価格帯別出来高と短期需給の読み方(基本編、上級編)



価格帯別出来高と短期需給

想定している局面は底値圏からの反転噴火と材料などでの噴火から下落した初押し局面での分足、日足の分析である。


株価が常に100円を中心として90円ー110円を行ったり来たりしていると仮定する。
しかし必ず90円まで下落してから上がるというわけではない。


あなたはどうやって儲けようと考えるだろうか。


90円で買って110円で売ることを考えるだろう。
しかしこのことを多くの人が知ってしまうとどうなるか。

90円で買えば絶対損しないわけだから待つのもいいが、さっさと儲けるために91円、92円も全部買ってやろうと考える。

やがて90円まで下がることはなくなり、底値は92円、95円と切り上がっていくかもしれない。

90円から100円に上がるのには半年かかるが、100円から110円は3日だとするとどうだろう。

ほとんどの人間は90円を待つことはできず、いつのまにか100円以上で売買する人ばかりになる。

いつも儲けているのは90円付近まで待っている人たち。
いつも損しているのは100円以上でハイリスクな売買を繰り返す人たち。

しかし100円以上の売買でめちゃくちゃ儲ける人が0.1%ほどいるため、儲かりまくるように錯覚する。


これが短期の株式市場の単純化モデルである。


いつも110円で買ってしまう人は、株価が200円に上がって大儲けできると考えている。

しかし株価が200円になるのはいつも、110円で買った人が90円付近で投げた後なのだ。

50円まで暴落すると思って。


なぜかその一番おいしい買い場では、110円で買いにいっていた人は大損して株をやめるなどど言いだして買うことをやめてしまう。

このモデルにおいて100円以上の需給は上がり続けているとき以外は悪い。
100円を割ったときの需給は、100円以上で買った下手な人が含み損に耐えているうちは悪いが、株価が下落するか、上がらないまま時間が経過して、その人たちが損切りするごとによくなっていく。

これが需給の基本である。

儲けるには下で買って上で売れというだけの話なのだ。

下で買う人は含み益という余裕があるので質がいい。
上で買う人は含み損を抱えることが多く、上下の値動きですぐ売るから質が悪い。

質のいい資金は買ったら大きく上がるまで売らないから、売りが出ない。
質の悪い資金は1,2円上下したら利食いだ、損切りだと売りを出すので上値を重くする。

質のいい投資家が多い銘柄は需給がいい。
質の悪い投資家が多い銘柄は需給が悪い。

これを原則として売買戦略を構築していくのが短期売買である。

今回はこの単純化モデルをもう少し細分化して、需給がいい局面、悪い局面とはどこか。
どのようにしてそれらを判断すればいいのかをまとめた。

内容が理解できなくても、ポイントを暗記しているだけでも役に立つだろう。


更新履歴 2019年8月2日、上級編追加

目次
ー需給を読むときの仮定
ー株を買った人は買値付近で最も多く売りを出す
ー需給がいい=上がる、ではない
ー大口投資家の事情
ー大口には二種類いる
ー需給のいいところで戦って稼ぐ方法は、含み損投資家の損切り売りを買うこと
ーもみ合い後の上昇3パターン
ー上昇に失敗したときのリスクが違う
ー調整不十分とは
ー時間調整を経た方が需給は良化し、上値は軽くなりやすい
ー需給悪化とは
ー短期需給良化項目一覧
ー短期需給悪化項目一覧
ー短期需給悪化項目一覧の例
ー短期需給良化項目一覧の例
ー実戦での村上ファンドの買い方に学ぶ
ー需給に関しては細かい影響を計測する必要はない

上級編
ー実戦での需給悪化の原因とは
ー逆張り買いスキャルピングの基本、買った瞬間含み損にならない買い方
ーデイトレイナゴの習性
ー需給の中心線理論
ー価格帯別出来高で見る、需給良化のメカニズム
ー分足で初動の上げ一巡後の初押しを考える
ー押し目で売りが減らない場合の要因



重要な部分には★をつけておいた。

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