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ゴールを見据えて全体を把握する ~製造部門の業務改善とkintoneSIGNPOST 第4回~

今まで手をつけきれていなかった当社の製造部門の業務改善について、なかなかうまく進まなかったので今一度kintoneSIGNPOSTに立ち返り考えています。

前回書いたように、医薬品の製造・品質管理にはGMP(Good Manufacturing Practice「医薬品の製造管理及び品質管理の基準」)という基準を守らなければなりません。

この辺りを深掘りすると手に負えなくなるので割愛しますが、簡単に説明すると「当社ではこのお薬をこんな方法で製造し、こういったツールでこんな管理をしている」ということを明文化し、管理方法を変更するにもまずその書類を作成するところから始めなければならないのです。。。


1-05 業務の付加価値


対象となる「業務の付加価値」は何かを明確にしたうえで、業務改善のアプローチを決める。

業務の付加価値

今回のこの改善プロジェクトは「作業日報の電子化」がメインのテーマになります。
まずは電子化する作業日報の「開発計画書」の作成から始まりました。

このプロジェクトが始まった頃は、開発計画書に始まり〇〇仕様書〇〇計画書という作成する書類の多さにうんざりしている様子でした。

おそらくそれがこれまでの製造部の業務改善のネックだったように思います。
でもそれは「書類の作成が目的」になってしまってたからではないかと考え、今回はまず原点に帰り、「なぜ作業日報を電子化するか」から話し合いました。

作業日報を電子化する
「なぜ電子化するのか?」

・作業担当者のミス防止
→記入ミス・計算ミスが多い
なぜミスが多いのか?
→電子化することでそのミスがなくなるのか?
・・・

・管理者の確認漏れ防止
→ダブルチェックでもミスを見逃してしまう
ミスしない仕組みよりミスを見つける仕組みを
→・・・

・データ管理することによる効果
→製造をデータ化することで、工数や製造による目減りなど可視化
→コストや製造原価を見直す
→・・・

しっかりと「電子化のその先」を見据えた上で、
「じゃあここをkintoneで管理しよう」
「この部分を計画書に記載しよう」
という建設的な話し合いができたような気がします。

1-09 業務の流れを掴む


「ヒト」「モノ」「データ」「コミュニケーション」の流れを見える化し、業務全体の流れを把握する。

業務の流れを掴む

業務の真の目的が見えてくると、そこに向かう業務フローが想定できます。

業務を製造部門だけでなく会社全体から見ていくと、作業日報も決して一つの部署で完結するものではないとわかります。

発注・入荷した原料を品質管理部が受入試験を行い、適合したものが在庫に反映されてその在庫を元に管理者が製造指図を出し、作業したものを担当者が日報で報告する。
さらにはその製造・入庫データを元に経理部で在庫棚卸高を計算する。

こうやって広く広く業務を見ていくと、色々な点と点が線でつながってきます。
これこそが業務改善の醍醐味と言っても過言ではありませんね。

ゴールを見据えて全体を把握する


業務改善に大切なことはその業務の真の目的を理解すること、そして全体の流れを把握することです。

自分がどこに向かっているのか、そして自分がいまゴールまでのどこにいるのかを把握し、理解していないと正しい方向には進めません。

業務の目的と業務フローを見直す、とても大切なフェーズでした。

これまで取り上げたkintone SIGNPOST

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