マルクス哲学、MMT、れいわ新選組(XI)消費税制こそが「人間使い捨て国家」を作ったやんね!その6

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 その5
 その6(いまここ)

にゅん ここまで来たら、くやしいから法人にとっての消費税を徹底的に考えてみたいと思うんだ。細かい不正とかは抜きにすれば、基本はこれなんだけど。

消費税は消費者の支払い時点での貨幣の破壊

にゅん これが大問題だよということはまず抑えておこう。資本からの徴税を減らして生活者からだけ奪うなんてとんでもない話だから。

かみ うんうん。

にゅん で、企業にとってどうなっているかなとをちゃんと考える。たしかに輸出やインバウンド補助にはなっている。国内消費者にだけかかる税だから、あたりまえ。で、下請企業は厳しいし「還付金に利息として加算される還付加算金は不当だ、という話にしたいかな。

かみ どうやるの?

にゅん 輸出還付のことは忘れてさ、一つ一つの取引をしっかり確認してみようよ。前回の話でやってみよう。いま、にゅんは店に代金2000円を払った。そして消費税を200円払ったね。ここから。

おかみ ふむ。

にゅん これは、にゅんが税を払ったのだから「貨幣の破壊」とみるべきだよ。借方の「消費税」がそのことを示している。なくなっちゃった。

おかみ まあわかるけどさ。じゃあアタシが受け取ったこの200円は?

にゅん 表でやってみようか。

大将 にゅんさんのとところで貨幣を「消して」、うちの店に「創造された」とみるってこと?

にゅん 表でやってみようか。普通のビューだと、こう。

表1 小料理屋:見た目
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にゅん これを分解してこう考える。仕入れの時の消費税150円は徴税で破壊されていて、売り上げで受け取る200円は財政支出。けど、ゼロにするための調整があとで入るよと。

表2 小料理屋:MMT的本質
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おかみ 「納税」が「調整」ってなってる。

大将 実感はこんな感じだ。手元に確かにお金が入って、「一部は使っていいけれど、あとで納税分もあるよ」ということだけどお金に色はついていないからハッキリ区別がつかないんだよね。で、ついつい使ってしまう。

にゅん そもそもこの制度って、法人が会計的にはぜったい得しないように作っているわけだね。多すぎたらあとでまた取られる。「徴税」される。

おかみ まず「徴税」されて、「余分に財政支出されて」、「差額がまた徴税」ね。考え方は理解したわ。

にゅん 次はキャッシュフローで見よう。支払条件はどんなん?

大将 基本は仕入れの翌月払いだ。

にゅん じゃあ簡単のため、今日の分は先々月仕入れて先月払ったことにしよう。

表3 小料理屋:キャッシュフローで、よりちゃんと考える

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大将 そうだな。これならだれも文句ないだろう。

おかみ うーん、

大将 どうした?

おかみ でもこのキャッシュフローは損ね。だって、企業にとってはお金って時間で価値が下がるわよね。内部収益率で現在価値に割り引く必要があるわ。

大将 おかみ、おまえ何者だっけ?

おかみ 仮に来月納税するとすればこの表はひと月単位の時間系列と見做せるわ。そして、うちの内部収益率は仮に年1.6パーセントよ(注:これは政府が還付金に払う金利と同じ。なお来年度から引き下げられるという話)。
するとこうなるわ。

表4 小料理屋:消費税をキャッシュフローでもっとちゃんと考える

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おかみ 会計上のプラマイはゼロなるけれど、このキャッシュフローは損なのよ。現在価値がマイナス0.13なのだから!

にゅん なるほど。それがこのシステムを維持するためのコストって言うことなんだろうね。

おかみ 税の支払いが最初に確定するものだから、そのお金が事業で使うことができなくなっちゃって機会損失が生じるってことね。ひどいわ。。。
あ、そしてにゅんさんもよ!いつもいつも支払いを遅らせてるんだから

表5 小料理屋:ツケ払いのケース

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にゅん 入金が二月遅れると結構違うんだね。

おかみ 言っとくけど、いま計算したのは消費税分だけだから!ちゃんと計算したら、にゅんさんにはこの差額の10倍くらいの貸しがあることになるのよ。

にゅん ガーン... しばらく来ない方がいいのかな

おかみ にゅんさん!それは脅しなのよ!じゃあほかの店に行くっとでも言うの?
あたしたちはお客さんを失うのがいちばん怖いのよ。わかる?立場が違うの!それは大手メーカーが下請けにやっているのと同じ行為だわ!

にゅん ああ、ほんとだね。これは下請けの縮図だ。

大将 じゃあ逆に見てみるか。大手メーカーのキャッシュフローはどういうことになるんだろ。

おかみ こうなるね。仕入れ先への支払いを後ろに伸ばすから...

表6 大手メーカーが支払いを後回しにする

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大将 おかみ、これはどう読むんだ?現在価値がプラス0.1っていとは、大手メーカーは得をしているってことか?

おかみ そうよ。からくりは、支払いのタイミングを遅らせること。ここで計算しているのは消費税の部分だけだから、本体部分がこの10倍あるってことに注意ね!

にゅん そうか。消費税制度ってのは会計的には平等だけど、実質的に下請けの資金を拘束して機会損失ができるんだね。対して、大手メーカーは恩恵をこうむることができる...下請けいじめに武器が加わる感じだ。

大将 今度は間違いなさそうだな...

にゅん 支払い期間をめぐって下請けが損をしているならばその分大手が得をする。民間の所得移転が起こっているわけだね。

おかみ あたしも怖くなってきたけど、輸出の場合も考え見ようか。にゅんさん作ってみて。

にゅん ええと、こうか?

表7 輸出の消費税

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大将 だいぶ増えた。。。

おかみ 下請けいじめで支払のタイミングを後ろに伸ばすことができれば、先に還付を受けることができるから金利分が純粋に得なんだ。。。

にゅん ここにさらに、政府からの「還付加算金」がつくから結局こうなる?

表8 輸出の消費税 還付加算金0.4を加算

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一同 ...

おかみ 民間のお金の実態であるキャッシュフローからすれば、この還付加算金は支払う相手が違うわ。得をしている主体に「さらに補填」していることになる。。。あ、読者のみなさん、還付金じゃなくて加算金の話よ\(^o^)/

大将 政府の名目は、このシステムを回すためのコストということだ。

おかみ でもそれが本当のコスト負担者に行き届いておらず。。。

にゅん これさ。税をGとTに分解したのはMMT的なビューだけど、キャッシュフローは日常の事実だからねえ。。。?

おかみ でもまあ、今回は余談みたいなものね。大きくまとめるとこうかな?

・消費税は会計的には完全に消費者だけが負担している。

・けど、消費税の企業間キャッシュフローは大手が有利になっていそう。少なくとも還付加算金はおかしいよ。


おかみ ふう。消費税はあと一回で終わろう... なにしろ廃止すべき邪悪な税だからね。まあ、お楽しみにー

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