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【みちしるべ♯1】稲毛日菜子さん~私が私であるために~

みちしるべってなーに?

 突然ですが、学生のみなさん、大学卒業後のオリエンテーリング人生見えていますか?ほとんどの人が「いいえ」だと思います。おそらく私もその中の一人です。そんな迷える学生オリエンティアが、社会人の先輩オリエンティアとの対談を通じてなにかヒントをもらえる、未来が見えるお助けをする企画がこの「みちしるべ」です。これを機に大学卒業以降の自分なりのオリエンテーリングとの付き合い方を考えてみてはいかがでしょうか?

もちろん学生オリエンティア以外の多くの皆さんにもお楽しみいただける内容となっております。ぜひご覧ください!


あらためましてこんにちは!みちしるべのお時間です。
第1回のゲストは 稲毛日菜子さんです!
よろしくお願いいたします!

プロフィール

稲毛日菜子さん
現在は練馬OLC所属。お茶の水女子大学卒業。大学卒業後は就職によってオリエンテーリング競技から一時期離れたが、転職を経て競技に復帰した。2022年度の全日本大会はロング、スプリント、リレーの3種目で優勝。ジュニア世界選手権(JWOC)には、2012,13年に出場。世界選手権(WOC)には、2013,14,17,18,19,21年と通算6回出場と国際的にも活躍している。

インタビュアー
大石遥
新潟大学3年(2020年度入学)
森創之介
横浜国立大学1年(2022年度入学)


全力を尽くした大学4年間

―オリエンテーリングと出会ったきっかけを教えてください。
 私は多くの学生と同じように、オリエンテーリングを知らなくて大学1年生の新歓でビラをもらって知りました。家のすぐ裏の公園で新入生体験会があって、タダでごはんが食べられると聞いて(笑)それにつられて行ったのがオリエンテーリングを知るきっかけになりました。

―オリエンテーリングにどのように取り組んでいましたか?
 1年生から3年生の秋までは狂ったようにオリエンテーリングをしていました。同期たちには練習量という面では自信がありましたし、2年生はやっぱり学生の中で一番になりたいという気持ちが大きかった記憶がありますね。3年生はWOCなど新しく世界が見え始め、インカレを優勝するだけじゃ足りないなって思いながらオリエンテーリングをしていた気がします。親には申し訳ないけど、そうですね、私の中では、オリエンテーリングのために大学時代があったといっても過言ではないですね。

―インカレはどのような位置づけでしたか?
 大学4年間の中でやっぱりインカレって本当に特別で、そういう文化の中でみんなと一緒に盛り上がって、インカレが終わるとインカレ病にかかって喪失感や次への目標に向かってやる気が湧き上がっていました。私の大学の人数が少なかったので、特に大学の人と一緒に走れるリレーを走れることに意味があったんだなぁと後から考えました。

―卒業後についてどのような未来像を描いていましたか?
 4年間全力を尽くしたと思っていて、だから3年生の冬の就活してる期間は結構優先順位をガラッと変えて全部就活に。その代わり短期間でガッてやって決まったらすぐオリエンテーリングに戻して夏の遠征に向けて頑張るという感じにしていました。やっぱ人生不安じゃないですか。オリエンテーリングで稼げる未来が見えなかったから、今後人生進めていくためにはきちんとした企業に入りたいと思っていました。

2013年度 インカレリレーの表彰式
お茶の水女子大学 優勝

私が私であるために

―働き始めてからオリエンテーリングは続けていましたか?
 最初の2年間くらいは行ける大会にはエントリーするけど特に練習もせず、あとは東大OLKのコーチのお手伝いするくらいで、オリエンテーリングには軽く関わる感じでした。世界選手権の結果などは何か思いそうで怖かったから見なかったような気がします。お金も時間も余裕があったのでオリエンテーリング以外を楽しんでいました。

―競技再開のきっかけはありましたか?
 社会人2年目の冬、大学の頃から一緒にオリエンテーリングをしてきた粂早穂さんから「もう一回頑張ろうよ!世界の舞台に一緒に行けるよ!」と言われたことがきっかけです。仕事にも振り回されていたタイミングで、自分のために人生を生きてみたいなと思い競技復帰を決めました。

―他の競技を続けることは考えましたか?
 後から振り返ってですが、オリエンテーリングが楽しくて、一度そこで築いた人間関係や、もっと見えそうだと思った世界のその先が忘れられなかったから他の競技は続かなかったのかなと思います。成仏できていなかった、まだちょっと心残りがあったからかなと。

―学生の時とどのように変わりましたか?
 自分で作りだした時間でオリエンテーリングに向き合うようになったから、トレーニングの効率も上がったし月間走行距離も倍くらいになりました。自分がこれをやりたい!と思って取り組むのが一番の大きな変化でした。

―社会人でオリエンテーリングを続けることの意味は何ですか?
 私にとってはオリエンテーリングが私の人生なので、私が私であるためにオリエンテーリングをしているのかもしれないですね。
 

2013年度 JWOCーWOC連戦をともにした粂選手と山岸選手と

選んだ道を正解に

―これから社会人になる学生に向けて伝えたいことをお願いします。
 たくさんの選択肢がある状態で正解を探すことはすごく難しいと思うんですよ。私がすごく大事にしているのは、「選んだ道を正解にすること」をいつも考えるようにしています。
 この話はロングレッグに例えられます。いくつも見えるルートの中から一つ選んで、脱出しながら他のほうが良かったかもと思うことがありますが、走り始めていた場合は戻らず自分が選んだルートをどれだけ全力で走って速く次のポストに着けるかに集中します。人生も選択の場面があって、時を戻すことはできないし、違う選択をしたらどうだったかはわからないので、自分が選んだ道をできるだけ楽しんで意味のあるものにしていくっていう風にして私は人生の決断をしています。だから、学生の皆さんも人生の岐路ではとても迷うと思いますが、その時のベストだと思った選択をしてその道をいかに楽しく進むかっていうことを考えてほしいなと思います。
 その中にオリエンテーリングという要素が入っているなら、絶対無駄にはならないと思います。すごく良いコミュニティで、人も良いし、普通の社会人では味わえないようなことをたくさん経験させてくれるスポーツなので、続けていて後悔するようなことはないと思います。

さいごに


大石:大活躍されている稲毛さんでも悩む時期はたくさんあったようですね。しかし、最後のお言葉で「選んだ道を正解にすること」をご自分の中で大切にされていると聞き、ハッとしました。このようなポジティブな思考、私もまねして良い人生を歩みたいものです。本当にたくさんの興味深い、勉強になるお話を聞けて良かったです。ありがとうございました!

森:インタビューさせていただいてとてもためになりました。
一番印象に残ったのはオリエンテーリングを頑張れば頑張るほど就職に強くなるということです。3~4年生になったときに就職のことを色々考え出すと思いますが、自分がやってきたオリエンテーリングの中に就職に活かせる部分が必ずあると稲毛さんから聞いて、より一層オリエンテーリングを頑張ろうと思いました。
今回は貴重な機会をいただきありがとうございました!

ここでは載せきれなかったお話は、ポッドキャストにて聞くことができます。 

【次回予告】 
増澤すずさん (京都OLC所属、筑波大学卒業)
4月ごろ公開予定です。お楽しみに!

感想どしどしお待ちしています!☆彡

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