マルクス哲学、MMT、れいわ新選組(VII)消費税制こそが「人間使い捨て国家」を作ったやんね!その2

その1の続き)

大将 前回オレは消費税制度はそれ自体が輸出補助制度にほかならないって言ったけど、ちょっと正確じゃなかったな。まずはその理解にたどりついてほしいけれど、本質はこうだな。

・最終輸出者の付加価値が免税される
・下請け以下の付加価値税は国庫でなく最終輸出者の資本になる(金利付き)。
・さらに国内の付加価値税分すらめっちゃ控除できるから国内事業で圧倒的優位に立てる。

おかみ ちょっとついていけないんだけど。 

にゅん 大将は図を作っていたよね。 

大将 おう、準備してあるって。ええと、前回は、消費税の本質は企業の付加価値税だという話をしたけれど、海外からは消費税を取ることができないという建前があって、じゃあどういうことになっているかというのを図で見ようか。

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大将 上は前回と同じだ。下は輸出の場合。

おかみ 海外だと安いってのは気に入らないね...うらやましい。

大将 まあ、だからこそ消費税は輸出補助金じゃんっていうことになるのだけどね。この仕組みは理解できたかな?

おかみ うん。下請け企業はどっちでも同じね。で、大手メーカーは下請け企業に8万円を払ってしまったから税務署から補填してもらえる。税務署からみてもプラスマイナスゼロになるわね。

大将 じゃあ次は付加価値税としてみてみよう。国内バージョンは前回やったよな。考えてほしいから一部「?」にしてあるぞ。

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おかみ ふーむ。

大将 じゃあ問題だ。この「?」のところは本来はいくらになる「べき」か考えてみてごらん。

おかみ 付加価値税の税率を考えればいいのかな?えと、下請け企業を見ると税率は8/88だから税率は1/11になる。

大将 そうだね。

おかみ で、輸出の場合の付加価値は12万ってことだから...ってこのメーカーはダンピングしてるよ。悪い会社だねえ。

大将 それはさておき。税額は?

おかみ 付加価値の12万に1/11をかけて...10909円。まあ、1.1万円とするか。ダンピングとはいえ国民の義務は果たしてもらわないとね!

大将 じゃあ、答え合わせをしてみよう。

おかみ まあ正解は上にあったけどね。違うんだ...

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一同 ...

にゅん 納税すべきところが「還付」になっている。それどこか桁違い...いったいこの違いは何だろうね。

おかみ 本来課税されなきゃいけない自分の付加価値の12万円の分がそもそもない。

大将 そう、無税になったってだけでも十分えぐい。

おかみ その上でいったい何なのこの派手な8万円は。。。

にゅん 海外からは税を取っていないわけだから?

おかみ そうか...

大将 これな。下請け企業から大手メーカーへの上納金システムなんだ。しかも国営。

にゅん 詐欺...

おかみ そうだね。

大将 冒頭で言ったことだけど改めて纏めよう。消費税を付加価値税としてみるとこうなるな。どちらも重要だぞ。

・最終輸出者の付加価値が免税される
・下請け以下の付加価値税は国庫に入らずどんどん最終輸出者の資本になる(金利付き)。

おかみ ひどい。。。国がやっているのはこういうことだよね。

 下請けに対して『最終消費者から預かってるからお前のものではない』っていうタテマエで集金する。
でも、『ごめん実は預かっていませんでした』といって返す先は何と最終大手だけ。

おかみ これって詐欺と言うかなんというか、すごい国だねここは...

にゅん 経団連がどんどん上げろと言っているのはこれが理由かな。

大将 燃料投下で、ちょっと前のこんな記事どう?

「財政審会長に榊原氏、消費増税「絶対必要」 財政再建に意欲」

 財務省は7日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の総会を開き、新たな会長に経団連の榊原定征会長を選んだ。榊原氏は総会後の記者会見で、消費税率10%への引き上げは「絶対必要」とした上で、2020年度の基礎的財政収支(PB)黒字化目標を堅持する考えを表明した。

 榊原氏は同審議会の下で財政再建を議論する分科会の会長にも就任。新体制下での第1回会合は4月下旬の見通しで、社会保障改革を中心に、経済再生と財政健全化の両立に向けた議論を始める

 会見で榊原氏は、PB目標について「そう簡単なターゲットではないが、必ず実現していかねばならない」と強調。目標達成には、消費税率10%への引き上げが必要とし、増税の影響を乗り越えられるだけの「経済の地力を付けていくことが大切」と語った。

おかみ・にゅん ああ。。。

大将 これ前回も話題にした話だけどさ。この税の名前がその本質を示す「付加価値税」じゃなく「消費税」にしている理由がわかっただろ? どうして政府やマスコミや財界はあくまで「消費者の負担です」というプロパガンダを続けるの?

おかみ こういうことか。。。「消費税」って名前にしているのは日本だけだとか()。

にゅん ちょっと調べたのだけどさ。中国は輸出戻し税を国庫に入れているそうだよ。

おかみ 実に正しい処理ね。。。それならまだ納得できる。

大将 そうなんだよね。それなら格差拡大装置としては機能しない。「最終輸出者の付加価値が免税される」っていうのは残っちゃうけどね。

おかみ まあ、それくらいは許してもいいかな。下請けをいじめさえしなきゃね。それで手を打つか。

大将 ところがなあ。

にゅん ねえ。

おかみ まだあるか。

大将 それが冒頭に言ってた話なんだよ。ここまでわかれば上級者。

にゅん たぶんわかったと思う。大企業は輸出戻し税として受け取っても金利が1.6%くらいつくから丸儲けの上にボロイ。基本的にボロイ。でも、もっと有利に使えるね。大企業が国内向けに販売している分の受取消費税を控除したことにすれば...

大将 そこだよね。

おかみ よくわかんない。

大将 還付金ランキングみたいのあるでしょ。トヨタは一兆円以上あるとか。でもこれだけだと実体は見えないよ。財政審の榊原氏だって「うちの会社はほとんど還付ありませんよ?」と言うかもしれない。ところがだ。

おかみ わくわく。

大将 国内と海外の両方の事業やっているところはうまみがあるんだ。海外分の仕入れもいっぱいあるわけだろ。そこに「仮払い消費税」が「あるということになっている」。

にゅん 実態は、下請け以下が払った付加価値税の仮受け分か。

大将 一方、国内の客からは「仮受け消費税」が入ってくる。

にゅん 実態は、自分の未払い付加価値税。

大将 「仮受け消費税」は「仮払い消費税」で相殺できるから。実態としては、「自分の未払い付加価値税」を「下請け以下から預かった付加価値税」で相殺できちゃうわけ。

(おかみ、考えている)

おかみ んー。たぶんわかったかな。でも図にしてみたいな。

大将 じゃあ、おかみやってごらんよ。こんどそれやろう。

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