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【ラ・リーガ】必然の敗戦。マジョルカがレバンテに力負け…【第20節 レバンテ対マジョルカ】

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今回はラ・リーガ、レバンテ対マジョルカ戦のレビューを書いていきたいと思います。
正直、あまりにお粗末な試合内容の為にレビューや分析なんかしてたまるか!と若干怒りすら覚えていました。。

しかし、こういう試合こそ『何故こうなったのか?』『どうすれば改善できるか?』という分析をすべきではないか?と思い直し、レビューを書くに至りました。

それでは、両チームのスタメンとハイライト動画は以下の通りです。

初めはグシャグシャとしか思えなかった試合ですが、改めて見てみると様々な発見もありました。


・パス2本繋ぐとノッキング…末期的な状態のマジョルカ


試合が始まり、日本代表MFの久保建英が在籍していることもありマジョルカの状態を見ていましたが、すぐに気付いたことがありました。

『パス2本繋ぐとノッキングしてる…』

ノッキングとは、パスの出しどころがなく手詰まりの状態になっていることです。
具体的な例を挙げると、GK→CB→SBやCB→SB→サイドハーフとパスを繋いで前進を試みていましたが、そこから先にどう繋ぐか全く決まってない、攻撃が選手任せのアドリブになってしまっていたので、トップ下の久保やセントラルMFのガラレタにマークがついているともうそこで手詰まり。

本来はセントラルMFのガラレタがパスを捌き、久保や左サイドのジャブレスに勝負させる、というのが本来のゲームモデルであった(と思いたい)筈ですが、サイドに力点を置く、パスを繋ぐ、という意識が強すぎて、SBの展開力に依存するゲームモデルに、結果的になってしまっていました。
試合を見る限り、TAAやカンセロ、ジンチェンコ級の展開力があってもどうか、というほどの依存ぶり。
しかもSBに配置されているのはサイドの上下動を得意とする典型的なSBのマフェオとジャウメ・コスタ。
このミスマッチから、マジョルカのパスワークは機能不全に陥ってしまい、レバンテはミドルカウンターやロングカウンターを何度も繰り出していました。


・20戦未勝利と思えない、積極果敢なレバンテ


対するレバンテは、守備時は4-4-2、攻撃時は3-1-4-2へと変形するシステムを使い、今回の試合に臨みました。

先述の通りパスが繋がらないにも関わらず無理に繋ごうともがくマジョルカを尻目に、サイドハーフとSB、セントラルMFが連携して何度もマジョルカの選手達の足元からボールを刈り取っていきます。
ここでも具体的な例を挙げると、マジョルカがSBorサイドハーフでノッキング→苦し紛れにセントラルMFやトップ下に無理めのパスを出す→トラップしたところで刈り取る、というのがパターンと化していました。

ボールを回収すると、CBが開いてセントラルMFが下がる(3バック)→SBはWBとして幅を取るポジショニング、中盤は逆三角形の形となります。
セントラルMFは常にWBとFWとの三角形を意識しつつ、縦にパスがつけられるのであれば早めにFWへパスを供給する、というゲームモデルが明確に見えていました。

攻撃の主原則としてはパスを繋いで前進しつつ、FWへ早めにパスを供給する、というのがあり、準原則として幅を取るのはWBの役目、セントラルMFはパスの優先度は①同サイドのFW②同サイドのWB③セントラルMF④アンカー、というのが私個人が感じた優先度です。
守備時は、主原則としてはゾーンディフェンス、守備→攻撃への切り替え時にはロングボールも織り交ぜつつサイドを固定して中央からスルーパスを狙う、というのが私個人の見解です(レバンテの分析をしている方とこの辺は意見交換したいです)。


・トップ下で苦しみ、右サイドで呼吸だけは出来た久保


今節は怪我やコロナ感染等もあり、復帰初戦だった久保。
早速トップ下で先発したものの、パスが3本と繋がらない状態だったので殆ど流れの中では輝けない状態でした。

こぼれ球を拾った際にはドリブルで必ず仕掛け、右サイドのハーフスペースへのスルーパスを2本通してみせましたが、そこから繋がることはなく、後は決定機やチャンスメイクもなく前半終了します。

後半立ち上がりには業を煮やし、下がってきてボールを受ける場面もありましたが、チームが選手交代でシステムを4-4-2に変えてからは右サイドに張る形に変わりました。
右SBのマフェオやオリヴァン投入後に右SBに入ったジャウメ・コスタは明確なパスコースが出来たので、前に居る久保へ縦にシンプルにつける場面が増え、タッチも増えた印象でした。
最も得意な右サイドでドリブル、パス、シュートと躍動はしましたが得点やアシストには最後まで繋がることはありませんでした。

ガラレタと同様、孤軍奮闘したものの得点やアシストといった目に見える数字に繋がることはなく、タレントをもて余している印象でした。
改善策としてはチームとして久保の担当を右サイドに固定して、幅を取る役目に専念させることが分かりやすい改善策と思われます。
第2の選択肢としては、今回露になったパスが繋がらない問題にも着手するため、可変システムを導入することです。
具体的には、攻撃時のみアーセナルも採用する3-2-4-1を導入し、4の右サイドの役目をそのままやらせる、という内容です。
実際、左足でボールを晒しつつ緩急をつけて突破したりパスやシュートを狙うスタイルはアーセナル所属のイングランド代表、ブカヨ・サカとも酷似しています。
パスを繋いで前進するスタイル自体はスペイン人であれば慣れ親しんだスタイルでしょうし、お手本とするもの(アーセナルのビルドアップ)があれば真似をするだけでも即効性があると考えられます。
後は個人の意識づけとしてパスを貰いに一旦下がる動きをチームの中に組み込むことです。
マジョルカの中でもタレント自体は突出している訳ですから、低い位置で一旦久保のテクニックやスキルを担保にチーム全体を押し上げ、パスを繋げるようにする、というものです。
これについては、久保自身がプレーメーカーになるので得点は更に減ると思われること、マジョルカ自体が決定力不足にあえいでいるにも関わらず更に得点力を低下させる作用にも繋がることから、採用の際はゴールパターンを複数考えることが必須と思われます。


・2点を奪われたマジョルカ、必然の敗戦


ここまではマジョルカをこき下ろすように書きましたが、PKや取り消されたフェル・ニーニョの得点等もあり、全くチャンスがなかった訳ではありませんでした。
ただ、PKはなぜかSBのオリヴァンが蹴って外し、フェル・ニーニョの得点はその前のMFセビージャがハンドからパスを繋いだことで取り消されました。

対するレバンテは46分にソルダードが一瞬の隙を突いて得点、80分にもモラーレスが得点を確実に決めて勝ちを収めました。
パスも繋げず、降って湧いたようなチャンスも決めきれない、となれば、もはや今節の敗戦は必然といっても差し支えはないでしょう。

このような敗戦が続けば、マジョルカはまたも1年でプリメーラ降格、という最悪のシナリオすら見えてくる…そんな敗戦でした。

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