映画『ジョゼと虎と魚たち』

ジョゼと虎と魚たち

2003年 日本

主演
妻夫木聡
池脇千鶴




普段エロいことばっかり考えてるような(?笑)大学生の恒夫(妻夫木聡)。


ある日、バイト先の雀荘で噂の乳母車を引いてウロウロしている老婆の話を耳にする。

その話を聞いた後、雀荘の店主から犬の散歩を任されお店の外に出る恒夫。

トコトコと犬と一緒に坂を登っていると…。

上から物凄いスピードで乳母車が降りてきて正面のガードレールに激突!!

坂の上からは「大丈夫か見てくれ!」と叫ぶお婆さんの姿が!

勇気を出して乳母車に被さってる毛布をバサッと開ける恒夫。

開けるとブルブル震えながら包丁を握り締めている女の姿が!!

恒夫に向かってブンッと包丁を振り回す!!
腰を抜かす恒夫!!


そう、この人たちが噂の人たち。

乳母車を引く老婆。
そして乳母車に乗っているのは子供じゃなくて大人!!この女がジョゼ(池脇千鶴)。


ヤバイ婆さんかと思いきや、これまた色々話してくれるんだ。
その時にジョゼの足が不自由だと知る。

話をしながら、この人たちの家まで行くと、ご飯食べて行かないかと誘われる恒夫。
「仕事中なんで…」と言うも聞く耳持たずの婆ちゃん。

よく見ず知らずの若い男の人向い入れるなぁ。なんて思いながら観てた。

出されるご飯を恐る恐る口にする恒夫。
思いのほか美味しかったようでバクバクニコニコ食べる。おかわりまで笑
おかずはジョゼが作っていた。


その日から恒夫は、何だか懐いた猫のようにしょっ中ジョゼと婆ちゃんちに現れるようになる。

実家から食材送ってきたからとそれを持って行ったり、挙句に助成金が出るからとリフォームを勝手に決めて業者手配したり…。

まぁハッキリ言ってあんた人んち何してくれてるの?って感じの行動をするんだよな。

付き合ってるのか付き合ってないのか、分からないような彼女かなえ(上野樹里)は福祉の勉強の一環として、この家に見学に来るし。意味わからん。


大学生の設定だから学食とか宴会?会合の場面が出てきたりする。出演者は大勢いるけど主な登場人物としては妻夫木聡、池脇千鶴、上野樹里、恒夫の弟、婆ちゃんくらい。あー!あとジョゼの息子(本当はちがうけど)もキーポイントだった!!

さらにジョゼの近所に住んでる小学生と思われる姉妹のお姉ちゃんのほうはとても良い演技でした!


そのお姉ちゃんがなぜかジョゼと一緒に散歩をしてる。もちろんジョゼは乳母車の中。
坂道の上りで、乳母車を重そうに押しているお姉ちゃん。頂上付近に差し掛かると恒夫の彼女かなえが現れる。

お姉ちゃんは雰囲気を察して乳母車を背に後ろを向く。

その間、女のバトルがスタート!

「正直あなたの武器が羨ましいわ」
「じゃあ、あんたも脚切ってもうたらええやん」

パァーン!ジョゼに平手打ちを食らわすかなえ。
しばらくやり合う二人。
立ち去るかなえ。


恒夫がジョゼんちに行くも婆ちゃんに追い返される。

しばらくジョゼんちに行ってなかった間に婆ちゃんが亡くなったと知り、慌ててバイクを走らせる恒夫。

一人で家にいるジョゼ。

一人で大丈夫か?と心配する恒夫。

隣のオヤジに「乳触らせてくれたらゴミ捨てしてやる」と言われて胸触らせたら、本当に毎日捨ててくれるようになった…という話を投げやりのようにするジョゼ。

「なんだそれ?福祉の人にやってもらえばいいじゃん。」何の気なしに言う恒夫。

何も分かってないとばかりに「帰れ!」と激怒して叫ぶジョゼ。

しかし帰ろうとする恒夫を引き止めるジョゼ。

ジョゼ (泣きながら)
「ここにいて…ずっと…」

恒夫「うん…」

そして玄関先でキスしまくりの二人。


えーー?!
ずっとってどうゆうこと?
うんって言った??
一緒に暮らすってこと??
どーなるの??

そんな考えを巡らせてるうちに…。

その流れで、お布団に誘うジョゼ。
いつもなら、がっついて行くはずの恒夫がなぜか怯む。布団の横で正座してる姿が面白い。

映画公開当時、話題だった千鶴ちゃんのポロリの体当たりシーン。

樹里ちゃんとのシーンよりこちらのシーンのほうが愛がある雰囲気。小刻みにするキスだったり手を握るとことか!
ええわぁ〜。
妻夫木いい役者や。

これ観てたらすっかり関西弁に(゚∀゚)ハハ


で結局あの家に住むってことではなく、二人で長期旅行に出たって話。


動物園で虎見て、水族館行くも休館で見れず…だったから、お魚の見れる??ラブホへ笑

本当は途中で恒夫の実家の法事にジョゼを連れて行く予定だったのにジョゼの要望で急遽予定を変更して海へ。


冒頭の恒夫の喋りで一瞬ジョゼが死んじゃった話なのかと思ったけど、そうじゃなさそうだし、この物語はどうゆう展開していくんだろうと思いながら観てたけど、結局二人はそれぞれの道を行ったんだよね。


恒夫はジョゼと一生を共にするっていう覚悟がなかったの。それは本当に残念なことだなぁって。

最後のほうのシーンで、ジョゼとは別々になり、かなえと二人で歩いてる時、突然泣き崩れる恒夫。
ここに全てが詰まってる気がした。
言葉では言い表せぬ感情が溢れ出したのだ。


だけどやっぱり足が不自由ということは、それなりに不自由なことが多くて、生半可な気持ちじゃ付き合えないと思うからね。
ただの一緒にいて楽しい、好きだ…っていうだけの感情だけでは済まされないっていうこと。そういうことの難しさも感じたな。


個人的に助演男優賞をあげたい!と思ったのは、ジョゼが勝手に息子と呼んでいた『こうじ』役の役者さん。見た目は不良だけど虫も殺せぬ心優しい青年を描いててとても良かった!

と、思ったんだけど…。

何ていう役者さんかしら?

あれ?元俳優…ってなってる…。

あれ?この方って…。

そうか…そうなんだ…気付かなかった。

とてもいい演技だったのに。

最後はなんとも言えない気持ちになりました。。。


タイトルにある『虎と魚たち』はそんなに重要視されてなかったように感じた。
『ジョゼ』って響きが当時カッコイイなとは思っていたけど。

星5個で満点なら星2個半って感じだな…。

元は短編小説らしいけど原作はどんななのかな?


主題歌のくるりの『ハイウェイ』はエンディングで流れて、恒夫の男泣きシーンを見た後でも悲しい気持ちにはさせずに明るく吹き飛ばして次に行けるような気持ちにさせてくれる効果をもたらしてたな。
曲を聴いて全てスッと消化されたような気がした。

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