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オープンキッチンの厨房

オープンキッチンというのの発祥は、ひょっとすると日本かもしれません。

アメリカでキッチンをショウのように見せるお店や、ローラースケートを履いた店員さんが客席を回るようなお店がでてきたけれど、カウンターで調理を見せながら提供するといのは、日本では江戸時代にはもうお寿司屋さんやお蕎麦屋さん、天ぷら屋さんで行っていますよね。

そういえば、40年位前(あー、当時は私も若かった(-_-;))イギリスから来日したゲストに、お昼をどうしたいかお尋ねしたら、「カウンターから調理しているのが、見える店」と言われ、天ぷら屋さんのカウンターに行った覚えがあれいます。つまり、当時の外国では珍しかったのだと思います。

屋台で調理しての販売ならば、インドやタイ、ブラジル(シェラスコの屋台なんですよ!)、ドイツ(ソーセージを茹でたり、焼いたりしてます)、トルコ(ケバブですね)等々、沢山の国にあります。

調理の場面が見えるようにした店舗ができたのは、日本がじとじとした梅雨や寒い冬があったのもあるでしょう。寿司を握るとか、てんぷらを揚げる、蕎麦を打ったり茹でたりするのが、食欲をそそるように行われたからでしょうか。

カウンターキッチンのメリットのは、調理過程が見えるというショウ的な楽しみ、そして自分の注文がどの位出来上がっているかが見えるので、待たされた感じが少ないことです。あんなに行列になっているラーメン屋さんでも、店内に入れば、今何番目の人のものを作っているか明白なので、待たされることにあまり苦痛を感じなくてすみます。江戸っ子は短気が評判でしたから、こういう見せて待たせる作戦もあったのかもしれませんね。

お客様に見えるということは、見られて問題のない清潔感を維持することにも意識が働きます。働いている側からすれば、氣が抜けませんが、衛生管理の面でもよい事ではあります。

以前中国からの引揚者が作った中華屋さんに行ったら、コの字型の壁にテーブルがついていて、お客さんは壁を見ながら食事をする造りになっていました。なんだか閉塞感があり、居心地がよくありません。ひょっとしたら、どのお客様も同じ条件で食べられるように、という考えだったのかもしれません。どうも、どのお客様も居心地がよくない感じになってしまったようですが。

厨房が見える席と、見えない席があってもいいのではないですか。「あそこに座ると、厨房の中が見えるんだな、次は早めに来れたら、あそこに座ろう。」と思ってもらえるかもしれません。店舗の作りで、カウンター席しかない店以外だと、厨房の見え方に差があるのは、普通のことですから。

以前勤務していた居酒屋チェーンですと、おひとり様の場合はカウンターに案内するのですが、こちらで割り振るのは失礼だから、「こちらでよろしいですか?」と確認することになっていました。

常連さんや1人席に慣れたお客様だと、カウンターに座って調理中のスタッフの様子を見たり、手の空いた時に、スタッフと会話を楽しんだりなさるので、これはこれで楽しいと思います。アベックやご家族連れでしたら、厨房の様子が見えなくても、内輪の会話の方が楽しめるでしょう。

オープンキッチンの流行は、バブル時代にだと思います。皆が外食を楽しむ時間と余裕があり、作る様子も楽しみの要素の一つとして取り入れたのでしょう。

今は、唐揚げ屋さんや蕎麦屋さんで、出来るまでの様子をみて、待ち時間の予想を立てたりするわけですね。唐揚げ屋さんは、呼び出しベルを渡されて、出来上がったら鳴るので、取りに行くというのもあります。コロナ対策か、待ち時間へのクレームを避ける為か、なかなか賢いやり方ですね。




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