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レスピ体験版公開!

去る2024年6月11日、坂さんとの共同制作ランダムダンジョンRPG『R.I.P.-レスト・イン・ピース-』の体験版をフリーゲーム夢現様にて公開いたしました!

ブラウザで遊べるほか、Windows用・Mac用のダウンロード版もそれぞれご用意しております。

早くもプレイしてくださっているようで、本当に嬉しい限りです!
本作の公開までには紆余曲折あったのですが、その熱い思いについては原作者・坂さんがご自身のCi-en記事にて語っていらっしゃるのでこちらもご覧ください。

本記事では、本作の実装担当として技術的な部分について振り返ってみたいと思います。かなりマニアックな内容もありますが、楽しく読んでくだされば幸いです!

本作の見どころ

ランダムダンジョン

本作はダンジョンに入るごとに地形が変わる、いわゆるランダムダンジョンRPGです。

毎回地形が変わります。ミニマップもあるよ!

これはどのように実現しているかというと、私が公開しているランダムダンジョンプラグインを使っています。

基本的には、これだけです。いやあ、過去の私が頑張ってくれたおかげで本作最大の実装コストを要するシステムが一瞬でできて良かったです。実はこのプラグインは元を辿るとVXAce時代に試作していたものをMZプラグインとして完成させたものだったりするのですが、それは別のお話。

メニューUI

ステータス画面。そして私の推し、撫子ちゃんです!
スキル画面。移動中にスキルを使用したり、戦闘に使用するスキルをセットしたりできます

こちらはメニュー画面ですね。坂さんが素晴らしいレイアウトのデザインおよびUI部品を作ってくださいました。私はそのデザインをプログラムで再現しつつ、「動かしたら面白そう!」と思いアニメーションをつけたのでした。

おかげでにぎやかなメニューにできたと思います。そうそう、メニューといえば…

4人の勇姿

これはメニューのホームなのですが、うっかり右上に「戻る」ボタンをつけるのを忘れてしまっています。マップに戻るには、マウスの場合は右クリックすればいいのですが、タッチの場合「二本指タップ」という高度な操作が要求されてしまうのです。スマホのブラウザでプレイされている方は要注意! 戻るボタンは次のアプデで追加しようと思います…!

戦闘システム

ラビリアン。かわいいですね

本作はいわゆるカウントタイムバトルというシステムを採用しています。画面上部に表示されているアイコンは行動順を表していて、次に誰が行動するのかが一目でわかるようになっています。戦略的なバトルが楽しめますね。ちなみに私はこのデフォルメアイコンが大好きなのですが、おまんじゅう撫子ちゃんが特にかわいいです! 坂さんのデフォルメセンスが炸裂しています。
MZデフォルトのタイムプログレスバトルに似ていますが、誰かのコマンド入力中や行動中にはカウントがたまらないという点が異なります。この似て非なるシステムは、本作専用に作り起こした独自プラグインによって実装しています。

見どころはカウントタイムバトルだけではありません。画面の四隅に配置されている仲間たちの顔は、ダメージや状態異常を受けると対応する表情に変化します。

おねむなゆたん

バリエーションが非常に豊かなので、ぜひ色んな表情を見つけてみてくださいね。

スキル選択UI

戦闘UIももちろん坂さんがデザインし、私が独自プラグインを開発して実装したものです。このスキル選択時のカットイン演出はかっこいいのでぜひ見ていただきたいですね。

怨恨は非常に強力なスキルです!

今気づいたのですが、撫子ちゃん・無花果ちゃん…つまり右側の2人はステータスが隠れて見えなくなってしまうという問題点がありますね。HPやSPを確認したい場合、一度キャンセルする必要があるみたいです。UIを覆い隠してまでポーズを見せつけたい女子ズ(シドーか!?)、かわいいですね。こちらはご愛嬌ということでご容赦ください!

アニメロゴ・タイトル

ゲーム起動直後は我ら「ツクールサーカス団」(サカさんだし、ゾウもいるし、ということでサーカス)のロゴが表示されます。なんと、アニメーションが付いていて動きます! 
タイトル画面もこれまた動くのです。月がゆっくり昇っていくところがお気に入りです。
こうしたアニメーションは私が動きを考えつつ、プログラムを書いて実装しています。コードを書いているときはプレビューできないので、座標の調整に難儀しました。数字を直してはテストして、の地道な繰り返しです…。
その甲斐あってなかなかいい感じのアニメーションにできて満足です。

ストーリー

言うまでもなく、ストーリーも大きな見どころです! 本作は坂さんの創作『マドロミメモリーズ(旧題:Re:quiem)』の一作であり、過去作のキャラクターも登場します。といってももちろんストーリーは独立した完全新作なので、これまでのシリーズをプレイしたことがない方でも楽しめますのでご安心を。
本作をプレイして過去作にも興味が出てきた!と言う方はぜひ、坂さんご自身が手がけたノベルゲームシリーズもプレイしてみてください!(リンクはノベコレ様。Re:quiemシリーズは5作)

ところで今回の体験版は、2024年1月20・21日に開催されたインディーゲームイベント「東京ゲームダンジョン4」に展示した際のバージョンを元にしています。こちらをベースに、若干のおまけ要素を追加したものなのです。

東京ゲームダンジョン4のレポはこちら

イベント出展版ということで、ゲーム開始直後にオープニングをスキップするかどうかを選択できるようになっています。次に遊ぶ人をあまり待たせないようにするための配慮ですね。今回はプレイ時間に制限がないのでスキップ機能は無くそうかとも思ったのですが、イベントで遊んでくださった方や2週目以降をプレイしてくださる方もいるかも、と思いそのまま残しておきました。

親切設計!

とはいえ初めて遊ぶ方はぜひオープニングも見てくださいね! ちょっぴりダークでハートフルな、坂さん渾身のシナリオはプレイする方の心を揺さぶること間違いなしです!

なゆたん、不憫カワイイ……

本作のストーリーパートはノベルゲームのように、メッセージのみで進行します。なのでノベルゲームのようにオート・スキップ・バックログボタンもついています。これはもちろん私の公開しているプラグインノベルゲームUIを使用しています。

いやあ、本格的に実装しようと思ったらかなり大変なシステムが一瞬で実装できてよかったです。過去の私に感謝ですね。(この流れ、前にもみたような……)

プラグインなど

ここまでお読みになってお気づきになったかもしれませんが、本作に使用しているプラグインのほとんどは私が自作したものです。

使用しているプラグインはこれだけです!

唯一「PANDA_RubyText」だけはお借りしたものです。このプラグインを使用するととっても簡単にルビをふることができるのでオススメです!

ルビがあれば難読漢字もへっちゃら!

このプラグインはMITライセンスなので、本作に合わせるために少々改造させていただきました。pandaさんに感謝です!

私はプラグインを作るのが好きなので、制作タイトルごとにそのゲーム独自のプラグインを作り起こすようにしています。作っているときは大変ですが、思い通りに動いた瞬間の喜びは代え難いものがありますね!

配布形態

今回、フリーゲーム夢現様では3種類の形でゲームを公開させていただいております。ブラウザ版、Windows版、そしてMac版です。後者二つは、Tauriというフレームワークを使ってビルドしています。これはRPGツクールMZが採用している「NW.js」と似たようなOSSですが、より新しい技術です。

「MZは元々WindowsにもMacにも出力できるのになんでわざわざ?」と思われるかもしれませんが、TauriにはNW.jsと比べてさまざまな利点があります。その一つは、パッケージのファイルサイズを非常に小さくできることです。これはNW.jsがブラウザエンジンをパッケージに同梱しているのに対し、TauriはOSに組み込まれているブラウザエンジンを利用するためなんですね。NW.jsは、いわばChromeをゲームごとに同梱しているようなものなので、ファイルサイズが大きくなってしまうのも無理のないことです。
ちなみにMZが採用しているNW.jsは、バージョン古いためかMacでは動作が非常に不安定で、起動に失敗することがとても多いです。Macユーザーである私がTauriを選んだ最大の理由は、NW.jsと違いMacでも動作が安定しているためなのです。

Tauriには他にも、「フォルダ類を全て実行ファイルに内包できる」という利点もあります。

Mac版の同梱ファイル。なんとたったこれだけ!

見た目もスッキリしていてわかりやすいですし、素材の不正利用を防ぐこともできていいことずくめです。

Tauriを本格的に使い始めたのは一年前くらいなのですが、最初はわからないことばかりで大変でした。導入はなかなか大変でしたが、Tauriにフィットさせるためのプラグインも自作したので今はとても安定して動作しています。そのうちTauriの導入手順の解説記事なども作ろうと思っているので、ご期待ください。

まとめ

というわけで『R.I.P.-レスト・イン・ピース-』について、システム担当としてつらつらと語ってみました。気合を入れて作りましたので、楽しんでいただければ嬉しいです。
今回はまだ体験版ということで、完成ではありません。正式なリリース版は当分先になるかと思いますが鋭意制作中ですので、どうかお待ちいただければ幸いです。

それでは完成版の記事でまたお会いしましょう!

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