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あなたに伝えたい、”2度目”のおめでとう。

高校3年生の時、英語スピーチコンテストに出て「異文化」の話をした。
異文化と聞くと他国の話だと捉えられがちだが、私が取り上げたのは日本人で、同い年で、同じ部活でクラスだった、仲良しの女の子だ。

彼女と私、その最たる違いは宗教だった。

私は特に宗教を信じていない。
恥ずかしながらお寺と神社の違いを深く認識せず、なんとなくお参りに行っている。
まあ、多分仏教なんだろうな。ぐらい。

彼女が信仰していたのは、キリスト教。とりわけ傍から見ると制約が多い宗教だった。
誕生日、クリスマス、バレンタインデー、七夕に節分。
私たちが一般的にお祝いする何気ないイベントに彼女が参加したことはない。
理由は簡単。宗教で禁止されているから。
イベントが盛んな学校だったにも拘らず、和を乱さぬようにしつつも自ら行動を起こすことはしなかった彼女の姿を幾度となく見てきた。

だから、彼女におめでとうと言ったのは「卒業おめでとう」の1回しかない。

高校卒業後はお互い別々の道に進んだから、なかなか会う機会もなかった。
たまに彼女が投稿する近況報告を見ては元気にしていることを確認していたぐらい。
そんな今日このごろ。いつものようにFacebookを開いたら、トップに結婚報告の投稿が出ていた。

彼女だった。

恋バナなんてもってのほかだった彼女との高校時代。
異国の地で暮らす彼女は、誰かと添い遂げる決断をし、めでたく結ばれたのだ。

結婚おめでとう。
自然と漏れた言葉が、彼女に言える2度目の「おめでとう」であることに気が付いた。
嬉しかった。彼女が幸せになったことが。素直におめでとうと彼女に伝えられることが。
この先いつ彼女と会えるのかなんて全くわからないけれど、会えたらいの一番におめでとうと言おう。そう決めた。
LINEすればいいんだろうけど、せっかくなら直接伝えたい。


せめて今は、数万キロ離れた地にいる彼女におめでとうの気持ちが届きますように。

※宗教に詳しくないので、失礼な発言があったらごめんなさい。

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