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プロフェッショナルとエキスパートの間に流れる河の存在について

僕らはリサーチの過程で、よく「エキスパート・インタビュー」という手法を実施しています。

どういうことかと言うと、要は、何かしらの分野をリサーチするにあたって、その領域における大きな地図を手に入れるために、詳しい人に話を聞いて大まかに辺りをつけようという方法で、某クリエイティブ界隈の注目を集める雑誌の編集長だとか、某有名起業家だとか、某伝統産業の職人だとか、俗に言うインフルエンサー的な人にもインタビューをしたりする。

が、しかし、上手くいえないのだが、その業界において有名であるだけではなかなかインタビューしようとは思わず、結果としてインタビューする人は上手く言葉に出来ない、何か共通している要素がある。単に業界のことを知り尽くしているのとは違う、何か、決定的に話を聞きに行きたくなる要素がある。

長い間、ずっと言語化出来なかったのだが、最近同僚と有識者を招いたトークイベントを企画していたときに、ふとその言語化ができたので、自分の整理のためにnoteにまとめてみようと思いました。

※先に1つだけお断りしておくと、ぼくは決して話を聞きに行きたくなるエキスパート以外の人達を批判や貶めたいわけではないので、その点だけご了承ください。


話を聞きに行きたい=変化に対して能動的であるかどうか

これだと思う。どういうことかと言うと、エキスパートインタビューの対象者となる人には、下のような人たちがいると思う。

プロフェッショナル
その領域に熟知しており、豊富な現場経験に基づく知見を有している。

(話を聞きに行きたい)エキスパート
その領域に熟知しており、豊富な現場経験に基づく知見を有している。かつ、業界の変化に対して肯定的である/変化させていく意思がある。

個人的には上の2つを明確に分けている。もちろんどちらが上とかではない。ただ、ことインタビューしに行きたい対象としては下のほうが該当することが多い。成熟した業界ならば、ある程度プロフェッショナルは多い。

しかし、業界が成熟するに従い、その業界に誇りを持ち、それを維持しようという気持ちが強くなってくるし、そういう人も増えてくる。すごくわかる。でも、こと新しい需要を見つけないと行けないリサーチに身を置くとき、そういう"守る"専門家じゃなくて、壊す専門家に話を聞かなくちゃいけない。


エキスパートインタビューは専門家の視野を借りる行為

いま、業界では何が起きているのか、そこにどんな変化が起き始めているのか、その変化は何が原因なのか、事前に集めた情報とその仮説をもとに問い、紐解いていく。

それはとても楽しい作業で、エキスパートたちの脳内をのぞくような、彼らと同じ景色を見るような作業になる。インタビューをすれば、一時的に彼らと同じ景色を僕らも見ることができる。何が重要なトピックで、何が重要でないかが、手に取るようにわかってくる。ただし、そこには丁寧な事前準備と当日の臨機応変さが求められるのだけれど。この、エキスパートインタビューの専門家の視野を借りにいくのは本当に楽しい体験だと思う。


破壊者がいつも正しいわけじゃないが、彼らの意見には耳を貸す価値がある

こういう書き方をすると、さも業界の破壊者こそが正しいという聞こえをするかもしれないが、そんなことはない。逆に守ることで少しずつ業界を変えようとしている人もいる。ただ、破壊する人には破壊をする意味や動機があって、そこに耳を貸す価値がある。そこに新しいニーズが埋まっているかもしれないのだし。

けっきょく、何が言いたいのかよくわからなくなってしまったけれど、とにかく言いたかったことは、百聞は一見に如かずということ、そして、壊そうとしている人のところに、未来のニーズが潜んでいるかもしれない、ということです。

散文ですね、ではまた次回!


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