見出し画像

リキッドライティングのすゝめ-ジェネ系VJを断念した君たちへ 中編

お世話になっております。
Mitsuakiです。
都内でVJ、映像演出作家などをしています。

前回のおさらいとして、もしよければ下記をご覧ください。

それでは続きに移ります。

図解:これがリキッドライティングです

その前に、こちらをご覧ください。

自宅でリキッドライティングの検証をしている映像です。
これからの構造の説明に入る前にこういうものを投影しているよ、というイメージとしてご覧ください。

リキッドライティングの送出システム図

外部ソースの占有面積がジャンボすぎるやろ

リキッドライティングの構成システム自体はごくごくシンプルです。

  1. OHPを模した外部ソース部分

  2. hue rotate等のエフェクト制御用のMIDIコン(APC40MK2)

  3. 出力用のPC

この3つだけです。

機材①:キャプチャーボード


外部ソースの取り込み自体は基本どんなキャプチャボードでも問題はありません。
僕の場合1年近くamazonに転がっていた2000円の中華キャプチャボードを使っていました。

これはまじでなんでもいいと思います。
偶然、桜逢祭の前日に秋葉原の駿河屋で5980円の中古Aver mediaのキャプチャボードLGP2Pを手に入れたことにより以後はそちらを運用しています。
儲けもんですわぁ!!

機材②:カメラ

取り込み機材は当初書画カメラを考えていました。

こういうやつ ポケモンカードにハマった今改めて欲しく思います

ただ、書画カメラの用途として書類のスキャニングやWEB会議での情報共有にあるので、露出シャッタースピード色温度調整ができないのでは?と考え、2年前に偶然手に入れたPanasonicのGH5Sを使用しています。
このカメラが現状一番いいと自負しています。

https://panasonic.jp/dc/products/g_series/gh5s.html


暗い空間でも色を丁寧に取り込んでくれます

代替案としてはSONYαシリーズの7S系統でしょうか。
夜目の効くカメラであればいいと思います。
最悪スマホでもいいとは思う。

機材③:光源

当初OHP部分をPC内に取り込む際に一番苦労したのは、光源の確保です。
イラスト用のトレース台を使えばいいんじゃね〜?と想定していましたが、amazonを巡回したりハンズへ出向いたりして色々探した結果、めぼしいものは一切見つかりませんでした。
傾斜がついていたり、小さいLED球が均等に散りばめられているものだったり、蛍光灯でフリッカーが乗ってしまいそもそも使い物にならなかったり…
総額で20000円強突っ込んだあたりでようやく辿り着いた答えが、撮影用のボトムライトでした。


amazonより 鮮明に撮影するらしいです

満遍なく光源を当てるという必要条件を満たしているだけでなく、リキッドを満たすためのプレートや容器を満覆えるサイズ感もGOODです。
カメラやキャプチャボードは妥協できても、ここは一切できないと思います。
とはいえ5000円ちょっとなので、ケチケチせずに買っちまうのが吉です。
物も頑丈で1年近く使ってますが不調なく使用できています。

機材④:リキッド

改めて後述しますが、リキッドライティングというからには投影するための液体が欠かせません。
ブリ大根にブリ入れずに大根だけ煮ても大根煮やね

僕が主に使用する液体は大まかに4つに分けて、
水、油、エタノール、染料になります。
それぞれ解説します。



これはなんでもいいです。
硬水、軟水で違いは今のところわかりません。
突き詰めると混合する液体によって違いが生じるのでしょうが、今のところ違いを掴むことはできていません。
最近はパフォーマンスの一環でお客さんの持っているグラスを拝借して茶ハイやレモンサワーを注ぐ、なんてこともしたりします。
後の手入れがまあまあだるいです。

エタノール
これも薬局で売ってるやつで大丈夫ですが、
選択肢があるのなら無水エタノールを使用したほうがいいです。
純度の高いエタノールであればあるほど、入荷が起きやすく色の分離がはっきり見れて面白いです。
あと、清掃用に何本も持っておく必要があります。
一度使った皿をリセットするのに1/5ぐらいの量を使用します。
後スプレーボトルに入れとくとだいぶ楽になります。

オイル
使用するオイルは粘度が水よりも硬く、絵的な違いが出せることからミネラルオイルを使用しています。
パラフィンオイルと調べるといっぱい出てきます。
ランタン用、食品添加用、虫除け用…

当初はメンズエステのようなエロ店で用いられるマッサージオイルを使用していましたが、グリセリンを使用しているものがほとんどで水との親和性が比較的高いため染料と馴染みやすく、すぐに色が混じってしまうため自然と選択肢からは外れました。

どれが適しているかを考えた際に、毒にならないかつ無臭のものを選ぶという選択肢をとった結果、今ではこちらを使っています。

ハーバリウム用のオイルです。
流動パラフィンが100%もちいられているものを使用するといいです。
渋谷のハンズなどでも取り扱っています。

染料
これも試行錯誤を繰り返しました。
純粋に絵の具、水彩の顔料を使ってみましたがオイルとも水とも相性がいいのですぐ混じり切ってしまいます。
とはいえそんな液体はなかなか見つからず、国内で手に入るものの妥協点としてたどり着いたのはこちらでした。

レジン用のエポキシ樹脂です。
水にもオイルにも適度に馴染む液体として使っていました。
色の組み合わせによって比重を変えれるのも面白かったです。



さて、上記で国内で、といった言い回しをしましたが、海を渡ってアメリカではこんなサイトがありました。

僕がリキッドライティングをする上で勝手に師匠と崇め奉っているサイトです。
こちらのサイトで取り扱っているキットはなんといってもSteve Pavlovsky氏がリキッドライティング用にチューニングした独自の品々を取り扱っていることに大きな魅力があります。
ニッチすぎるよ。
マジですげえんだこのサイト。
こちらのYoutubeチャンネルを脳が焼き切れるまで研究してリキッドの研究をしました。
後述するプレートもここで購入しました。

もちろんリキッドも購入しました。
品質は言わずもがな、水に一滴落とすだけで水面に薄い膜を張って、後続のインクとも混じらない、とてつもないポテンシャルを発揮する魔法の液体でした。

ただ高い。
クソ高い、インク8本で15000円って。
やばいって、信じられん。
舐めんなよ。

まあ幸い香水みたいに1滴ずつしか使わないから頻繁に買うことはないんだけど、それでも消耗品なので国内での取り扱いができるようにしてほしいね。

機材⑤:器

要はリキッドを流し込む容器です。
必須な要素として、下のボトムライトの照度をそのまま生かすため透明なものを扱う必要があります。
透明な器、簡単に見つかりそうで見つかりませんでした。
一般的に市販されている容器は日常生活で使用するために水平に加工がしてあります。

こういうのはダメ

だから、底面がツルツルの、欲を言えばガラス製の器をずっと探していました。
最終的に行き着いた答えは無印良品でした。

天下の無印良品

そこが潰れているので安定性があり、尚且つ透明、必要な要素は全て揃っていました。

ただ、安定していると絵に動的な要素が足りなくなるため、最終的にリキッドライトラボ様で下記のプレートを購入しました。

高えってマジで
でも値段相応のクオリティ。
注文して別注で作ってくれてるっぽい?

かなり品質の良いプレートで演出がより華やかになります。

それぞれ色を乗せた2枚のプレートを重ねて…といったトリッキーな演出もできたりしますね。




必要な機材はざっとこんなところ。
次回で最終回にします。
引き続きよろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?