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【J2リーグ】復活、ハイプレス【第13節 ロアッソ熊本対ザスパクサツ群馬】

こんにちは、今日もロアッソ熊本の試合レビューを少しだけ書いていこうと思います。

今日の試合では熊本のハイプレス復活に群馬の可変システムが見れたりと、見所が多い試合となりました。

それでは両チームのスタメンとシステム、得点者は以下の通り。

得点者
44分 平川 怜(熊本)
92分 粟飯原 尚平(熊本)

可変システム、発動!

群馬は今季、現在5位とトップハーフの中でも比較的高い順位に位置しています。
岡本、酒井、畑尾、中塩の不動の4バックと守護神の櫛引が守るゴールマウスは堅く、5試合クリーンシートとかなりの安定感。
しかも守4-2-3-1↔攻3-5-2と可変システムを採用してのこの堅さは脅威です。
実際、この試合でも可変システムが発動し、熊本は序盤はかなり苦戦していました。

具体的に言うと左SBが真ん中に絞って2CBと3バックを形成します。
押し出された右SBの岡本一真が中盤大外レーンに入り、中盤全体が左にスライドする形になります。

群馬の可変システム。

岡本はパリ五輪代表候補ということもあり、サイドで存在感を発揮、熊本の左サイドを切り崩しに掛かります。

対する熊本は前半15分くらいまでは押し込まれてしまい、最終ライン~中盤までキレイに繋がれることも多く、特に岡本とMF佐藤が位置する右サイドはかなり活発でした。
佐藤が元々サイドハーフということもありどんどん仕掛けてきますし、そこを大外レーンのフリーランや岡本のボールキープ→佐藤を使ってポケット攻略を試みる、といった明確な意図を持って切り崩しに掛かってきました。

対する熊本は、元々セット時の守備システムは5-4-1ということもあり、片側サイドに圧縮してプレス→フリーの選手を作らないようにしていました。

熊本の可変システム対処。

このまま迎撃し続けても、カウンターの起点や重心が後ろに重たくなってしまうことを考慮したのか、前半15分~20分くらいから熊本が3トップを起点としたハイプレスを敢行します。
前節の町田戦ではプレスをロングボールでたびたびひっくり返されてしまい、思いきったハイプレスが出来ていませんでしたが、今回は群馬がショートパスを繋いでくる→ロングボールでひっくり返されることは少ない、と判断したのかこの時間帯からハイプレスを行いました。

するとこの判断が当たります。
ショートパスで前進を図ろうとする群馬にハイプレスがハマり、最終ライン~中盤までで行っていたビルドアップが出来なくなっていきます。
前半35分頃になると上村辺りのポジションでボールが引っ掛かることが多くなり、ショートカウンターを繰り出す回数も増えていきました。
そして迎えた44分、上村がビルドアップのパスを引っ掛けて奪い、平川が右に展開。
島村がクロスをあげて平川が落とし→上村の折り返し→再び平川に戻しての先制ゴール!最高の時間帯に先制し、前半を折り返します。

ボール保持率も55%とボールを取り戻し、ショートカウンターからシュートを何度も撃っていきました。

修正を上回るポゼッション

後半になると、群馬が選手を交代させて修正をかけてきます。
佐藤に代えて白石智之を投入し、より中盤中央に位置させてポゼッション奪回を図ってきました。

しかしここも上村と竹本が監視しており、自由を与えません。
ポゼッションを回復できない、サイドの岡本を上手く活かせないことで更に熊本のポゼッションのギアが上がっていきます。
元々群馬はセット時の守備システムは4-2-3-1だった為、1トップの左右の脇が空きます。
そこから大西がどんどんボールを運んで、マークをずらしに掛かります。
そこから大西が散らし、平川や竹本が展開していってしまうことから群馬は撤退守備を選択し、プレスはそこそこにブロックを敷いて水際守備に切り替えていきます。

このまま押しきるかと思いきや、群馬が再度修正をかけてきました。
MF山中を右サイドに回し、FW北川とMF内田を投入して再度ペース奪回を図ります。
なおかつ大外レーンに張らせていた岡本をインナーラップ狙いに切り替えさせ、右サイドの主導権奪回とクロス→得点の機会を狙います。

ですがこれを持ってしてもペースを渡さないのが熊本です。
熊本もFW粟飯原とMF大本を投入してペースを変化させ、ポゼッションのギアを更にあげていきます。
黒木の交代→田辺投入は正直アクシデントの意味合いは強かったと思いますが、DF宮嵜が投入されるまで最終ラインが全て中盤の選手、若しくは元中盤の選手で構成されました。
これはスクランブル時のシステム、特にポゼッション強化策としてはじゅうぶん使えるものだと思います。

このまま最後までペースを渡さず、なおかつ92分に粟飯原が追加点を挙げて突き放します。
そしてそのままタイムアップ、熊本にとっては久々の勝利となりました。

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