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EP07 強みに注目、弱みはどうする?

このnoteは2020年6月11日に収録した音声を文字起こししたものです。

こんにちは。ニューヨークから松村亜里です! 幸せを科学的に研究するポジティブ心理学やウェルビーイングをわかりやすく伝える活動をしています。

今日は強みについてお話しします。特に「弱みをどうするか」についてです。

幸せな人はみんな強みを使っている

強みというのはポジティブ心理学の中核です。なぜかというと、今までの心理学が病気の人や弱っている人たちを対象に原因を考えていたのに対して、ポジティブ心理学では幸せな人たちを調べてうまくいっている要因を考えているからです。ないものではなくて、あるものに目を向けているということです。ですので「弱み」はないもの、「強み」はあるものと考えることもできます。

幸せな人や成功している人たちを調べてわかった共通点で「幸せな人たちは、自分の強みを知っていて、それを使っている」ということです。ポジティブ心理学では「成功したからといって幸せではないが、幸せな人は成功する」と言われていますが、強みに関しては強みを知って使っている人は幸せにもなるし、成功もすると言われています。

強みの中には、才能やスキルなどの何ができるかという強みと、性格や人格などのその人そのものの存在の強みがあります。前者がドゥーイング(doing)、後者がビーイング(being)といえると思います。ポジティブ心理学の学者たちは、後者の性格や人格の強みのテストを作りました。世界中の様々な文献を読んで、どこの文化でも大事にされている美徳をテストにしました。「VIAキャラクターストレングス」というテストを受けると、自分の強みが1から24まで出てきます。

こういう話をするとよく、弱みはどうするのかという話になります。よく言われるのは、弱みは放っておいたら良いという考え方です。実際「強みに注目すると弱みが気にならなくなった」ということはよく聞きます。強みが引き上がることで弱みも引っ張られて引き上げられたり、気にならなくなったりするのです。例えば、弱みを一生懸命普通のレベルに持って行こうとすると、その人は突き抜けられないですが、強みをより引き上げることで弱みが気にならなくなるということはありますよね。

あとは、他の人に委ねるということもあります。私の場合創造性が1番高いので、去年ぐらいからできるだけ創造的な活動だけをして、事務的なことや他のことは人に頼むようにしました。事務的なことも苦手ですが、お金の計算が1番苦手です(笑)。また美的センスがないので、ポスターなども人に作ってもらっています。そうすると本当に楽になりました。弱いところを人に頼むのも可能ということです。

強みに注目することが弱みの向上につながる

ただ、優しさなどの性格の強みというのは、アウトソースできないんです。そういうことに関しては、練習していくのも大事だと思います。そして面白い研究があったので紹介していきます。強みだけを見てたらいいという考え方は違うと思っています。

ジョナサンハイドさんという心理学で有名な方がした研究です。大学生を2つのグループに分け、1つのグループには強みのテストをしてもらい強みトップ5を意識して使ってくださいと言い、もう1つのグループには下の5つの強みを意識して使ってくださいと言います。あくまで下の方の強みも強みなので、弱みではないのですが、実は2週間後に両方とも幸せになるのです。

ですからどっちでもいいなら幸せになる方を強くしとようとすれば良いと思っていたのですが、もう少し調べると、2週間後に「もう強みを意識しなくていいよ」と言った後の幸福度には変化がありました。トップ5を使っていた人たちの幸福度は維持されましたが、ボトム5を使っていた人たちはもう使わなくていいということにホッとし、使わなくなるのが幸福度に影響してしまいます。

ここから言えることは、「人は強みがあることの方が楽しく続けられる。楽しいことは続けられる。だから効果がでる」ということです。

弱みは強みに変えられる

では弱みをどうするかという話になりますが、1つは「自分の強みを使って弱みを高める」という方法です。これは弱みも高められますし、効果も高いです。私だったら自制心や忍耐力が弱いので、それに人を巻き込んだりするなどして、好奇心や親切心に変えていくということです。

あとはどういう弱みを高めたら良いかということです。私は弱みを放っておいていいとは思ってません。放っておかない方が良い強みの基準が2つあります。1つは幸せと影響している強みは意識して高めるということです。これは幸せに近づくために本人がやりたければやればいいと思います。もう1つは自分にとってすごく大事なものは高めるということです。これは持論ですが、大事という基準は誰かを憧れたり羨ましいと思ったりしたときは、その人の持っているクオリティーに対して、努力していない時に起こるのだと思います。

実はアメリカ人がVIAのテストで1番低い強みは自制なのですが、私のポジティブ心理学の先生もずっと自制心が1番が低かったそうです。彼女は毎日コツコツ何かをできる人になりたかったそうで、食事をとても気にしていました。毎日食べるものを気遣い始めると、本当にVIAの自制心が高まったと喜んでいました。彼女の中ではそれまで、「自制心が高くなりたい」という思いがあったんです。もともとは低かったんですが、練習をすることで高まってきたのです。このように強みというのは筋肉のようにその後の努力によって変わります。

例えばニューヨークでは9.11などの大きな災害の後、愛情や親切心が高まりました。このように環境によって起こることもあれば、自分で意識して練習して高めることもできます。自分にとって大事なもの、大事なものというのは人を見ていて羨ましいなとか思うもの、そういう強みは高めてみてください。VIAはのテストを受けて少しお金を払ってみれるVIAプロや講座などで、強みを高める方法について紹介しているのでよかったら活用してください!

それではこれで終わりです。素敵な1日をお過ごしください!

※「ニューヨークライフバランス研究所」では、幸せを科学するポジティブ心理学やウェルビーイング研究を日本語で分かりやすく伝える活動をしています。オンラインサロン、講師養成、各種講座やイベント、メディア配信などを行っています。


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