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最低賃金のチー牛


このツイートについて、少しばかり意見する。


まず、突っ込みたいことが一つある。350円で牛丼が提供されることに客は感謝しろという旨のツイートなわけだが、客が感謝しても問題解決になっていないのではないか?

客に感謝されるために最低賃金でバイトし、労働単価に見合わないサービス精神で提供しているのだろうか?

ほとんどの人が感謝されるために最低賃金でバイトしているわけではない。

現代で、働く理由は金を得るために働いているのがほとんどだ

ゆえにこんな賃金でやってられるかと店側に文句をいうべき話である。

客が理解しても賃上げにはならない。

客が店側に抗議をするのか?もっとバイトの給料をあげてやれと?

ありえないわけではないが非現実的だ。

このツイートを見て本社の人が賃金を上げようと思うのだろうか?

このツイートの炎上によって不買運動などが起きたらなるかもしれない。

これも非現実的である。


牛丼が安い理由


いちいち当たり前のことをいうのもあれだが、牛丼が350円で低下できるのは、当然だが費用が安いからである。費用とは材料費、人件費等であり、賃金とは費用である。

価格は費用とマークアップで決まる。

人件費を上げる場合、マークアップ率を減らすか、価格を上げることになる。

賃上げするには労働者側の交渉力だが、労組に入っていないバイトでは無理だろう。交渉力のない労働者を賃金上げるには最低賃金をあげるしかない。

労組の力が弱まったからなのか、それとも弱めるためなのかはわからんが今の労働環境では、労組作ったりするよりも転職したほうがいいということになっている。

労働者の団結力が失われた今では労働環境は変わらない。

変わる方法があるとすればJGP?

最低賃金について


彼らの給料をあげるには手っ取り早いのは最低賃金を引き上げることである。しかし、そんなことをいうと必ず失業率を増加させるというだろう。特に韓国の例を持ち出してくる。

韓国の経済分析は後でやる。個人的見解だが、韓国は外需依存経済でありまたPBに縛られた均衡財政国家なのでSFCアプローチからいって民間はひっ迫し総需要も増加せず失業者はふえたのだろうなあと推察




下の論文はZ/Dモデルからみた最低賃金


またほかにもこんな見解がある。

雇用者は、最低賃金引き上げに対応して労働者を減らす代わりに、医療補助や労働時間や訓練を削減することができる
ただし、その点を明確に示した実証研究は存在しない。
雇用者は、高賃金労働者の賃金をカットすることによって最低賃金引き上げに対応できる
ある論文によると、最低賃金引き上げに直面した雇用者の半数は、熟練労働者の昇給やボーナスを遅らせたり減らしたりしたという。
低賃金労働者の方が消費性向が高ければ、GDPを押し上げる可能性もある。
企業は商品の価格引き上げでコストを転嫁できる
あるサーベイ論文によると、10%の最低賃金引き上げは4%の値上げにつながる。
企業は利益の減少を甘んじて受け入れることができる
この点を明確に示した研究は存在しない。
企業は効率性を高めることによって対応できる
第2項でリンクした論文では、ジョージアとアラバマのファストフード店で、最低賃金引き上げ後に経営者による労働者の勤務管理が厳しくなった、という結果を報告している。
労働者自身がもっと働くようになる可能性もある
収入が増えると労働者がもっと仕事熱心になり生産的になるという点についての理論的論文は数多ある。ただし実証研究は余り無い。
最低賃金引き上げによって人の入れ替わりが減り、審査や訓練や欠員によるコストが減少し、企業がむしろ得をする可能性もある
最低賃金引き上げは定着率を高める。


しかし、この20年間、最低賃金が上がっているのに日本では平均所得は減っている。


また、日本での最低賃金の議論で注意したいのが日本独自の雇用システム。他国はジョブ型なので、ジョブによって賃金が違います。日本の場合は大企業か中小企業かで同じジョブでも給料が違いますし、正規/非正規でも変わってきます。

他国での最低賃金の議論は特定の低賃金ジョブをどうするのか、マックジョブなどともいあわれている人たちをどうするかという議論になる。しかし、日本の場合はジョブでの区切りではなくもっと広い対象でみる必要があります。

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