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最期の見送り〜絵のない絵本〜

それは僕がまだ幼い頃
夏が過ぎてゆく そんな時だった

いつもの夕焼け
おじいちゃんのお家

 ただいま〜
 ねぇ おかあさん
 おじいちゃんはなにをしているの?

夕焼けの時間になると
おじいちゃんは海の見える窓の横
ゆらゆらゆれるおイスに座ってる

 お帰り おじいちゃんは
 お空とお話ししてるのよ

おかあさんは
そう言って少しだけ寂しそうに笑った

 ねぇ おかあさん
 今日はだれとおはなししてるの?

今日もお空とお話ししてるかなって
思ったんだ
だけど
おかあさんは

 そうね 今日は海とかな

そう言ったんだよ
だけどね
おかあさんは
また少しだけ寂しそうに笑ってたんだ


おじいちゃんが虹を渡ったんだって
どこに行っちゃたんだろう
もう 帰ってこないって
おかあさんが泣いてた

 おか〜あさん
 ボクがね
 おじいちゃんのおイスにすわってね
 -ひっく-
 ボクがね   -ひっく-
 ゆうやけとうみにね
 おじいちゃんのことね
 おはなししようとしたのに
 -ひっく-
 あめがジャマするのー

ボクもさみしくなって
泣いたんだ
そしたら
おかあさんが
ぎゅう〜ってしてくれた
それから教えてくれたんだよ

 大丈夫よ
 夕焼けと海は
 おじいちゃんを見送りに行ってるわ
 それに
 雨は一緒に泣いてくれてるのよ

まだ
ぽろぽろ涙をこぼしながら
そう言っておかあさんは笑ったんだ

  〜おしまい〜


原作 「最期の見送り」ぼんくら様

掲載許可を頂いてます

大人の童話 として
Twitterにツイートされたのを読ませて頂いて
スグに頭の中に絵本の様に別視点でうまれました
Twitterにツイートした時よりも
しっかり絵本の様にと言葉を足して
ただ頭の中にある景色が絵に出来ないのが残念
読んでくださった方が頭の中で絵本にしてくださったら嬉しいです(⁠人⁠ ⁠•͈⁠ᴗ⁠•͈⁠)


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