心配で胸が爆発する
わたしには夫がいる。
夫は、定期的に体調が悪くなる。
風邪とかではなくて、小さい頃からの病気のような感じ。詳しく書きたくないので、よくわからない表現になりました。
大人になるにつれ、その症状が出る頻度はかなり少なくなっているらしい。お付き合いする前からその話はほんわか聞いていたけれど、その症状が出ている夫の姿を見たことは無かった。
初めて、症状が出た夫を見たとき、とても心臓がドキドキしたのを覚えている。
症状が出た夫は、基本暗い部屋で寝ると良くなるらしく、薬を飲んですぐさまふとんへ直行する。
小さい頃からだから、慣れを感じるくらいスムーズな動き。
反対にわたしは、ちっとも慣れていない。どうしたらいいのかわからない。どうしてほしいのかわからない。ただただ恐怖。横になっている夫への心配で胸が、本当に、爆発しそうだった。
安静にということだから、とにかく静かにしようと、夫から離れ、生活音をゼロに近づけた。無音の中で、ひとりドキドキしているわたし。
数時間寝ると夫はケロッと起き上がって、何事もなかったかのように過ごしていた。
昔と比べると、夫はよく話をしてくれるようになったのだけれど、昔は本当に、なんかもっと説明して!と言いたくなるような夫だった。いろんなことを、自分から話さなかった。
症状が出たときも、そのあとも、全然説明してくれなかった。その症状が未知すぎて、感じ取るのが無理だと思い知ったわたしは、症状のこと、そうなったときどうしたらいいか、教えて!と聞いた。聞くと別に話したくなかったわけでもなさそうに話してくれた。
さっき、また夫に症状が出た。もう慣れっこである。
冷やし枕を用意して、ベッドに行った夫をふとんでもこもこにして、目にタオルをかけて、電気を暗くして、そして、生活音をゼロに近くする。これは初めてのときから一緒。
その後は、夫が起きるまでひたすら何もしない。
もう心臓も飛び出しそうにはならなくなった。慣れたのだと思う。
そして、わたしよりも、夫のほうが、怖いと感じていることに気づいた。自分の体に何が起こっているのか、どうして普通に生活しているだけなのにこんな症状が起きてしまうのか、何度も何度も経験していても、症状は軽くはなく、きっと辛いものだ。
わたしには治すことはできないのだ。他人の身体だから、わかったつもりでも本当にわかることはできない。だから寄り添うだけ。
もし症状がさらに悪化したときのために、わたしはしっかり落ち着いて、冷静に寄り添うのだ。
なんだかんだ支えてる妻ですわたし!!みたいなことを書いてしまったけれどそんなつもりはないし、わたしだって支えてもらうことも、放っておいてもらうことも、ある。
人と人って、お互い様だと思う。本当に。