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月の夜の共犯者

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物語をひとつにまとめています。 のちに有料化するかも…しれません
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記事一覧

月の夜の共犯者 18.

夜も更けて すこし開けた窓の外からは、風の吹く音が静かに聴こえてきていた。 京都の夜は暑…

月の夜の共犯者 17.

パチンコ店で中原に接近した。 なんとか台の釘読みに成功した俺は、 ヤツよりも先に店のなかに…

月の夜の共犯者 16.

捜査を始めて5日目になった。 そろそろ一旦東京に戻らなくてはいけない。 起きがけのセブンス…

月の夜の共犯者 15.

世の中をうまく渡っていく為にはそれしか方法はなかった。 「馨は花の香りがするね。その香り…

月の夜の共犯者 14.

シトシトと雨が降っている。 6畳1間の窓を開け、アパートの欄干から外を眺める。暫くすると小…

月の夜の共犯者 13.

朝になった。 僕と馨は部屋でサービスのモーニングを注文し、それを2人で分けた。 「ソウ……

月の夜の共犯者 12.

その日は、京都駅前にあるビジネスホテルに泊まった。 ふぅ…と部屋越しに窓の外に映る京都タワーを見ながら煙草をふかした。 報道デスクの課長をして丸5年か…。 普段は部下に張り込みをさせているが、今回はわけが違う。尻尾を掴めば今期最大のスクープになる。 俺が張り込みを始めて4日目。 最初の2日は東京で張り込みを行った。 今回の事件、土地の誘致も含めて外部からのタレコミがなければ決してそとには出ない部類のものだったに違いない。 よくある政治家や、特定の事業者の利権が絡んだ

月の夜の共犯者 11,

今日はそろそろ中原さんが来る頃だな。 じぶんでも馬鹿みたいに心臓が高鳴っているのが分かる…

月の夜の共犯者 10.

くそっこんなつもりじゃなかった。 家に帰るとボストンバック片手に出掛けようとする馨と遭遇…

月の夜の共犯者 9.

京都祇園夜の街… 繁華街を通り抜け、花見小路を抜けたところに その高級クラブはあった。 …

月の夜の共犯者 8.

ねぇ、わたしは何のために生きているの? 夜になるといつも思う。 こころの奥底に仕舞い込ん…

月の夜の共犯者 7.

新東名高速道路を西へ、そのまま伊勢湾岸道路を左に入り名神高速を目指した。 一度だけトイレ…

月の夜の共犯者 6.

車を走らせながら、僕は馨とのあの日を思い出していた。 その日、馨は夜遅くまでフロアに残っ…

月の夜の共犯者5.

「今日は会食で遅くなるから、飯はいらない」煙草を吸いながら馨にメールを送った。 ついてねぇなぁ…いつもなら真っ直ぐ家に帰るのに…。 仕方ないか…、今回の客はこれからの事を考えると絶対会食に行った方がいい相手だ。 会社で仕事をしていると、営業部長から呼び出しが掛かった。 部長室に案内されると、だらしなく太りきった神崎部長が席についていた。 「坂城くん、今日は○○コーポレーションの人達とご飯に行くんだが君も来ないかね」 「はい、喜んでご同行させていただきます。 ○○コーポレ