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会社員日記

 パソコンに向かって小一時間。文字を書いては消してを繰り返している。なんとなく転職活動をしようと思い、以前登録したサイトのメッセージボックスを開けて、絶望する。テストセンターの受検、明日の9時までだ。さすがに無理。

 人生ってこんなもんだなーと思いながら今に至る。おもむろに携帯を取りだし、私はいつものようにインスタグラムを開けた。また絶望。昇格試験に前期受かった同期の投稿が目に入る。悔しい。やるせない。申し訳ない。自分のアーカイブを見返す。裏垢の、昇格試験に落ちた時のストーリー。上司からかけられた言葉。

「貴方は僕が見た新卒の子たちの中で、一番丁寧に仕事をする人だと思う。将来絶対に人の上に立つ人になる。約束する。」

 ちょっとだけ目頭が熱くなるのを感じた。次の昇格試験まで2ヶ月。もうこんな思いしたくない。でもこの半期で成長できているのか?が回り回ってまた心臓が締め付けられる。しんどい。逃げたい。

 学生は羨ましい。中学受験も、高校受験も、大学受験もほぼ全てにおいて一個の正解がある。点数を取れた人間が上に上がっていく。社会はそうではない。色々な要素が取り巻き合う。私たちは所詮、上司の出世のための駒。人が足りない部署を補填するための駒。面倒事を押しつけるための駒。都合の良いように使い回されるだけの駒でしかない。駒であることを自覚して、その上でどう自分の成長機会を狙えるかがこのクソみたいな社会で生き残るためのコツだと思う。

 カフェミストを流し込む。ブラックコーヒーはまだ苦手だ。嫌なこと全部飲み干せたりしない。それでも、まだ社会に食らいついていたい。

 いつか偉くなってこの文章を読み返した私が、こんな日もあったなってそう思えたなら、私は生きた意味があると思うのです。
 


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