DTMでスランプになった時
今年に入ってから、相変わらず制作はしてるんですがどうにもスランプ気味でした。
今はEpic Vanguardの新曲を作ってる期間なんですが、
「新曲をリリースするからには、これまでの曲を超えたものでなければ」「次に出す曲がマスターピースでなければ」というプレッシャーを自分で自分にかけまくった結果、
ああこれじゃダメ、安っぽいシンセの音がする、ローが細い、ハイが出てない…と次々に作業の手戻りが起こり、最終的には「自分は今いいと思ってるけど、絶対自分の知らない何かがダメって言われるんだろうな」と、自分が出す音は全てダメなんじゃないかという気分になってきて、DAWを立ち上げるのもしんどくなってきてしまいました。
リリース時にサブミットにかけて、海外のキュレーターやプロデューサーからフィードバックをもらったりするんですが、そこでよく言われていたのが「ミックスが雑」「もっとプロフェッショナルなトラックにするためにボーカルの処理はもう少しやりようがあったんじゃないか」「ドロップにパワーがない(何それ)」とかでした。
なので、自分は気づけてないけど、またミックスが雑なんだろうなとかボーカルの処理が微妙なんだろうなとか考えてしまうと、他の人の音楽を聴くのも、自分と比較して辛くなるという状態にもなっていきました。
これじゃいかん
と思ってやったのはこんなことでした。
DAWを捨てよ、ギターを弾こう
まあ実際は捨ててないんですが、DAWを閉じてギターを弾いてました。
ギターで作曲しようとかではなく、自分の好きなギタリストのチュートリアルとかYouTubeのTabを見ながら、無心でコピーする、ということをやっていました。
楽器を弾くと、電子音楽とは勝手の違う形で音楽の構造を知れるのと、体で音楽やってるという気分を取り戻せて良かったです。
ちなみによく観てたのはこれです。
激ムズではないけど、綺麗に弾こうと思うとそれなりに指の立て方などを気にしないといけない、絶妙なバランスの難易度な曲でした。あと自分の好きなアルバムの曲だったというのもあります。
自分の課題を振り返る
そうやってたまにギターに逃げつつ、落ち着いて自分に足りないことを振り返りました。
メロディ的な作曲自体は評価されることが多かったので、自分に足りてないことは「サウンドデザイン」と「ミキシング」だと捉えました。
なので、ひたすらシンセのサウンドメイクのチュートリアル動画を観まくりました。観ながらそれと同じように音色を作って、使えそうならプリセットとして保存、というのを10個くらいやったあたりでだんだんシンセの使い方、というか何をどういじったらどうなるかが少しずつ分かってきました。
ちなみによく観てたのはこの人のチャンネルです。
海外の動画を見る時は自動翻訳の日本語字幕にしていて、多少変な訳をされても音楽制作系の動画ならDAW画面も映ってるから何となく分かるし、元々英語苦手じゃないので、最近は英語圏のYouTubeを観るのも慣れてきました。
やっぱりEDMの情報は海外一択です。日本のDTM YouTuberは絶対EDM好きでやってないだろ、って人が多すぎて中途半端な印象です。(MK/SHADOWさんとかは良いんですけど、僕はベースミュージック系なので、流派が違うなという印象)
違うDAWを触ってみる
12にアップグレードされるのを見越して、今年の頭にAbeltonを買いました。
普段はLogicなんですが、前からAbletonは憧れがあって、ダブステップやドラムンベースやトラップみたいなベースミュージック系のプロデューサーはほとんどみんなAbletonなのと、
ギターの動画で出ていたManuel Gardner FernandesやPolyphiaのTimとか、自分が好きなプレイヤー系の人もみんなAbletonで、「自分はAbletonで作られた音楽が好きなのかもしれない」と思い、セールしてたというのもあって今のうち、と買ってみました。
あとはAbletonのドラッグ&ドロップで済む操作感や標準プラグインにも興味があったりしました。
今作ってる曲はLogicなので、DAW掛け持ち状態なんですが、曲に行き詰まったらLogicを閉じてAbletonを開いて、12のアップグレードに備えて操作方法を覚えるための練習、というのをやっています。
自分はDTM初めて3年くらいで、DAW乗り換えって今回が初めてなんですが、プラグインや音源はかなり揃ってる、制作のテクニックもまあ知ってる、でもDAWの操作がパッとできない、というのは、↑のツイートでも書いたように「転職してレベル1に戻ったドラクエ」を思い出す感覚でした。
DAWの操作を覚えるのに最適なのは、好きな曲のコピーだなと思って、これもサウンドメイクの研究だと思ってたまにやってます。キックから作っていって、途中で「これがしたいけどやり方がわからん」という時にググって調べる、という繰り返しです。
AbletonのチュートリアルもYouTubeにお世話になっていて、今のAbletonの師匠はこの二人です。
Androidusという現役のサイトランス系のプロデューサーらしいんですが、教え方が丁寧で好きです。EDMってチャラい人が好きな音楽とか思われがちですが、作ってる側はみんな真面目でストイックな人が多いです。っていうかストイックじゃなきゃこんな難しい音楽極められません。
あとはEthan Davis。
EDMというよりはPOPSも含めて守備範囲広い系のプロデューサーですが、「俺はAbletonで人生変わった!Abletonで何十万ドルと稼いで色んな国にツアーに行った!Abletonを10年以上使ってるから、あなたに教える資格がある」と力強くプレゼンしてくれる彼も、ものすごく基本的なことから教えてくれるので、好きです。
そのEthanが動画の最後にいつも言う言葉が「Stop making excuse, making music(言い訳やめて音楽作れ)」というもので、
気分が落ちていた自分にはかなり刺さる言葉でした。
という感じでまとめると、スランプから抜け出すために自分がやった方法は「YouTubeの集合知に頼る」でした。
曲のクオリティを上げたい気持ちは今でも変わっていませんが、Ethanみたいにシンセ突っ込んで鳴らしただけで「ヒャッハー!」とか言えるようになりたいです。
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