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漁火


昨日の晩が更ける時
鳴りっぱなしのアラームが
そんな朧夜の雲行が
ゆうに私を支配する

潮風は不快な向かい風
朝はこれだから起きられない
岸まで無骨な筏舟
朝か夕かもわからない


緋色の
ビットへ出迎えに
漁火
夜舟を待つ心
一様に
色々とあるわけで
角で擦れた
かすかだけが見える
見えたフリした

潮風は不快な向かい風
朝はこれだから起きられない
岸まで無骨な筏舟
朝か夕かもわからない

鳴り止まない
騒音と
途切れない
波際と
ごった煮の
現在も
時間が徐々に削ってく

明るさだけが
ゾロゾロと
斜めに走る
窓辺と
うろ覚えの
空想も
時間が徐々に溶かしてく

踵を返す
海原よ
この目に写る
実像よ
私の小さな
想う心
時間が徐々に沈めてく

分からないまま
櫂を振り
分からないまま
揺らぐ心
分かち合えない
まま生きる
分からないまま
遠ざかる
仕方なくとも
傷付いて、も
時間が徐々に流してく
時間が徐々に無くしてく

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