見出し画像

Audiostockを1年やって考えた、収益を得るためのステップ

Audiostockで楽曲のライセンス販売を始めて1年経ちました。

まだ50曲そこらなので、偉そうなこと言える感じではありませんが、
ある程度収益もいただけるようになって、何となく、

月ごとの成果数字や状況ごとで、考えるべきこと、やるべきことがある

ということが見えてきました。

これ以降、あたかも一般論のように語ってますが、あくまで僕の経験と考察がベースの独り言です

まず最初に考えた方がいいこと

目的をはっきりさせる(いくら稼いでどうなりたいのか)

これによって必要な時間、買うべき機材、マインドセットが決まると思うからです。
漠然と「お金入ったらいいな〜」と話してる人は大勢いるんですが、具体的にどのレベルを目指してるのかで、その活動内容は変わります。

人に聴いてもらえたら満足、その中でジュース1本買えるくらいのお小遣いもらえたらいいな、というくらいの願望の人が、10万円を超えるプラグイン買う必要はないですし、1日1曲作るぞと根を詰める必要もありません。

逆に「音楽を仕事にしたい!」というレベルの人は、競合する他の作家と機材レベルを揃える必要も出てくるし、それ相応のクオリティ、曲数が必要です。

半端に「音楽やるからには飯を食えるレベルにはなりたいなあ」ではなく、自分がどこまで行きたいのか?をはっきりさせるのがまず大事だと思います。

それを踏まえて、状況別に原因と対策を考えてみました。

LV.0 審査に通らない

圧倒的なクオリティ不足

きっつい言い方に聞こえると思いますが、審査に通らない=「曲が人に聴かせられるレベル」に到達できていない、だと思います。

対策はまず作曲、DTMの勉強をしましょう、ということになり、
メロディとコードの音使い、ベロシティ設定、基本的なリズムパターンを理解する、音色の選び方や楽器の奏法を知る、ミックス時の音量バランスを気にする、という基礎が必要で、この段階の人は実績のある講師を見つけて、習いに行った方が早いです。

(僕もDAWで曲作るぞ、と思ってしばらく試行錯誤した結果、早々に限界を知ったのでプロの職業作家の方の門を叩きました)

また、「審査に落ちた=自分の音楽性の否定」みたいに感じてる人を見かけるんですが、僕のやってきた印象では音楽性とかではなく、単に商業音楽として流して大丈夫なやつか?と言う基準でハネられてる気がします。

だから、意図的でなさそうなノイズやクリップには厳しいし、ピッチがありありと気持ち悪いみたいなのも当然通らない、ので自分の否定のように捉える必要はないと思います。(僕も審査落ちしたのは、サンプル音源にノイズが乗ってる、と指摘されたケースと、末尾処理をミスって残響が途切れた時だけでした)

あと、Audiostockに通るから一定の実力がある、という考え方も必ずしもそうではないなという気がします。嫌な言い方ですけど「え、これ通しちゃうの?」という曲もたまに見かけます。

自分の個性は一旦置いておいて、楽曲単体として人に聴かせられるレベルをまず目指すのを最初の目標にしましょう。

LV.1 月の収益100〜1000円台

商品数の不足、またはニーズとマッチしていない

僕の経験上、曲数が少ないと収益は増えません。このくらいの金額だとおそらく10曲もないのでは、と思います。

曲数を増やすには制作フローの効率化が必要で、

  • サンプルを上手く使う(自分で1から音を作るのをなるべく減らす)

  • DAWのテンプレートを作る(音色選びに時間をかけない)

  • その前に「何作ろうかな」で悩まないように、作るものをリスト化しておく

などの方法が考えられます。

もし、30曲以上あるのにこの金額だとしたら、クオリティがまだ足りないんだろうなと考えた方がいいです。

クオリティ=シンプルな音楽的実力以外には、

  • 世間のニーズに乗れていない

  • 作るものがニッチすぎる

ということが考えられ、「あ〜なんかちょっとこの曲、合わないな〜…」と思われて試聴されても避けられる傾向があるような気がします。

対策は勉強しつつも、数をこなすということになり、流行りの音楽を聴く、人気のYouTuberが使っている楽曲の雰囲気を真似る、みたいな動きが必要です。

ここで、流行りの音楽に迎合するのは嫌だ、という人は商業音楽に向いてないと思うので、自分の曲でアーティストとして自己表現する道に行った方がいいです。僕も正直そういう葛藤がなかったわけではありませんが、自己表現も商業もどっちもやりたいので両方やってます。

LV.2 月の収益5000円以下

汎用性またはシーズンものとしてのキラーチューンが不足

このレベルになると、一定のクオリティをコンスタントに出せてると思いますが、もし一押しするなら、収益の柱になる汎用性の高いキラーチューン、または季節ものに乗れていない可能性があります。

パレートの法則というものがあって、ざっくり言うと上位2割の商品が全体の8割の売上を作る、というものです。

僕も毎月の収益配分を見ると比率は大体そのくらいです。

対策は2つあって、「音楽としての汎用性を意識する」か「シーズンものを狙う」、またはその両方です。

ハロウィン曲と正月曲を作った時、初めて収益がハネるのを体験し、かつ毎月売れてる曲を見てると短いジングルだったり、どんな映像ジャンルでも使えそうな音で、

これらが8割近い売上を出していたので、この「シーズン」「汎用性」を同時並行してやれてると強いな〜と思います。

LV.3 月の収益がコンスタントに5桁以上

このレベルの人はこんなもの読んでないでもっと上を目指してください(笑。

Audiostockでコンスタントに月5桁プレイヤーって、こんな人かなあ

という想像。

  • プロの職業作家の人がフリーランスとして、または事務所にお忍びでやっている副業(つまり、全てが高い商業クオリティ)

  • 流行りに乗るのが上手い人(例えばTikTok向きとか)

  • 圧倒的に強みを発揮できるニッチなジャンルを持ってる人(ニッチだけど確実に存在するニーズを一手に引き受けられる人。例えばジャズピアノ専門ていう方もいます)

  • Audiostock初期からやってる人(ストックは数がものを言うので、先行者利益)

なので、Audiostockで成功するには、突き抜けた何か

  • 楽曲数(100ではなく1000以上)

  • 1曲ごとの音楽的な商業クオリティ

  • ニッチニーズがあって強みが発揮できて無双できるジャンル

を持っており、かつ「やめずにやり続けた人」であることが重要だなと思います。(継続できる、というだけでも相当強いと思います)

ここから自分語り入ります

僕は、同じようなジャンルばかり作ってるのがどうしても苦手で、色んな音楽に興味があるしで、結果、音楽ジャンル的にはオールラウンダーみたいになってしまってるんですが、

やりたくないことはやっぱりやりたくないし、流行を取り入れるのはお客様のためと思いつつ、それだけで作るのはあまりにも心ないなとも思っており、

最近は、何らか得意ジャンルを1つ2つ持って「明確な強み、音楽的な軸を作りたいなあ」と思っており、「これなら自分は作ってて辛くないな」という音楽を発掘しつつ、色々研究中です。

また、ストックミュージックだけをやり続けても認知はされないので、認知されるルートを広げる活動をしつつ、その中でボツになった曲や、他で出せる場所がない曲をAudiostockに提供してる、という感じにしてます。
(例えばこないだ参加した某コンペで出した曲が不採用だったので、そういうのを流したり、そうすると無駄にならないので)

あと、これを読んで下さった方で「いや、自分がやってきた結果、こう思う」というのがもしあればコメントください!集合知になってより有意義な情報になるので。

最後に、この記事読んで傷ついた人もしいたらごめんなさい!音楽制作は孤独なので、頑張りましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?