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ZOOM L-8を導入した話

ついに1週間前に迫った、第4回大分区域麻酔セミナー(ハイブリッドセミナ)の運営に追われており、連日の新型コロナウイルス感染状況にかなり流動的な対応を求められバタバタしております。

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しかしながら、この2年間で多くの学習・研修機会が奪われた一方、オンライン化により隠れた層(産休・休職中等)にまで情報を届けられキャリアアップ・自己研鑽につながるという点では意味があることで、(セミナー開催側がそのニーズを拾うかどうかはさておき)今後もニーズはなくならないと思っている。

配信技術としては、超音波診断装置を用いた診療技術のハンズオンセミナーの双方向配信は、ハイブリッドセミナーの難易度としては最上級だと勝手に思っており、この配信ができれば、日常の娯楽でもあるオンライン飲み会から医療だけでなく様々な業界での教育セミナーまで多くのことがオンラインでできることにつながる。

会はまだですが、今回の配信技術を記事にするとなると超大作になりそうなので、現時点で出せる情報として小出しにしていこうと思います。

その中の一つ、新たなオーディオミキサーでありZOOMのL-8を導入することになったので機材の紹介をします。

オーディオミキサーを新調しようと思ったきっかけ

これまでは、ハイブリッドセミナーで必要になる音を制御するために機材はSoundcraftのNotepad-8FXを使っていた。

1万円台で購入できる、ミキサーの基本を学ぶのには非常にコスパの良い機材。ATEM MiniからV-8HDに機材を新調したように、この機能では不十分だと思うようになった。

一つは、しっかりしたマイナスワンが作れないこと。

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ハイブリッドセミナーでは、特にZoomで講演あるいは質問等で発言する場合に、現地会場のスピーカーにはZoomの音を流さないといけないが、Zoomにはその音を流してはいけない(ハウリングする)ので、2種類の音構成を作る必要がある。まぁ、Zoomには上記のようにZoomから流れてきた音はマイクで拾って配信されないような使用が備わっているので問題ないのだが、ノイズキャンセラーの機能も兼ねており効果音や背景音を流すときなどは音がとぎれとぎれになってしまうのでその際はエコー除去やノイズキャンセラーの機能を外す必要がある。すると、何もしないとハウリングが起きる。

音問題、さらには映像問題のこともあり(きっかけは昨年のオンラインパブリックビューイングの配信)、今使っているビデオスイッチャー:RolandのV-8HDを更にアップデートしようと思っている。V-160HD、Rolandがこのコロナ禍で一気に需要が高まったハイブリッドセミナー用に設計した上位機種。値段もそれなりだが、その価値は自分のように出張対応ワンオペハイブリッドセミナーを経験していたらその都度抱えることになる悩みを解決してくれる機能を備えている。前回、V-8HDを購入したときも大きな勇気だったが、その賭けには大勝利したと言っていい。同じような感じで、今後の活動も考えて機材のアップデートは自分にとってその価値があることと判断している。

さて、というわけで実は昨年の8月に販売代理店で機材の購入希望の連絡をした(取り寄せ製品だったため)。しかし、このコロナ禍で半導体の供給不足等により大人気商品の割に供給不足であり、予約待ちとなった。同じタイミングで、機能不足のためオーディオミキサーも新しく新調しようと思っていたが、V-160HDはオーディオミキサーも搭載しておりしかもハイブリッド対応なので商品の到着を待つこととした。

それから4ヶ月。購入資金を貯め、そのためにかなりの他の趣味・娯楽やリラックスを断って自粛し、我慢を強いられることとなった。コツコツ資金繰りをし、ある程度余裕も出てきた頃に販売店に問い合わせたら、供給は復活しているが予約順番待ち20番台だということが判明した。待っている時間に進めたこともあったのではないか、また、仮に新しい機材が届いたとしてもバックアップで活用できるだろうということでZOOMのL-8という機材を購入した。

ZOOM L-8を選んだ理由

Notepad-8FXと比べると少し値は張る。しかし、これのいいところは①音の種類を複数ミキシングすることができ、それぞれ出力できる、②それぞれの設定を”シーン”で記録でき自由に呼び出せる、③サウンドパッドで効果音を流すことができる、④ポッドキャスト配信対応で、マイナスワンを作ってくれる。

①はハイブリッド配信で直面した大きな問題。現地スピーカー用の「現地音声+Zoom音声」と、オンライン配信音声は「現地音声(のみ)」の2種類別々に必要。②は、愛用しているV-8HDのプレセットメモリーの音バージョン。③は、実はこういう効果音を配信に乗せるのは昨年のサマーセミナーで必要になった技術。その時は、MacのLoopbackというアプリでアドリブで組みました。

④は実際使ってみないとわからないな。

実際運用してみてわかったこと

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意外と便利だったのは、USB給電であること。出張対応ワンオペハイブリッド配信機材としてはできるだけ荷物は減らしたい。実は電源系が一番かさばって不便だったりする(DisplayLink対応のUSBハブの電源が大きいのがホント嫌)。PCとの接続が給電と兼ねてくれるのは非常に便利。

また、Notepad-8FXと比べてフェーダーがダイヤル式でないのも魅力。操作していて操作感(映え?)は非常に満足している。

複数ミキシングの使い勝手

本体を見てもわかるが、MASTER OUT、MIX A〜Cの種類の音声ミックスパターンを作ることができる。MASTERはXLR出力対応。

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実際の操作はこの操作パネルで切り替えて行う。ハイブリッドセミナー用に、MASTER OUTを現地マイク+Zoom音声にしてそれをV-8HDに渡している。V-8HDからHDMIで現地プロジェクター(兼スピーカー)で出力。MIX Aを、上記からZoom音声を除いたものをミックスしてPCのマイクに入力している(ZoomにはZoom音声をマイナスワンされたものが入力される。)いろいろやってみて、この方法に落ち着いた。今後もしかしたら改定されるかもしれない(下記理由)。

PC音声(Zoom音声)をどうするか

PCとはUSB接続されるが、結局電源用途としか使っていない。というのが、PC音声の音量調整がミキサー側でできないのだ。パソコン側の音量を上げれば可能かもしれないが。しかも、実際会場にZoomの音声を流すとなるとPC音声のフェーダーはかなり上げないといけなかった(というか最大まで上げていました)。会場マイクとの音の大きさのバランスもあるし、かと言って音量調整を現地マイク分はミキサーでやってPCはPCのオーディオでやるというのは非効率。

そんなこんなで、PCの音はLINE入力でL-8に渡すことになった。

ここで問題。LINE入力はミキサーの7-8に割り当てられるが、この列が7番がサウンドパッド1〜3、8番がサウンドパッドの4〜6と共用となっている。なので、実際はサウンドパッドは3系統しか使えないんだなということ。

それにしても、こういう音問題はスピーカーやマイクの性能と合わせて本当に難しい。精密なヘッドホンで聞く細かいノイズや反響音をどこまで対処するのか。「もう、よくね?」と思うことも非常に多い(滝汗)。この辺の自動調整や、そもそもどのようなオーディオミキサーが備わるか、V-160HDの到着が待ち遠しい。#

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