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日本史論述・チャレンジ課題・中世

ポイント集の中世が完結したところで、今回はチャレンジ課題です。

この課題は、私が出講している高校の課外講座で、毎回の授業の終わりに取り組ませているものです。完璧な答案を仕上げるというよりも、教科書の該当箇所を読み、自分でまとめ直すことに力点を置いています。

なお、授業用の課題という都合上、問いとして練り切れていなかったり、解釈が多様に考えられたりするものもあります。これも上記の目的を優先したものとご理解ください。

それでは皆さんもぜひ教科書を片手に挑戦してください。

1.
10~11世紀に武士団がどのようにして形成されたのかを、国司や皇族・有力貴族との関係を含めて説明しなさい。

2.
平氏が公家社会の中で政権を奪取することができたのは、院政という当時の政治形態に要因があると考えられる。その要因について、摂関政治と比較しながら考えなさい。

3.
貞永式目では、年貢を抑留する地頭は解任するとされているが、幕府が地頭に忠実に職務を行わせようとしたのはなぜか。幕府の全国支配のあり方から考えなさい。

4.
執権政治と得宗専制政治の違いを説明しなさい。

5.
応仁の乱後に多くの戦国大名が没落したのはなぜか。その理由を、守護大名の領国支配のあり方という面から説明しなさい。

6.
日明貿易(勘合貿易)が朝貢形式で行われたことの、日本(室町幕府)・明の双方にとっての利点について説明しなさい。

7.
室町幕府や戦国大名が撰銭令をたびたび発した理由と、効果がなかった理由を考えなさい。

8.
室町時代の土一揆が、畿内を中心に起こり、広範なものになった社会的・経済的背景について考えなさい。

9.
室町幕府の財政基盤について説明しなさい。

10.
戦国大名は領国内の武士をどのようにして統制したか、説明しなさい。

〈解答例〉
1.
各地で開発領主が勢力拡大のため一族を率いて形成した小武士団を、土着した国司が組織していき、内乱鎮圧のため都から派遣された貴種を武士の棟梁として仰ぐという形で、尊卑の観念に基づく全国的武士団が形成された。

2.
太政官制に依拠して先例を重視した摂関政治に対し、院政では上皇が律令に囚われない立場から先例を打破していったため、実力社会へと移行する中で武士も上皇に登用された。

3.
幕府の全国支配体制は既存の荘園公領制の基盤としていたので、公家勢力とも協力しながらその維持を図る必要があり、そのために地頭に現地の支配にあたり本所に年貢を納入する職務の励行を求めた。

4.
執権政治では、承久の乱を契機に全国政権に脱皮すべく、執権を中心に有力御家人による合議制がとられた、一方、得宗専制では、元寇の影響で得宗の権限が拡大する中、家臣である御内人との寄合で政務が行われた。

5.
守護大名は幕府から与えられた職権に依拠して領国を支配していたため、応仁の乱で幕府の権威が失墜すると、在京して幕政に参与していた守護大名は、家臣の守護代や国人一揆に現地での実権を奪われた。

6.
御料所が全国に散在するなど財政基盤の弱い室町幕府にとって、朝貢形式であれば滞在費や運搬費は明の負担であり、貿易は収入源となりえた。一方、明は日本を伝統的な冊封体制に組み込もうとした。

7.
輸入中国銭が使用された中世には、悪銭が出回り撰銭が行われて円滑な流通が阻害されたが、一元的な権力を握りえず、それゆえ貨幣を発行できなかった室町幕府や戦国大名が撰銭令を発しても効力がなかったから。

8.
経済の先進地帯であった畿内では、惣村が発達し広域的な連合も形成されていた。また、流通の中心である京都に接する畿内の農村には金融資本が浸透しており、天皇や将軍の代替わりなどを機に実力での債務破棄が展開された。

9.
将軍家の直轄領である御料所は全国に散財していたため、高利貸に対する酒屋役・土倉役、交通の要所からの関銭・津料、金融業を行う京都五山からの課税など、発達する流通に税源を求めた。また、勘合貿易に利益も大きかった。

10.
戦国大名は貫高を基準に国人・地侍らに収入額を保障し、その見返りに軍役を負担させることで、主従関係を確立した。また、下級武士を上級武士に預ける形で家臣団を統制・組織し、城下町に集住させた。


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『東大のディープな日本史』著者

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