オーボラの人生回顧録 -銀座ダクション死闘篇-其の8
大型案件の企画打ち合わせ第2回目の当日の朝。
私は徹夜でボロボロになった体で、打ち合わせ前の最後の映像資料チェックのため、金田が出勤するのを待ち構えていた。
徹夜作業というのは、なんて言うか妙な高揚感が伴う。
終電が過ぎてからの銀座の街は昼間の喧騒が嘘のように静かな街に変わる。
時折、窓外から飲んだ帰りであろう、バカ騒ぎの声が聞こえてくるが
オフィス内はしんとした音のない空間で、熱帯魚の水槽のコポコポ空気を流す音だけが聞こえるだけだ。
私は金田に褒められようと、これまでの時