215. とあるビジネス塾講師の奢る奢らない論争の結論みたいなこと言っていませんか?

こんばんは、梅田王子です。
今回は、デートで奢る奢らない論争に決着をつけにやってきました。

私の読者であれば「相手の希望を読み取ってそれに合わせろ!」に決まっている、とお考えかもしれませんが、はい、その通りです。
初回のデートは、500円以下のソフトドリンクが飲めるカフェなどで十分です。そして、30分程度のフリートークで目の前の女性が奢られたい人か、奢られたくない人か、きちんと確認しておくのです。

「奢る・奢らない」それぞれの言い分

一方、巷の意見は「奢るか、奢らないか」の一律な二者択一で、それぞれの陣営がそれっぽい理屈を繰り出していかに自説が正しいか説明します。
私はどちらかと言えば奢らない派で、むしろ食事代は出してもらうことの方が多いですが、「忙しい中時間を作ってくれているのだからせめて食事代くらい出させて」という希望に沿わせているだけです。

奢らない派の言い分は、奢るとつけ上がるから、あるいはそもそもその必要がない(合理的な理由がない)というもので、奢る派の言い分は、返報性の原理を応用するためとか、そもそもついてきてくれないからとか、お金持ちをアピールするためとか、なんかそういうものが多い気がします。

そこで、私が気になったのはとあるビジネス塾の講師が解説していた、「奢る一択、これだけの理由!」的なYouTubeの動画です。彼によると、女性には奢られたい女性とどっちでもいい女性がいて、あなたが奢る派、奢らない派でそれぞれ女性の満足度を分析してみようというのです。

ビジネス講師のマトリックス分析の結果は?

結果は、あなたが奢る派で女性が奢られたい派だと+1、どっちでもいい派だと0、あなたが奢らない派で女性が奢られたい派だと-1、どっちでもいい派だと0、つまりあなたが奢る派だと相手がどちらでもプラス、あなたが奢らない派だと相手がどちらでもマイナス、ほら、「奢る一択、これだけの理由!」というのです。

あちゃ〜、これだからモテない(くせに金があればモテるとか言ってる)男は!という前に、あなたはこの分析をどう思いますか?
一見理にかなっているようですが、私はこの分析、ちょっと不十分かなと思います。このビジネス講師は女性を「奢られたい派」と「どっちでもいい派」の2択を想定していますが、現実には「奢られたくない派」というのもいるのです。つまり、3択なのです。

梅田王子の結果は±0

そこで、再度このマトリックスを埋めていきます。
すると、あなたが奢る派で女性が奢られたい派だと+1、どっちでもいい派だと0、奢られたくない派だと-1、あなたが奢らない派で女性が奢られたい派だと-1、どっちでもいい派だと0、奢られたくない派だと+1。
???
つまりあなたが奢る派だろうと奢らない派だろうと、どちらでも±0。「相手の希望を読み取ってそれに合わせろ、これだけの理由!」お分かりいただけましたか?

このビジネス講師が見誤っていたのは、世の中には「奢られたくない派」というのがいるということ、もう少しいえば、現実を見ずに机上の空論ばかり見て、正しいマトリックスを描けなかったということです。
まあ、現実を知らなくともこのような+(ポジ)と0(中立)と-(ネガ)をマトリックスに入れないあたり、数学的思考力の欠如(言い過ぎ?)とも言えなくもないですが、世の中に蔓延っている分析(心理学を含む)って、意外とこんなお粗末なものが多くあります。

生兵法は怪我の元

このマトリックス分析をさらに推し進めると、「重み」という概念を入れることができます。奢られたい派、どっちでもいい派、奢られたくない派のオッズをつけて、遭遇確率と満足度の相関係数を入れていきます。
あまり深くは語りませんが、これをさらに突き詰めていくと奢る・奢らないの確率偏微分方程式のようなものが導き出され、それを趣味にして競馬の利益最大化シミュレーションなどを行なっている人もたまにいます。

私は奢る奢らないの前に、このビジネス講師のなんとか塾大丈夫なのか?と余計なお節介にも不安になってしまいましたが、世の中を(生兵法で)数学で考えたり、心理学の実験とかを応用しようとしたりすると、往々にしてこんな突っ込みどころ満載の結論を堂々と披露したりする「イタい人」になる可能性を秘めていることになります。

手段の解決には最も直接的な手段を!

このビジネス講師も、本当はモテたいというコンプレックスをお金で解消し、お金があればモテるという幻想に一縷(いちる)の望みをかけているのかもしれません。
しかし、モテたいのであれば、お金よりも先に女性と会話をすることです。
お金も、肩書きも、釣書一切なしの生身の自分をさらけ出して、人間そのものの対人魅力を怖がらずに磨くことです。

何か目標を達成するなら、一番直接的な手段から逃げていてはいけません。お金があればモテると思っていたのにいざお金があっても現実ではモテないままなのですから、そのギャップに対峙した時のコンプレックスはさぞ辛いものになりそうです。

今回は少し鋭く切り込みすぎた感じですが、意外と陥りやすい罠でもありますので、是非参考にしてみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?