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何も待たない

恋愛について、書いてみる。
それはそれは、1年前はもう、お金もらって本でも書くんですかあなた、ってほどに考えまくっていた恋愛について。

1年くらい前に失恋した。同棲していた彼氏が、後輩の女の子と浮気してた。以下省略。
不思議と、あの胸の痛みとか朝起きたときの絶望感とか、波はありつつも冗談抜きで2ヶ月くらいは毎日続いていたのに、ちょっとも感覚思い出せないけど、本当に辛かった。辛かったことだけは覚えている。
この間、そのころを知ってる友達と電話をしていたら、「毎日死にたがってたね」と言われて、なんて頭のおかしいやつだと思うけど、東京から逃げ帰ってきた私に毎日ご飯を作ってくれていた母親にも「死にたい」といって困らせていた。生きている意味なんてないと思った。何も楽しくなかったし、何がしたいのかも何が着たいのかも、何が食べたいのかもわからなかった。我ながらよく生きた。

失恋でこんなふうになるなんてあたおかやん?と思っていた私、働き過ぎで線路に飛び込んで死んじゃう人のニュースをみて、いやいやなんで仕事辞めへんの?と思っていた私。もう誰の辛さも自分の物差しで測らなくなった。いや、測れなくなった。だってこの辛さわかるの、私(本人)だけやもん。誰になんと思われようと、逃げたいなら逃げたらいい。

ということで、人並みの(当時は こんなドラマチックな失恋ある!? って悲劇のヒロイン面するのに必死やったけど)失恋をして、成長した私が思う恋愛について。

ちょっと前までは、私にとっては考えずにするのが恋愛だった。
自分の感覚を信じられたし、直感に身を委ねて、勢いに任せてなんとなくできたのに。それなりに人を好きになって、そこそこ長くお付き合いしたことも遠距離恋愛なんかもしたことあったから、恋愛や男について知らないことなんてそんなにないと思ってた。むしろ同世代に比べたら知ってる方だと思ってた。でもそれはいま思うと相手がよかっただけで、私が恋愛上手だった訳ではなかった。

失恋(恋愛への依存、対象への執着ともいう)を乗り越える過程で、「考えてする恋愛」をした。
この人の性格、将来性、問題が起きたときに話し合いができるか(自分の気持ちを言葉で表現できるか)、家族や友達との関係性、身内以外との関わり方、などなど。
ことあるごとに相手をジャッジする自分に気づいて、なぜか自分の息がしづらくなった。
ここはいいけど、ここは気に入らない、でも話せば伝わるし、彼の性格なら、よくしていくこともできるかもしれない、っていつの間にか先生みたいになっている自分。何様?いや待てそもそも私この人のこと好きか?

疲れた。何も楽しくない。恋愛とかめんどくさい。結婚も別にしたくない。子供も今すぐ欲しいわけじゃないし。いまは自分のことだけ考えたい。

年明け、その彼とはお別れして、すっきり。本当に失礼だけど。
一人ってこんなに楽しいのか!ってやっと一人で過ごす時間を心から楽しめるように、一人でいる自分を許せるように、むしろ誇りに思えるようになった。(1年前に比べたら急成長)

サウナ行って本読んで、映画みて仕事して、たまに友達とご飯行って、コロナ禍なりに楽しい毎日を過ごしてたら、高校のときの塾の後輩から連絡があって1年ぶりに会うことになった。

1年前にあったときにはお互いなんとも思わなかったのに(私は失恋直後だったし、それを知ってて明るく励まそうとする彼を鬱陶しくさえ感じた。クソみたいな自己中女だ。)、久方ぶりにあったその日はなんかもうめちゃくちゃ楽しくて、昔から知ってるのもあるけど居心地がよくてがんばらなくてよくて、男女のそれは何もなくていいからもっと話したい、一緒にいたいと思っている自分がいた。

いい恋愛ができるのは、自分のことを一番に考えているとき(=自分を幸せにすることを一番に考えているとき)というのはどの恋愛コラムにも書いてあるけど、これはいまのところそのとおりだと思う。

東京にきて仕事をするまでは、周りは優しい人が多くて、周りの人のことを優先していても、自分が傷つくことなんてなかった。東京に来て、仕事をし始めたら話は違う。世の中そんなに甘くない。みんな自分のことを考えて生きている。
私もこれからは自分のことだけ考えて生きよう。自分と、自分が大事にしたい人だけ大事にしよう。自分を守る術がそれだ。そう思った。

何が言いたいかというと、いまは出会いや機会がなくても、楽しく毎日生きてたら、ピタっとあう人に出会うタイミングがくると思う。寝て起きたら彼氏ができてるなんてことないんやし、だったらお酒飲んで推しの色気に酔う夜を重ねたほうがいまの自分にとって幸せ。

このままでいいのかな…はどういう状況であっても思ってそうやけど、人生は長い。「こうしたい」がくるそのときまではのんびりしててもいいとわたしは思う。

自分以外の何も待たない。

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