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物理チャレンジ JPhO 第一チャレンジ実験優秀賞までの紆余曲折 - 3.レポート編

こんにちは、Nyanyanです。いまさらとなってしまいましたがJPhO(物理チャレンジ)の第一チャレンジで実験優秀賞をいただいたことに関して記事にまとめてみようと思います。全3回です。

この記事は実験レポートを書く方々の役に立てたら良いな、と思いながら書きます。

今回は「レポート編」として、私がレポートを書く中で気をつけたことについてお話します。

本記事で解説するレポートと使用したプログラム、実験結果の映像はインターネット上に公開しています。内容はとても細かく量も多いですが、ぜひご覧ください。以下のリンクです。
https://github.com/Nyanyan/Physics-Challenge

1. 準備編: https://note.com/nyanyan_cubetech/n/n9fc0ad577419
2. 実験編: https://note.com/nyanyan_cubetech/n/n4c869fee2d18
3. レポート編: https://note.com/nyanyan_cubetech/n/n4646467a4e4d

実験結果を整理する - 5月中旬

実験結果をひたすら解析プログラムに投げて、グラフと数字のデータを得ます。数値データは全部Excelのファイルにまとめておきます。
データは大切に、なくさないようにちゃんと整理しましょう。

モデル化する - 5月中旬

まず例によってレイノルズ数を計算し、多分速さの2乗に比例するだろうとします(一般的に、物体によって抗力が速さの1乗または2乗に比例する場合のレイノルズ数が異なるみたいです(詳しくはありませんが))。
そして、「抗力係数」を算出します。これは、速さの2乗に比例する抗力の一般式の中に現れる、物体依存の値です。こいつをモデル化してやれば物体にかかる抗力をモデル化したことになります。

そしたら、抗力係数がなにに比例するのかを、グラフを書いて調査します。一部を載せます。

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今回、抗力係数は円錐状物体の大きさの比(ここでは誤魔化して書いたので詳しくはレポートへ)と頂角によって決まるとして、それぞれ何乗に比例するのかを調査しました(両方とも無次元量なので次元解析が役に立たない!)。
近似直線を引いて、誤差の2乗の平均値を使ってどれほど近似できているかを評価しました。
その結果、最初に載せたグラフ、頂角の平方根と大きさの比の平方根に比例するということになりました。また、比例定数が0.999と1に近くてなんだか「それっぽい」ですね(このことは決定になんの影響も及ぼしていません)。

レポートを書く - 5月下旬-6月上旬

レポートを書くときは、

・わかりやすく
・丁寧に
・誤解がないように
・誤魔化さずに
・日本語が崩壊しないように

を心がけて書きました。

ちなみにレポートはTeXを使い、Overleafというサービスを使って書きました。OverleafはTeX書きの必需品と思えるレベルで使いやすいのでおすすめします。

まとめ

実験が終わったらあとは結果をまとめてレポートにするだけですが、これが案外大変です。大量の実験結果をどのようにしてまとめ、どのように使うのかが勝負だと思います。
私はこの実験で結局80ページという大作レポートを書きました。レポート評価では「実験結果が簡潔にまとめられている」のみ満点を逃しましたが、その他の項目では無事満点の評価をいただけました。

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