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芸術分野の学びがもたらすもの


こんにちは
maimaiです🐌

今日は「芸術分野の学びがもたらすもの」についてお話していきたいと思います。

〇「芸術」とは
みなさん、「芸術」って普段何気なく使ったり耳にしたりしている言葉だと思いますが、具体的に何を指すものかご存じでしょうか。

「芸術」
特定の材料・様式などによって美を追求・表現しようとする人間の活動。および、その所産。絵画・彫刻・建築などの空間芸術、音楽・文学などの時間芸術、演劇・映画・舞踊・オペラなどの総合芸術など。( goo国語辞書より)


上記は引用ですが、「芸術」というのは、美を追求し、表現しようとする人間活動全般を広く指します。

〇文学部は不要?
ここで少し話が変わりますが、私は大学時代、文学・芸術について学んでいました。もともと文学や芸術に興味があり、大学時代の学びはとても楽しく、充実したものでした。そんな大学時代に、お世話になったゼミの先生が「文学部の存在が疑問視されつつある。」とおっしゃっていました。
具体的な理由としては、「生産性がない。」
過去の作品(文学作品、芸術作品を含めて)について、今取り上げたとしても社会にはメリットがないのではないか。といった主張だったのだと思います。

ゼミの先生は、この「生産性がないから不要」という主張をしている人がいることを嘆いていましたが、私も同じ気持ちです。

今の社会は、利便性や合理性を追求する風潮があると思っています。ファストフード等もそうでしょう。はやさ、利便性を求めた結果の一つです。もちろん、効率を重視することで得られる恩恵は無視できません。今の私たちに必要な考え方です。


しかし、この考え方に固執し、無駄を省いていくことが必ずしも正しいとは言えないでしょう。

例えば「通勤時間の短縮」に焦点を当ててみます。
2~3年前から新型コロナウイルス蔓延防止のため、在宅ワークを推奨する会社が増加傾向にありました。その結果、通勤時間は省かれ、その分の時間を仕事にあてられるようになりました。社会的に見れば、出勤せずとも自宅で同じクオリティの業務をこなせるのであればそちらのほうが合理的です。

一方で、在宅ワークをこなす中で「うつ病」を発症する人が多くなりました。これは他者とのコミュニケーションがないことで孤独感を募らせたり、自宅と会社によって分けられていた隔たりが無くなり、プライベートの境界があいまいになることで気持ちの切り替えができなかったりと様々な理由が挙げられます。
結果、「通勤時間」という無駄を省くことで、かえって業務に支障が起きるだけでなく、その人の精神状態にまで影響を及ぼしています。

「生産性」や「効率性」にとらわれた考え方は一概に正しいとは言えないのではないでしょうか。

〇芸術分野の学びがもたらすもの
さて、話を戻しますが、私が大学時代に学んでいた学問分野は「芸術」に含まれています。「生産性がない」のであれば、私の大学時代の大半は無駄だったのでしょうか。
そんなことはありません。

たしかに、「芸術」は作物を生産するわけではありません。お金になる商品を作り出すわけでもありません。また、コロナに有効なワクチンを作るわけでもないです。
しかし、人生観や価値観を変えるという大きな力を持っています。

美を追求した者は、それを表現した作品に試行錯誤や苦悩、その人の思考の一部を描きます。それに触れることで、私たちは多種多様な人たちの人生や思考、価値観に影響を受けます。

そこには目に見えた「生産性」はないかもしれません。しかし、内実には必ず「育っている」ものがあると思います。

○最後に
私が詠んだ本の中に
「人生は選択の連続で、その一回性が人生の本質だ。」
『水曜の朝、午前三時』(蓮見圭一、河出出版)
という言葉があります。後戻りできない、一回きりの人生は選択の連続で成り立っている。

だからこそ、その人生は大切にしたいという思いは多くの人が持っているものでしょう。
そんな時、多種多様な人の人生の一側面、思考の一側面を学ぶことができる学問分野に「芸術」はあたると考えます。人生という長いスパンで活かしていく学びです。

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