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UIデザイナーが結婚式の招待状を本気で作ったお話

みなさん初めまして。ミキと申します。
現在原宿のUI/UXの会社でUIデザイナーとしてゆるゆるっと仕事しております。UIデザインって何?ってよく聞かれるんですけど、ざっくり説明するとウェブデザインみたいなものです。

突然ですが、今年2020年の5月に結婚式を挙げることとなり、結婚式の招待状を自分でイチから制作することになりました。「なりました」というか「する!」と宣言した感じです。(結局コロナの影響で来年に延期になってしまいましたが...)

宣言したのはいいものの、UIデザインしかやってこなかったので実は印刷系デザインの業務経験も知識もほとんどなく、何から始めればいいか分からなかったので、「結婚式 招待状 自作」などとググるところからのスタートでした(笑)

さて、このnoteでは、わたしの備忘録も兼ねて、完成までのプロセスと、デザインに込めたこだわりを紹介しようと思います。

1. デザインのデータおこし

実際にデザインに入る前に、まず招待状を構成を把握するところから始めました。色々ネットで調べて今回わたしがデザインしたものは下記。

①カバー
招待状の表紙です。わたしは本気を出して2部構成にしました(笑)
サイズはA5より一回り大きい216x152mm。
②本状
結婚式の案内が書いてある紙です。サイズはA5サイズの210x148mm。
③返信用ハガキ
ゲストに出欠を返信してもらうためのハガキです。62円切手の切手も貼り忘れないように注意。
④ゲストカード
ゲストの名前を記録する芳名帳の代わり。
サイズはハガキサイズと同じ148x100mm
⑤封筒のかざり紙
細部までこだわりたかったので、封筒のかざり紙もデザインすることにしました。封筒は洋形1号に決めていたので、サンプル封筒を取り寄せて自分で測ってデータを起こしました。

その他一緒に同封するものに地図付箋等もありますが、これは式場から手配してもらう。

デザインは全てillustratorを使って制作。

余談ですが、わたしは小さい頃からベルばらのマリーアントワネットに憧れていて、自分の結婚式は絶対ベルばら風にするって密かに心に決めていました(笑)とは言ってもふりふりの女子っぽい感じは嫌だったので、イメージはベルばらをちょっとシンプルにした感じで「バラ」「モダン」「ヴィンテージ」というキーワードをベースに参考をピンタレストで集めて、デザインしました。制作にはトータルで1週間くらいかかったかな...。

2. 紙の選定

デザインが完成したあとは紙の選定をします。わたしは元々持っていたグラフィック社さんの紙サンプルで実際に紙を触りながら選びました。

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安っぽい印象にならないように紙の厚さは160~200kg目処がおすすめです。

わたしの選んだ紙の種類と紙の厚さは以下

カバー(一番上):トレシングペーパー80kg
カバー(表紙部分):アラベール スノーホワイト200kg
招待状本状:アラベール スノーホワイト110kg
返信用ハガキ:グランベール スーパーホワイト163kg
ゲストカード:アラベール スノーホワイト110kg
封筒のかざり紙:アラベール スノーホワイト110kg

3. 印刷

デザインと紙が決まったら次は印刷です。

招待状の印刷
印刷はネット印刷で有名なグラフィックさんにお願いしました。
他社と比較した時に紙のラインナップが豊富なのでこだわりが強い方にはおすすめです!ただし値段はやや高め。

封筒の宛名印刷
封筒の宛名印刷はプライムハートさんにお願いしました。

一見サイトが怪しすぎて(ごめんなさい)依頼するのに躊躇しましたが、封筒を別で取り寄せて自分で印刷する時間もなかったのでこちらに依頼することにしました。専用エクセルで宛名リストを入稿して、封筒を選ぶだけだったのがシンプルで助かりました。やりとりは全てメールだったのですが、レスポンスも早く、終始親切丁寧な対応をしていただけました。

最後まで躊躇してたけど、本当にここに頼んでよかった...。

4.紐と封かんシールの用意

留めゴム・紐
色々調べて行く中で本紙と中紙が外れないように留めるために紐が必要なことが判明しました。今まで結婚式に何度かお呼ばれしていただき、実際に招待状を手にとったことはあったけど、全く意識したことなかったので気づかず盲点でした...。最初はベルばらのマリーアントワネットのドレスの感じを出したかったので、100均でリボンを購入して一つずつ結ぶ予定でしたが、時間がなかったので断念。結局楽天でこちらの金色のゴム紐を購入しました。

封かんシール
封かんシールは封筒を止めるためのシールのことです。くどいようですが、今回テーマが「ベルばら風」なので、映画とかに出てくる昔のヨーロッパで手紙を密封するために使われてた封蝋を本気で実現したく、実際にワックスを火で溶かしてスタンプを押すまで考えたのですが時間もないのでこちらも断念(笑)

色々ネットで調べて購入したシーリングスタンプ風シールがこれ。

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and CRAFT by HAPPYLEAFさんで購入しました。「絆・結びつき・縁」をあらわす“The Knot”ってフレーズが印字されているのもお気に入りのポイントです!

5. 実物公開!こんな感じに作ったよ

無事に印刷も終え、備品も揃え、組み立ても終え、完成したのがこちら

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上記の写真はリボンで留めてありますが、実際にゲストのみなさまに送ったのは金のゴム紐で留められています。

カバー
こだわった2部(中紙をいれると3部)構成の表カバーはこちら。

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一番上(左に開いている部分)はトレーシングペーパーを採用し、透け感のでるデザインに。

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重ねるとこんな感じ。名前の筆記体はわたしの手書きで、文字の部分はニス加工いれました。しれっとバラの花びらの上にもニス加工入れてます。ちなみにバラのフリー素材はこちらからダウンロードしました。

続いてこちらが裏表紙

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わたしの一番気に入っている部分です!数字の部分をレーザーカットで切り抜いて(2020年5月23日が式予定だったので05-23-20)本状の裏に印刷してある花束のイラストの上に重ねると、数字の部分から花柄の模様がみえるようになっています。

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さらにその上に被さるトレーシングペーパーには数字だけニス加工しました。表紙部分だけみるとこんな感じ。なんと繊細。

返信用ハガキ

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こだわったポイントは......特にないです(笑)
強いていえばよくある縦型ではなくて横型にして変わったレイアウトにしてみました。「ご返答お願いいたします」という意味のフランス語「repondez s'il vous plait」の頭文字ももちろん採用。(アメリカの返信用ハガキでは結構定番)

ゲストカード

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招待状本体の印刷にお金をかけまくってしまったので、こちらは印刷代を少しでも抑えようと白黒印刷に決めてシンプルにしました。

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印刷納期の前日にばたばた作って確認せず印刷をかけてしまったので、なんと誤字のあるまま印刷していまいました...。「お写」になってる(笑)

こだわりの封筒の飾り紙

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何が一番こだわったかというと、この「with love」という文字の部分。

この加工みてください...!紙の表面だけレーザーで焼いてもらって、くぼんでる感じにしてもらいました。エンボスっぽい感じ。だけど表面を焼いているので裏側は凹んでいない。もはや繊細で誰も気づかないレベル。ここまでくるとデザイナーのエゴ。ちなみにこれもわたしの手書きです。

6. 終わりに

画面上で作成した自分のデザインが実際に印刷物として上がってきた時の感激は、何物にも代えがたい嬉しさでした!UIデザインでいうと、自分のデザインしたアプリやウェブサイトが実装された時の喜びと似た感覚。

知らないことが多すぎて、途中とても大変でしたが、私はイチからデザインを起こし、ものを作るのが好きなので楽しんで出来ました。が、ぶっちゃげイチからの招待状の自作はお薦めしません(笑)オンラインでキットを頼むか、式場に全部依頼した方が断然楽です。それでも拘りたい、自作したい方のご参考になれば嬉しいです。

席次表と席札も手作りする予定なのでこちらも来年、また作った後にnoteに記録として載せたいと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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