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【岡山 倉敷】美味しいひとり旅
ずっと行ってみたかった、岡山県の倉敷市。
何かと理由をつけて先延ばしにしていたけど、本格的に梅雨入りする直前、「今日しかない!」と目覚めた朝7時過ぎに出発。
大阪から倉敷までは、車でおよそ3時間。
私にとっては久しぶりの長距離運転。
中国道の工事渋滞で少し疲れたり、サービスエリアで休憩したり、高額な高速道路のガソリン代に慄いたりしつつ、山陽自動車道をひたすら西へ、とことこ走る。
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倉敷美観地区に到着したのは、10時過ぎ。
まず絶対一番にやることは、決めていた。
名代とんかつ かっぱに行き、予約ボードに名前を書いておくことだ。
11時20分開店の超人気店は、9時から店の前に予約ボードが出ており、平日10時30分の時点ですでに5組以上の名前が記載されていた。
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無事にミッションをクリアできたので、開店までぶらり街歩き。
美観地区といえば、この趣がある街並み。
素敵なお店がたくさんあって、心が踊る。
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5分くらい迷った。
倉敷はガラスも有名らしく、思わず見惚れてしまう美しい作品がたくさん。
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お酒はあまり飲めないけど、
このガラスは欲しいなぁ。
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も、桃尻、、、!?
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まぁるいフォルムに、ゆらゆら揺れる桃尻グラス。
店員さんが、隣のカフェでも桃尻を使っているが、揺れないように固定してると教えてくれた。
グラスが尻である必要はないし、25080円もするグラスがゆらゆら揺れると危険すぎるのだが、桃尻、かなり良い。
個体によって色味や模様が少し違うのも、良すぎる。
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桃尻にうっとりしていると、かっぱの開店時間が過ぎているため、急いでお店へ。
すごい行列ができている。
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10分くらい出遅れてしまったけど、予約をしていたので2巡目で店内に案内された。
テキパキとした感じの良い店員さんが注文を聞いてまわり、先に会計を済ませる。
一巡目の配膳が終わってからニ巡目の調理に入るため、かなり待ち時間がある旨をアナウンスされる。
最近実家で導入されたペットカメラに映るリクガメの様子を確認しながら、待つこと40分。
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揚げたてとんかつを、特製デミグラスソースでいただきます。
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とんかつは分厚くて、衣はサックサク。
デミグラスソースは濃すぎず、しっかり下味がつけられた豚の旨さとあいまって、ほかほかご飯が進む。
待った時間と、空腹と、からしも最高のスパイス。
お味噌汁もかなり美味しかったので、定食にするのが大正解。
30代半ばにさしかかり、消化機能の衰えに抗えない昨今。
残り2切れあたりでほとばしる豚のジューシーさに負けそうになったけど、添えられたキャベツに助けられ(さりげなくかかってたさっぱりドレッシングが神)、完食。
心配していた胃もたれは皆無で、心地よい爽快感と幸福感でお腹と心が満たされた。
倉敷川をゆったり渡る木舟、柳並木に白壁の蔵屋敷。
あぁ観光をしているなぁと、しみじみ感じることができる風景。
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地味にめっちゃ見たかった白鳥。
ゆったり水面を泳ぐ真っ白な姿が、優雅。
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倉敷、美味しいひとり旅。
二件目に訪れたのは、倉敷珈琲館。
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本当に良いお店って、誰もが気づかず通り過ぎてしまう佇まいで、静かにひっそり待ってくれてる感があると思う。
蒸し暑い初夏のオアシスのような、静かで落ち着いた店内。
所々に、素敵なこだわりを感じる。
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夏季限定のコーヒーゼリーを注文した。
清涼感があって、風流ですなぁ。
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私が今まで食べてきたコーヒー風味のぷるんとしたゼリーではなく、本気の濃厚な珈琲がガツンと固められた感がすごい。
何もかけずに食べたら、深い苦味とほどよい酸味を感じた。
「これ、コーヒーにゼラチン入れて作ったんやわ」と、当たり前のことにしみじみ感激した。
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普段コーヒーはブラックで飲むけど、コーヒーゼリーにはシロップとミルクをたっぷりかける方が好き。
甘さとまろやかさに負けない、ゼリーのしっかりした大人の存在感。
コーヒーゼリーって、こんなに美味しかったのか。
デニムストリートや大原美術館やアイビースクエアなど有名スポットを通り過ぎ、きび団子の試食をしたり、
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どこにでもある食品サンプルのキーホルダーに心奪われたりしながら、自分のペースで自由に散策する。
ひとり旅って、楽しい。
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倉敷美観地区で絶対に行きたかった、三件目のお店。
カフェ エルグレコ。
昔から蔦に覆われた建物に惹かれる傾向があるんだけど、これはあまりにも完璧。
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蔦に覆われた館内は、窓から差し込む優しい光に包まれ、季節の生花が飾られ、天使の絵が飾られていた。
「教会」とか「サロン」という言葉が連想された。
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私には「これ絶対美味しいやんセンサー」というものが搭載されていて、そのセンサーが反応したものは必ず食べることを心がけている。
例えダイエット中でも、遠く離れた土地へでも、とんかつを食べた後でも、リスクを犯しながら、お金と時間をかけて食べる。
そうすることでセンサーはピカピカに磨かれ続け、その感度は常に絶好調だと思っている。
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このチーズケーキは、写真を見た瞬間から間違いないと分かっていた。
さっぱりとして、ふんわり軽い口当たり。
チーズは濃厚過ぎず、ブルーベリーソースはほどよい甘酸っぱさで、まろやかなコクのコーヒーと合う。
ケーキ、ソース、コーヒー、全てが美味しく、優しい。
教会のような空間も相まって、「思いやり」「救済」という言葉が連想された。
心が癒された。
来て良かった。
時刻は15時過ぎ。
美観地区を後にし、最後の目的地を目指す。
瀬戸中央自動車道を通り、瀬戸内海の方へ倉敷市内を南下する。
さらっと書いたけど、途中で道を間違えて見知らぬ土地をぐるぐる彷徨うことになり、「あぁぁぁあ〜もう帰ろかな!」とひとり発狂したことも、今となっては良い思い出。
なんとか到着した、王子が岳パークセンター。
瀬戸内海に浮かぶ島々の先にある大陸は、香川県。
この雲に覆われた薄い色の儚い風景、雪舟の水墨画みたいで、いとをかし。
晴れの日だけが絶景なわけじゃない。
いつでもどこでも、「をかし」を見つける天才でいたい。
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ヤマモモっていうんだね
このあたり、見渡す限り、猫だらけ。
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突如、草むらから黒猫登場。
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てってって、、と近寄って来て
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「なお〜ん」と甘い声でなきながら、私の足にすりすりしてきた。
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「ほれ。」とでも言うように、ゴロンとお腹を見せる黒猫。
初対面で、それはあまりにも無防備すぎないか?
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猫は好きだけど、こう積極的に来られるとどう接したら良いか分からない。
どこをどう触ったら良いのかも分からないので、「ちょっと・・・分からへん。ごめんな」と言いながら、おずおず離れた。
モテない人間だとバレたに違いない。
猫の森を進んだ先に待っていたのが、この旅最後の目的地、belk。
ベルクはドイツ語で、「山」を意味するらしい。
毎日インスタで見ていて、ずっと来たかった。
やっと来れた。
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静かな心地よいBGMに、漂うコーヒーの香り。
自家製のアイスレモネードを飲みながら、海を眺めてぼーっとする。
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地元の無農薬レモンと蜂蜜で漬け込まれたレモネード。
ほのかな炭酸が爽やかに喉を潤し、レモンの嬉しい香りが鼻腔でハミングする。
全身の細胞液が、このレモネードを歓迎しているのを感じた。
脱水時に経口補水液が全身に染み渡るように、この空間にいる瞬間、五感の全てから吸収されるものが、私に染み渡った。
体の力が抜け、とても眠くなった。
頭と心から何かが溶けていくような感覚がして、何も考えることが出来なかった。
瞑想は苦手だけど、この時は「無」になれた。
圧倒的に不足していた時間を慈しむように、全身全霊で「無」になった。
からっぽになったところにじんわりと満ちてきた思いは、「あぁ今日は楽しかった。本当に来て良かった」だった。
最高の締めくくりになったレモネード。ありがとう。
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さて、帰ろう。
今回の旅で買ったものは、職場へお土産の倉敷銘菓むらすずめと、これくらい。
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いや、買ったんかい!!!
岡山倉敷ににまったく無関係の、amazonで840円のみたらし団子、1200円出して買ったんかい!!!
このみたらし団子、触るともちもちしていて、まじで美味しそう。
これを見ると、今日の全てを思い出せるだろう。
倉敷、いいところだった。
岡山、まだまだ見所がありそう。
自分のペースで、自分らしい旅をしよう。
次はどこに行こうかな。
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