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〈詩〉雨
雨が一本道を濡らし
地面に淀んだ光がゆがみ
暗闇からどくだみの花が現れ
帰り道は延々と続き
雨に濡れた一本道を思い
地面に淀んだ光のゆがみを思い
暗闇から現れるどくだみの花を思い
真昼の明るい川べりを歩くとは
何事の兆しか
高校生の自転車は私を追い越し
水遊びに興じる親子の周りで
川面は一斉にきらめきはじめ
花々が豊かに咲き誇れば
私はもう果てないことを憂えもしないが
それは延々と続く道の途方も無さに
すでに諦めの心持ちが萠し
昨夜の雨の中に現れ出たのは
あれは本当にどくだみの花だったのかと
あれはオレンジ色の芥子の花だったのではないかと
いや、ただ草叢があっただけのくせにと
歩みの中に募る不審の蓄積が
眩しさに溶け込んでしまったということ
暗く光る雨の夜道を辿る私の
靴の中の湿りが厭わしく思われ
真昼の日射しの中を
帰り道は延々と遠ざかる
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