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朧月夜と寒月

ある真冬の寒い夜、手をこすりながら
帰り路を急いで歩いていると
後ろから大きなまん丸のお月様が私の後を追ってきました。

まぁるく煌々と照らすお月様、
それはまるで寒い夜道を照らし道案内してくれているよう。
小さな頃からどこへ行ってもついてきてくれるお月様は、まるで道標のようなそんな親しみを持っていました。そして、少し雲間に隠れてぼやけたその月を私は朧月夜だと思っていたのです。

家に帰ってから朧月夜を調べてみると、霧やもやで霞んで見える柔らかな月のことを朧月(おぼろづき)というらしいと知りました。

ただし、季語は春のもの。

冬に見える月はその名の通り、寒い月で寒月というらしいことを知ったのです。
そのとき、私は今まで朧月夜と信じていたものが違っていたことを知り衝撃を受けました。

ところで朧月といえば…源氏物語の主人公・光源氏が花宴(はなのえん)で、朧月夜のことを謳った美女を好きになるシーンはあまりにも有名です。

満月は人を狂わせるとも言いますが、
同じように朧月夜も人を惑わせるような月の魔力をこのシーンでは感じました。

妖艶な美女が月の力を借りて、光源氏を誘惑するようなそんなさまです。
昔の平安京は今よりも、もっと夜は暗くそして深かったと思います。

そのぶん月は煌々と夜空を明るく照らし、眩しいほどの光を地上に送っていたのではないでしょうか。

そんなことを思い、京都の街を歩くのも悪くはないと思います。
明日は満月。

皆さんの地域ではどんなお月様が見えるのでしょうか。

#小説 #エッセイ #note #朧月夜 #満月 #京都の夜




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ニュイ@宇宙人の嫁
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