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ある悲劇系ヒロインとの思い出


6~7年間親しく付き合ってたが2年前に関係を絶った女性が1人、かなり印象に残ってる

私が関わった悲劇のヒロインタイプの中で一番美しい人だった。外見じゃなくて、苦しむ、悲しむ様が。もう助けずにはいられないような、そんな子の話。

出会った時からもうニート彼氏に金取られて餌食になってた
「え、なんでそんな理不尽受けてんの?」って状況だったんだけど
理不尽を受ける様がめっちゃ「可哀想」「助けてあげたい」って感じ。

その子自身が解決すりゃいい問題なんだけど
もうね、「できない」んだよ。その出来ない様も当たり前に許せてしまう。
「いや甘えんなよやれよ」じゃなくて
「そっか、出来ないんだ。貴女みたいな優しい人ならしょうがないね!」と本当に素直にそう思わせる。

その子と知り合い仲良くする中で
だんだんと自分が介入すればこれ助けられるんじゃね?
って思わず助けちゃったのがきっかけ。
知恵を絞って、オラつき系ニート彼氏から彼女を救い出す。
丁度その時元彼が舞い戻ってきたので、ニートと別れてその人と付き合うのも、ありなんじゃない?って。
結果、かなり上手く行った。ニート彼氏は次の彼氏に威圧されて、有無も言えない感じで終わったかな。

助ける時の「自分がこの子を助けるんだ!」っていう使命感がやばかった。
最早麻薬に近い
めっちゃ損な役回りしてるし、ニート彼に「ボコボコに殴りつけるぞ」くらいの事言われたりしたんだけど不思議と怖さも麻痺してヒーローアドレナリンがどばどば出てたと思う。

この子の笑顔のためなら戦える!!って思えんの。いや私格闘経験もない普通の20代女性だったんだけどね?

んでそれをきっかけに、彼女と「心友」になって。
なんというかもう。なんだろうね。
彼女はとにかくネットもリアルも、トラブルに巻き込まれまくってる子。
主に恋愛系の取り合いとか、女子同士の嫉妬による嫌がらせとか。人気あるんだけどサークル姫気質?だったんだろうなぁ。
事件が盛りだくさんな毎日だった。


彼女を好きな人は男女共に多かったが、男性は特に彼女を独占したがってね。

彼女を手に入れようととにかく尽くして押して、彼女も押しに弱かったしですぐ恋人関係にはなっちゃうんだけど

毎回彼氏に「私の親友!本当に大事な人!」って私を紹介するのね。
凄い時は「私は宙子に許可を取らないと付き合えない」くらい大きい存在として認知させる。

最初は彼女の友達だから仲良くしようとしてくれるし、私も適度な距離保って「彼女の友達」として知り合っとく

ここまではいいんだけど

色々な交流を経て「彼女の特別な男」になった彼等は
大体一定期間経つとトラブルを起こした
自分だけが特別じゃない事に気づき、悩み、怒り始める


付き合ってる内に違う男性や、他のコンテンツに惹かれたり、この人違うな。うっとおしいな、邪魔だなってなってくると、次第に彼に向けていた愛情を私にずらす。「貴方より特別な人がいる。それが宙子だ」とね。

友達と恋人の特別は違うだろうと了承してた彼の前に、いつのまにか私が同じ土俵で、彼氏より優先される存在として君臨してしまう

喧嘩なんかした時に「宙子は解ってくれるのに。もういい」とか、そう彼に言っちゃうんですよ

私と彼氏を比べれば、私の方が彼女と揉めないのは当たり前だ
だって私は彼氏じゃないから、彼女に唯一無二など求めるわけがない。

彼氏さん達も、私と比べられたら溜まったもんじゃなかったんだろう。

そんなもんで私は彼女と付き合った男性全員に凄く嫌われていった。
「宙子なんて所詮女だろ。俺はアイツを殴り殺す事だって出来るんだぞ!」みたいな事も言わたりね。
アイツとは付き合うなとか
お前は宙子に騙されてるとか
散々「ライバル」として敵意を溜められていってしまう。

彼女からの悩み相談の時ね、私貴方達のフォローめっちゃしてたのよ?2人が幸せになれるように、結構知恵も心も砕いたんだけどなぁ。

彼女自身の傾向として、あまり心が安定していない。
「居なくなったら心が死ぬほどの大事な人」がすぐ出来るけど
感情や自分の都合でコロコロ相手が大事だったり邪魔だったりしてしまう。大事なら傍にいつも居て欲しいが、違う物に興味を持った時は構わないで欲しいっていう。

でも「邪魔」という表現は絶対しない。「束縛されて苦しい」とか、それくらいの、とにかく偉そうにならない。悪くならない。
トラブルの「加害者」にはならない。やっぱり「美しい悲劇の姫」だったな。

私も多分彼女にとって「邪魔」になった時もあったろうけど
基本的に仕事が忙しいので常に彼女といるわけでもないし
流石に性欲やら支配欲はあるわけないので、自分だけが特別じゃ無い事に腹が立たない

他の人とキャッキャウフフしててもそもそも張り合う気なんぞないし
「彼女の特別枠」に自分以外の人が居ても、私の事が嫌いじゃないなら、他に好きな人は沢山いたほうが彼女の人生も豊かになるしいいんじゃない?って思ってた。

たまたま喋ったり頼られた時に「心友」としてコミュニケーションし、
その時「有り難う!!大好きだよ、貴女は本当に私の特別な人」って感謝されるとそれで充分嬉しかったのだ。

んでこれがまた彼等の癪に障る。
俺達は彼女からの好意に満たされなくて苦しいのに、宙子はずっと満たされてる!と

いやだって、別にそんなにはいらないんだもん。貴方達とは立場が全然違うでしょ・・・って、私と比較されてる劣等感など全く知らないから、首をかしげるばかりだった


話は戻るが、彼女が彼氏と揉めに揉めていよいよ「いらない」と判断したら
私に泣きつくのだ。「こんな風に○○君が私を縛り付けて、苦しい思いをさせてくる。」と

「助けて。守って。追っ払って」の表現がね。極上に上手いんだよ。

一生懸命自分でなんとかしようとするんだけど、相手に丸め込まれて言う事を聞かされてしまう。理不尽を受けてしまう。そして弱っていく・・・みたいな。めっちゃ悲劇のヒロイン。

後々思い返してみれば「いやそれあんたも悪いでしょ」って思う事いっぱいあるんだけど、大抵結末がDVやストーカーレベルまで発展してんだよ

これがまた放っておくと本当に不幸になっていくってんで、話を聞くうちに「は?私の妹分にそんな酷い事する奴がいるとは許せん」みたいに、ヒーローアンテナが発動して守るモードになってしまう

最終的に私が「別れさせ屋」として割り込むのだ。彼女の望むままに。

「彼女の親友」って立場で
相手との話し合いに彼女の味方として無理やり介入して
「お前なんかにこの子は渡さん」みたいに無理やり引っぺがす

悪役になって相手から彼女を奪って「これ以降彼女に近づいたら私が許さんぞ」とガッツリ威圧する

そうしてどうしようもない敗北感で打ち負かされた彼に、彼女が泣きながら言うんだ

「私は宙子を裏切れない。貴方とは別れなきゃいけない」


程なくして恨みを買うのは「別れさせた私」に変わり、悲劇のロミオとジュリエット方式で離れるっていう結末


どうゆうこっちゃねんwwwwwwwww
ってね。今考えると意味解らんな。


本当か嘘か、今となっては結構大げさに言ってた部分や都合の悪い事は言ってなかったんだろうなぁ。

今思い返すと、既婚者とかホストとかやばい相手の時に
「その人と付き合うのはあなたの幸せにはプラスにならないと思う。お金も取られるし自分で責任取れないならやめた方がいいよ」って2時間も3時間も伝えたけど、結局内緒でみんなと付き合っちゃうし

「宙子に申し訳ない。こんな恋愛許されない」みたいに2人で盛り上がりやすかったもんなぁ。
んで拗れたらこっちに泣きながら来るんだよ「黙っててごめんなさい」って

旅行の約束も彼女の体調やら家庭環境やらが原因で「しょうがないドタキャン」も多々

彼女と付き合うには3:7くらいでこっちが寵愛をあげて相手を安心させなきゃ成り立たなかった。

中毒が切れたのは、二人で仕事合間にオンラインゲームで遊ぶようになって、その中でも3~4件くらいトラブルを解決した後くらい。

仕事合間っつっても彼女は病弱で働けなかったから殆どゲームにいて、私は忙しくて10分の1もインできなかったかな。ゲームと現実だと2人の立場は反対になった。

ゲーム内でコミュニティのおぼつかない私に対してはっきり「邪魔」だと感じたその時、私は「あ、今までの、トラブル起こす彼氏側に立ったんだな」って妙に納得して

なんだかんだ理由つけて離れた。

彼女が「邪魔だな。一緒にいたくないな」って空気を感じ取ったのはその時が初めてだったけど、皆よく引き止めたな。私秒で「あ、さよならー!」ってなったよ。それくらい、落差に耐え切れなかった。


これ彼女が凄いのか私がドのつく馬鹿なのか解らないけど

振り回された過去を振り返っても彼女を憎く恨むって気持ちが湧かないんだよな
憎んだり恨んだり、悪く言ったら「かわいそうだな」って今でも思う。

結局「貴女が私の特別な人」の表現だけで満足させてくれてたんだよ
「貴女の意見は正しい!私は信じてるよ!」ってすごい価値だと思う。


彼女の特別になれてた頃の思い出はどれも恨みが無い。思い返してもフフッと笑ってしまう

ホント、凄い才能だと思う。


でも復縁はやっぱりないな。彼女と対等な友達関係ってのは今でも全く想像できない。

可哀想な彼女を助ける為に、私の時間はもう使えない。
うちにも強烈なヒロインが2人程居る。手いっぱいだしなぁ。


どうか彼の地で、沢山の人に愛されて人生楽しんでいる事を祈ろう

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