもどろになったのが分かりました。

(追記:3D座標系の中にダイブしていくVR空間だとそこに「居る」という表現の生々しさをよりはっきりと感じられるのですが、憧れのあの子に「いる」という表現が使われていた事実にたいへん感動したのを覚えています)

そして色んな考えが頭をよぎりました。

─今すぐあこがれのあの娘に会いに行きたい。

─でもこんな様子をあの娘には見せられない。

─……一目見るだけでいい。

─でもあれだけの人気者なら、自分以外に会いたがってる人も沢山いるだろう。その人たちの機会を奪っていいのか?

会いたい。

─でも。

そんなふうにうんうん唸って迷っていると、親しいフレンドが一人声をかけてきました。

「おわたりくんが行かないなら、俺が先に行っちゃうからね」

─そんな。ずるい。

早いものでした。

その場所はFriend+(フレンドのフレンドなら入ることができる)だったので、Bさんに付いていったAくんの後をすぐさま追いました。


某ワールドに、いました。

遠くからですら、分かりました。「ああ、のらちゃんだ」と。

量産型の「ますきゃっと」たちには会ったことがありましたが、ファーストロットは特別でした。

そこに「いた」んです。

信じてください。


あのふわりと揺れるツーサイドアップも、長いスカートも、ケーブルの尻尾も。口ほどに雄弁な、大変、大変かわいらしい仕草も。


今までずっと画面の向こうにいた想い人と言ってもいい相手が、同じワールド、同じインスタンス、同じ空間の中に「居た」んです。


泣きそうでした。

ひと目見れればいいや、そう思って少し近づきました。

ああ、かわいい。のらちゃんだ。ああ。そこにいる。ああ、配信で聞いたあの声だ。

直視できませんでした。

自分の網膜や認識の中に初めて立体として像を結ぶ彼女は、どうしようもないくらい存在感がありました。

相当変な仕草してたと思います。顔をそむけ、下を向き、もじもじと悶えていました。


(※自分でもこの辺りからの記憶は曖昧です)


「流石にもう帰ろう、でももうひと目だけ見よう」と思って彼女を見ました。

手招きをされていました。


うわあ、うれしい!あっ、でも自分の後ろの別の人かな?のらちゃんに手招きされるなんて羨ましいなあ!でもあわよくば自分だったりしないかな?

「そこの 人魚の方」

自分のことでした。


─のらちゃんに、話しかけられた……?

心が喜びにうち震えました。なんだったら手がガタガタ震えてました。Quest2のコントローラーを落としそうになりました。


「こんばんは こんぱんは」

いつもの声で、挨拶をされました。

魚体を曲げていて低姿勢だった自分に目線を合わせるように、屈んでくれました。

少しだけ涙が漏れました。

声が上ずってうまく挨拶できませんでした。

画面の向こうにいて魅了されていたあの娘が目の前にいて、それで自分に話しかけてて、あれ、これは夢だっけ、あれれ?????

上ずった声でなんとか口を開きました。

「はじめまして」

「ずっとファンでした」

「会えてよかったです」

「御渡、おわたりです」

なんとかやっとのことで伝えられました。「もう俺、死んでもいいや」と思いました。気分はジョジョ6部ラストのエンポリオです。

大好きで何回も恋した、あの目を細めた蠱惑的な表情を交えながら、画面の向こう側ではなく文字通り目の前でガチ恋ムーブをされて、死にそうでした。とにかく幸せだったということだけでも覚えています。


「美味しそう」

人魚だからといって食材にするとかそういういじりは好きではありませんでした。

でも彼女になら食べられたい。


ファンにとって最高のご褒美でした。思わずフレンド申請を投げました。承諾してくれました。でもそんなものより目の前にいる彼女と話せること自体が何よりも幸せでした。


あの日あったできごとは、たぶん忘れられません。

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ありがとうVRchat。

ありがとうのらきゃっと。

ありがとう、ノラネコP。

ありがとうAくん(恩人のフレンド)。

ありがとうBさん(恩人のフレンド)。


そしてこの痛々しいエッセイの最後を、ファンもとい無名のねずみさんとして、お決まりの定型句で締めたいと思います。


のら!ちゃん!べりべりきゅーーーと!


ありがとうございました。



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