ハルキ・ムラカミとスターバックスの子どもたち 3/3
バス停、静かな通りは歩を進めてゆく人が疎らにいるものの、足を止めているのは三人だけ。僕とマキ、それにメイコ。昨晩の、夢か現か定かではない出来事に関しては、二人とも、暗黙知であるかのように俎上に載せない。だから僕は一人、頭の中で巡らせている。他愛のない夢でなければ、まるで密室殺人のようじゃないか。つまり、何かしらのトリック、あるいは誤認が存在しているのだ。思いつくトリックと言えば、メイコがマキから鍵を奪ったとか、他に協力者がいるとか。誤認ならば、つまるところ、僕がメイコの夢を