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ラグビー×メシマズラノベ『君と一緒にごはんが食べたい』
今年はラグビーワールドカップが開催される年なので、それにちなんでラグビーラノベを紹介しようと思います。
『君と一緒にごはんが食べたい』です。
ラグビー部の主将(ゴリラと形容されるほど体型がガチムチである)が、高校一と持て囃される美貌とピアノの腕前を持つヒロインの手作りする料理を食べながら親睦を深めていく青春恋愛ものです。
タイトルの通り、おいしい料理をたくさん描写した飯テロ小説かと思いきや、
メシマズ小説です。
はい、ヒロインが唯一苦手とするもの、それは料理だったのです。
そんなわけだから、「よくわからないかたちと味になったオムライス」「アレンジを利かせた結果壊滅的な味になった物体」「生焼けの豚肉」などのメシマズ料理が大量に登場し、ラグビー部主将はそれに悶絶しながら食べ、そして酷評していくのが本作の基本的な流れです。
すごくトンチキなラノベに思えますが、「何故ヒロインは料理がへたくそなのか」「何故ラグビー部はまずい料理を食べ続けるのか」ということに対してちゃんとしたテイルズオブシンフォニアみたいな理由が存在しており、「単なる利害関係の一致から互いに惹かれ合ってかけがえのない存在になっていく」展開は王道ながら引き込まれました。
それと同時に、ラグビー部が花園を目指すラグビー小説としての要素があり、思ったことをストレートに口に出してしまう主将が周囲との軋轢を乗り越えながら試合を戦い抜いていくところもみどころ。
特に「すごくスペックが高いが口が悪く生意気な後輩」との間に巨大感情が発生するところが凄かったので、男男巨大感情勢はそこだけでいいので読んでほしい。
惜しむらくは、負けヒロイン(ラグビー部のマネージャー)が出てくるたびに敗退していくのが読んでいてつらいと思いました。
すごいですからね、出てくるたびに主将にアプローチするんだけどそれがことごとくメシマズ正ヒロインによって粉砕され敗走していく黄金パターンが!
あまりにもいいところがないのでもうちょっと報われて欲しいと思いました。
世にメシウマ小説はいっぱいあれど、メシマズ小説はそんなにないので斬新な感覚で楽しめました。単なるイロモノに終わらず、正統な青春恋愛ものとしても面白いのでおすすめです!
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