見出し画像

碧空(へきくう)

晴れ渡った空は、こちらは山です。私は空です。というように、景色をはっきり見せてくれる。

平成という元号が終わる年に、「忖度」という言葉は良い意味では使われていない。

「私は本意ではないけれど、あなたの気持ちを優先しました。」という感じで使われることが多い。

柔らかな文句なのかもしれないけれど裏を返してみれば、「あなたの気持ちを優先したわけだから、あなたのせい。」と言っているようでたちが悪い。

言葉の表面をなぞるのではなく、その奥にあるものを読み取ることは乙なものだけれど「忖度」はその美学が悪用されている。

人の気持ちをおもんぱかっている風を装って、やんわりと自分の責任を他人へ被せる。

自分の意見をうやむやにする術は蔓延していて、意図しなくても人の意見に自分が溶けていくこともある。

溶けてしまった方が楽かもしれないけれど、自分と他人を切り離した方がすっきりすると思う。

そういう潔さは、青い空に習うのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?