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伝統の知恵

いただき物の「凍み餅」の賞味期限が迫っていたので、料理しました。

福島の伝統保存食のようで、水分がなくなるまで寒いところで干した餅です。わらで縛ってつるしてあります。

食べるのは初めてなので、説明書通りに水に2時間浸してから、水気を拭いて、油で炒めました。炒めているうちにどんどん柔らかくなって、つきたての餅のようになりました。

あとは、おろしもちにして食べたのです。これを考えた人、すごいなあ、と感心しました。昔のご馳走であった餅は、そのままでは保存が難しく、水に浸して、水餅にしたり、カラカラに干しておかきにしたりするのが普通でした。

保存でき、かつ餅として、味が落ちないように食べたい。(水餅は、味が落ちますから)その一念ですね。凍み豆腐(高野豆腐)のように、少し乾燥させてから、寒い野外に吊るして、さらに乾燥させたのでしょう。

伝統食を食べると、先人の知恵に感心させられます。

豆を昆布と煮る昆布豆や五目豆は、大豆のサポニンで体外に排出されるヨードを昆布のヨードで補給するようになっています。

西洋のように、豆を肉と煮込む(カスレや、レンズ豆とベーコンのスープとか)とビタミンBの吸収が良くなります。

先人は、「これを食べたら、体調がいい。」というような長い歴史の経験値で組み合わせを考えていったのでしょうね。

極めつけは、石川県の一部で製造販売されている、ふぐの卵巣の粕漬、糠漬け。猛毒のテトロドキシンを含むふぐの卵巣を二年も漬けて、無毒化するのです。

2年で無毒という知恵を得るために、何人の人が犠牲になったのでしょうか?そこまでして食べたいほど、美味しかったのでしょうか?


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